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2010ワインテイスティングクラブ

第202回

イタリアといえばキャンティは外せない

平成22年12月01日

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№01 2006 CHIANTI CLASSICOキャンティ クラッシコ

生産者:SAN VINCENTIサン ヴィンチェンティ
生産地:イタリア トスカーナ州 原産地呼称:D.O.C.G CHIANTI CLASSICO
葡萄品種:サンジョヴェーゼ100%
熟成:新フレンチ・バリック16ヶ月、瓶熟3ヶ月
ストラクチャーのしっかりしたガイオーレ・イン・キャンティらしい男性的なキャンティ・クラッシコです。香りからも力強さが感じ取れ、口中では果実味の膨らみやしっかりとしたボディのある力強い味わい。酸はエレガントで柔らかい為、パワフルでも飲み疲れのないバランスの良さも特筆に値します。  

◎SAN VINCENTI (サン・ヴィンチェンティ)
パワーのあるサンジョヴェーゼを造るのに適した土地と定評のあるキャンティ・クラッシコ地区ガイオーレ・イン・キャンティにあるこの土地を現オーナーであるロベルト・プッチ氏が1985年に購入したのが始まりです。
オーナー ロベルト・プッチ氏
前オーナーは品質には全く興味が無く、その土地のポテンシャルを生かし切れませんでしたが、プッチ氏の努力と1995年よりエノロゴとして契約をしたキャンティ・クラッシコ名人カルロ・フェリーニの手腕により格段に品質を向上させる事に成功しました。

カルロ・フェリーニは11年間キャンティ・クラッシコ協会に従事し数々の栽培、醸造に携わったキャンティ・クラッシコ名人です。かつては2000年版のガンベロ・ロッソ誌にてその年の最高の醸造家として“醸造家オブ・ザ・イヤー”も獲得しております。

[キャンティ・クラッシコ協会より 2006ヴィンテージ情報]
2006年は夏の始まりが高温で乾燥し、開花と結実は早まりましたが8月の前半には適度な降雨による気温の低下によりゆっくりと色づき(ヴェレゾン)が始まりました。8月の中旬以降は好天に恵まれ、アルコール濃度も高い数値を記録しました。また潜在アルコールだけではなく、アントシアニン、ポリフェノール酸度等も素晴らしい数値を記録し長期熟成にも耐えうる高品質なヴィンテージとなった為、キャンティ・クラッシコ協会はこの恵まれた2006年に最高評価の5ツ星を付けました。色づき(ヴェレゾン)がゆっくりと始まった事により葡萄は過剰な日光の照射を受けて果皮に含まれる香り成分が破壊される事もなく、例年以上に豊かなアロマとなりました。

№02 2006 CHIANTI CLASSICO RISERVAキャンティ クラッシコ  リゼルヴ

生産者:SAN VINCENTIサン ヴィンチェンティ
生産地:イタリア トスカーナ州 原産地呼称:D.O.C.G CHIANTI CLASSICO RISERVA
葡萄品種:サンジョヴェーゼ100%
熟成:500l樽にて24ヶ月熟成後、瓶熟6ヶ月
ジャパン・ワイン・チャレンジ 「ベスト・イタリアワイン」獲得!
スティニャーノと同じく良年のみに生産を行います。よく熟した果実とバニラのアロマがよくまとまっておりストラクチャーのあるリゼルヴァです。本当に素晴らしい香り。ドライフラワーのニュアンスや破砕したブラックベリーの豊かで強烈な香り。丸くてビロードのようなシルキーなタンニンと長くておいしいフィニッシュがありフルボディ。豊かでバランスもよい。

№03 2006 STIGNANO スティニャーノ

良年のみ生産の最上級キュヴェ!
生産者:SAN VINCENTIサン ヴィンチェンティ
生産地:イタリア トスカーナ州原産地呼称:I.G.T. TOSCANA ROSSO
品種:サンジョヴェーゼ90%、メルロー10%
熟成:新フレンチ・バリック16ヶ月、瓶熟6ヶ月
濃縮感のある黒色系果実のアロマ。濃密さがありながらピュアで濃密な果実味を柔らかい酸がしっかりと受け止めバランスを保っており力強いながらも均整が取れております。力強いサンジョヴェーゼの魅力をたっぷりと味わえる1本です。
ワイン・スペクテーターより90点獲得
芳しく、まさにブルーベリーとブラックチェリーの香り。洗練され研磨されたかのようなタンニンがあり力強い。愛情のこもった長い余韻。しっかりとしているが、もう既に美しい。
ワイナート16号
「その濃厚な色と味わいはいかにも現代的な魅力だがまったくイヤみがなく、整然としてクールな気配を漂わせるあたりいかにもカルロ・フェリーニだ。」とスティニャーノを紹介しております。
テイスティングの記事では2000年ヴィンテージが94点という高得点を獲得しております。

№04 1990 Chateau Suduirautシャトー・シュデュイロー

生産者: AXA Millesimesアクサ・ミレジム社
生産地:フランス ボルドー ソーテルヌ
品種:セミヨン95%、ソーヴィニヨン・ブラン10%
醸造:発酵はオーク樽(1992年以降)で10~30日間。熟成はオーク樽で18~24カ月間。新樽は20~30%。ベントナイトで清澄処理され、濾過処理もされる。
イケムからの道路を下ると、北側でイケムの畑に隣接しているのがシュデュイローの広大で美しいブドウ園。スデュイローはソーテルヌの偉大なワインのひとつということができる。
例えば1959年、1967年、1976年、1982年、1988年、1989年、1990年はシュデュイローの潜在能力をつぶさに示す例である。最良の場合には、シュデュイローは、ブラインド・テイスティングでイケムと間違うほどのとても豊かで甘美なワインをつくり出すことができる。偉大なヴィンテージでは、このワインは最良の状態になるのに10年は必要だが、軽く25年間はその状態を維持できるだろう。最高の年には、豊かな色をして、まったく香水のような、退廃的に豊かな、巨大でさえある。

第201回

エルミタージュのラフィット・ロートシルト

平成22年11月10日

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№01 2009ROSELIAロゼリア

生産者:CHANTECOTESシャントコート
生産地:フランス コート・デュ・ローヌ
品種:グルナッシュ80% カリニャン10% シラー10%
醸造:ステンレスタンクにて醗酵・熟成
2005年のカンヌで行なわれた[世界ロゼワインコンクール]にて審査員団から最高得点を獲得し、見事650本の中からNo.1に選ばれたロゼ・ワイン。
やや濃い目の美しいロゼカラー。ラズベリーやイチゴ、サクランボ等赤くて小さな果実を連想させる豊かで艶やかなアロマ。程よく酸があり、フルーティーで繊細な果実味が好印象を受けるフレッシュな味わいです。

№02 2009 ABELIAアベリア

ワイン名欧文:ABELIA 2009ワイン名和文:アベリア   
生産者:CHANTECOTESシャントコート
生産地:フランス コート・デュ・ローヌ
品種:グルナッシュ・ブラン60% マルサンヌ30% ヴィオニエ10%
醸造:ステンレスタンクにて醗酵・熟成フランス ブルゴーニュ地方 
アベリアは果皮からのエグ味を避けるためフリーランジュースとプヌマティック・プレサージュ(空気圧搾機)で圧搾された搾汁を使います。プヌマティック・プレサージュとはプレス機の中でシートが風船の様に膨らみ、柔らかく搾れるプレス機です。
葡萄を強く搾らない為、フレッシュでピュアな白ワインに仕上がっております。当ワインは2008年にヴェゾン・ラ・ロメーヌ(プロヴァンス)で開催されたコンクールで金賞を獲得しております(2007ヴィンテージ)。
やや淡い麦わら色の外観。アンズや白い花、レモンやオレンジ、リンゴの香りの中に無数のハーブのニュアンスも感じられます。豊かで膨らみのある果実味は柔らかい酸に包まれバランスよくフレッシュ。重たくなく、とても品のある味わいに仕上がっております。

№03 2005 ERMITAGE LE MEALエルミタージュ・ル・メアル

生産者:FERRATON PERE ET FILSフェラトン・ペール&フィス
生産地:フランス ローヌ
品種:シラー100%(樹齢約30年)
醸造:果梗を全てはずし、コンクリートタンクにて約4週間
    ピジャージュとルモンタージュを行いながらマセラシオン。
    フレンチオーク(新樽率30~50%)にて14~18ヶ月熟成

FERRATON PERE ET FILS(フェラトン・ペール&フィス)
フェラトン(Ferraton)は1946年に創立されエルミタージュやクローズ・エルミタージュなどに約20haの畑を所有する生産者です。4世代にわたりタン・レルミタージュの町で質の高いワインを造り続けており1998年に4代目サミュエル・フェラトンの代に、同じくタン・レルミタージュに拠を構えるローヌの名手シャプティエとパートナーシップを組む様になります。ミッシェル・シャプティエ氏とシャプティエの醸造家アルベリック・マゾワエールがワイン造りの監督を始め、その品質をより一層向上させました。
上級キュヴェはシャプティエ同様にビオ・ディナミを実践し『土壌の持つポテンシャルを最大限に引き出す』というミシェル・シャプティエの哲学が存分に発揮されております。そして現在フェラトンのオーナーはシャプティエ社となっております。

一般的にタンニンが豊富で長熟向きなワインが産み出されると言われているル・メアルの畑ですが、フェラトンのル・メアルはその長い熟成を約束する豊富なタンニンや酸を備えながらも比較的近寄りやすく現時点でも抜栓後から時間を掛ければ楽しむことができる。グラスに注いだ当初は赤い果物のニュアンスが広がり時間の経過と共に幾種ものフルーツ(特に黒色系果実)を集めたかの様な圧倒的な芳香が広がります。濃いエキス分はあるものの、柔らかい酸が味わいの輪郭を形成しバランスがよく、全体的な印象としてはエレガント。口の中でも黒色系果実のアロマや東洋系のスパイス、ラベンダー黒胡椒の風味が広がり1分以上にも渡る長い余韻。
M.シャプティエはこの“ル・メアル”の畑から産み出される<Ermitage Le Meal(エルミタージュ・ル・メアル)>を『エルミタージュのラフィット・ロートシルト』とよんでおります。

№04 2005 ERMITAGE LES DIONNIERESエルミタージュ・レ・ディオニエール

生産者:FERRATON PERE ET FILSフェラトン・ペール&フィス
生産地:フランス ローヌ
品種:シラー100%(樹齢約35年)
醸造:果梗を全てはずし、コンクリートタンクにて約4週間
    ピジャージュとルモンタージュを行いながらマセラシオン。
    フレンチオーク(新樽率20~30%)にて14~18ヶ月熟成。
「レ・ディオニエール」の畑は丘陵の麓の緩やかな起伏上に位置し粘土と石灰岩に覆われた南向きの斜面に位置します。一般的にフィネスのあるエレガントな葡萄が生み出されると言われております。
輝きのある深いルビー色。スミレなどの花に赤い小さな果実やスパイスなどの複雑なアロマ。熟成により全体のまとまりが良くなり、メアルと比べ軽やかで近づきやすいキャラクターが印象的。口の中でも赤い小さな果実のアロマが繰り返し気品があり複雑で非常に長い余韻が印象的です。

第200回

ワインてやっぱりいいですよね

平成22年10月13日

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№01 1995SALONサロン

フランス シャンパーニュ地方
葡萄品種:シャルドネ100%
シャンパーニュは数あれど、グラン・クリュ格付けのコート・デ・ブランのシャルドネー種のみを用いたブラン・ド・ブラン、しかも1世紀におよぶ歴史のなかでリリースされたのは30と数度のミレジメだけという、唯一無二のプレスティージュ・キュヴェ、サロン。 ―、そして優れたミレジムにのみ生産、さらに熟成には10年をかけるという、謂わば究極のシャンパーニュづくりを目指した。

ぶどう果はソフトな圧搾により得られる、キュヴェと呼ばれる一番絞りの果汁のみを使用。イノックスでの低温によるアルコール発酵の後、樽は一切かけず、加えてマロ=ラクティーク・フェルマンタシヨンもおこさず、ワインは瓶内で時を過ごす。通常ミレジメ表示をするシャンパーニュの場合、定められている瓶熟期間は3年間だが、サロンは3倍以上の10年前後の瓶熟をおこなっているこの過程で徐々に酸を和らげ、さらにうまみが醸成される。

ブラン・ド・ブランというと軽やかですっきりしたタイプのシャンパーニュを思い浮かべる向きも多いが、サロンは全くといっていいほど異なる。ソフトな口当たりながら、熟成に由来する風味、テロワールからくるミネラルなどが複雑さを醸し出し、深みとふくよかさに満ちた、まさにサロンならではの世界が広がる。
そして多くのシャンパーニュはリリースされてすぐを飲み頃としているが、サロンにこの常識は通用しない。モンラッシェを始めとするブルゴーニュのグラン・クリュと同じようにじっくりと熟成を重ねることができる、というより熟成させてこそ、その高いポテンシャルが開花する

№02 2005MEURSAULT CHARMESムルソー シャルム

フランス ブルゴーニュ地方 
生産者:フランソワ・ミクルスキー
葡萄品種:シャルドネ100%
1991年に設立され、92年がファーストヴィンテージという「フランソワ・ミクルスキー」は、ブルゴーニュの中ではまだまだ新しいドメーヌです。
フランソワ・ミクルスキーは3代目、ブルゴーニュの有名ドメーヌのドメーヌ・ボワイヨやカリフォルニアのカレラ・エステートで醸造アシスタントを務めワイン造りに研鑽しました。
畑には樹齢の古い葡萄が多くあり、徹底した管理の下、糖度の高い葡萄を収穫し、素晴らしいワインを生産しています。後処理に新樽を使います。上品で素晴らしい香りと凝縮感をもち、抜栓後時間とともに複雑なフルーツ香がでてきます。 1995年と1996年に傑出したワインを世に送り出した事で一流ドメーヌの仲間入りを果たし、今ではムルソー村のトップクラスの生産者として非常に注目を集めています。
ベルナール・ロワゾーやジョルジュ・ブランなど多くの三つ星レストランがリリース当初から彼のワインを取扱っていることからもその品質の高さが窺え、ロバート・パーカー氏も4つ星をつけているミクルスキー。
その力強い味わいが特徴とされ、ムルソーをムルソーたらしめている「豊満さ」「華やかさ」が完璧に備えられた土壌だと評されており、十分熟成に堪えるパワーを持っている畑です。

№03 2002 Chambertin-Clos de Bezeシャンベルタン クロ ド ベーズ

フランス ブルゴーニュ地方
生産者:フレデリック エスナモン
葡萄品種:ピノ・ノワール100%
クロ・ド・ベーズ、シャンベルタン、マジ、リュショット、シャルム、それにクロ・ド・ヴージョと尋常ならざるグラン・クリュのラインナップを擁するドメーヌは、1988年と元詰めを始めてからまだ20年そこそこ。以前、生み出すワインはジャド、ドルーアン、ルロワ社といった超一流のネゴスに引き取られていた。元詰めを始めた現在でも、レジオナルやジュヴレ=シャンベルタンACなどはネゴスに樽で売却し、リリースするのはドメーヌの名を冠するに値するワインだけという志の高いつくり手。

樹齢もクロ・ド・ベーズで35年から40年、シャンベルタンで40年――。発酵は木製の開放桶――天候に恵まれたミレジムではシャプタリザシオンなしで仕上げるキュヴェもある――で、ルモンタージュ、ピジャージュともにおこない各成分、色素の抽出を十分に図る。その後すぐにピエスには移さず、フードルでデブルバージュの後、樽熟に入る。その際用いる樽はアリエ産。新樽はミレジムにもよるが、ヴィラージュで2割、プルミエ・クリュで3割から4割、グラン・クリュが半分前後という割合。シュル・リー状態で1年と数ヵ月過ごし、オリ引きを1回、清澄はせずにフィルターをごく軽くかけて瓶詰め。
適度な甘味を纏った果実味にしっかりした酸が合わさるワインは、ジュヴレのテロワールを感じさせるタンニンが全体を引き締め、うまみが後から追いかけてくるタイプ。また色調も濃厚さを感じさせはするもののピノ・ノワールらしい透明感をきちんと保ち、ジュヴレの風味、特徴がそのどれにも十全に表れ、加えてアペラ

第199回

暑い夏にやっぱり欠かせないシャルドネワイン!

平成22年07月14日

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№01 FULVIO BEOスプマンテ フルヴィオ ベオ

《今や品質・評価はピエロパン、アンセルミと同格!近年ソアーヴェで最も成功した生産者!》
イタリア ヴェネト州
生産者:カ ルガーテ(テサリ家) 
葡萄品種:ガルガネーガ(100%)…ヴェネト州でソアーヴェを造るぶどう
祖父の名前を付けた、メトード クラシコによるスプマンテで、2000年が初リリースです。自家葡萄園のガルガネーガ100%で造られています。1次醗酵はステンレスタンクで行います。翌年の春に、二次醗酵のために酵母を添加して、ボトルに詰めます。ワインは24ヶ月間澱と共に熟成します。全て手作業です。ほのかに緑がかったクリアーな黄金色で、かなり濃い色合いです。香りは白桃や洋ナシ、甘く爽やかでフレッシュな香りが続きます。プロセッコほどではありませんが、甘さを感じる風味があります。残糖は少なめで、飲み口は辛口です。

№02 2006 ROSSJ-BASSロッシ バッス

《シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンを栽培するなど、常にイタリアワインの先駆者的存在であったガイヤは、今や世界中の愛好家を魅了する生産者として知られています》
イタリア ピエモンテ州 
生産者:ガイヤ
葡萄品種:シャルドネ
ロッシィ畑とバス畑の葡萄から作られるワイン。バルバレスコ村のブリッコ地区にある5 エーカーのロッシ畑は、石灰質の粘土の厚い層で出来ています。アンジェロ・ガイアの下の娘、ロザンナにちなんで名付けられました。5 エーカーのバス畑はバルバレスコ村のポッゾ地区にあり、土壌はロッシィ畑より豊かで堅く締まっています。醸造は華氏61-68度に温度調整されたステンレスタンクの中で、約4週間発酵させます。 その後ワインは小樽の中で6、7ヶ月熟成され、この間マロラクティック発酵が行われます。

柑橘系のフルーツと花、かすかなハチミツの上品な香り。かなり深みのある味わい。非常にエレガントなボディ。明確なキャラクターと程よい酸味。さわやかで長く続く後味。8~10 年熟成可能なワイン。

№03 2002 MEURSULT 1er Cru SOUS LE DOS D’ANA ムルソー プルミエ クリュ・スー・ル・ド・ダーヌ

《ピュリニーの至宝ともいうべき珠玉のドメーヌ》
フランス ブルゴーニュ ムルソー
生産者:ルフレーヴ
葡萄品種:シャルドネ
造られるワインはブルゴーニュのみならず、世界中の最上の逸品のひとつ。
現在の女性当主アンヌ・クローズ・ルフレーヴは以前にも増して精力的なドメーヌの運営を行っている。徹底したヴィオディナミ農法、醸造過程での完璧なまでの清潔さ等、飽くなき品質への追求は高貴さと堪えた極上ワインとなって結晶する。
ドメーヌ唯一の赤だったブラニー・スー・ル・ド・ダーヌは2001年のミレジムで姿を消し、替わって新たにムルソーのプルミエ・クリュ、ムルソー・スー・ル・ド・ダーヌとして2000年のミレジムからリリースされている。
現在の当主、アンヌ・クロード・ルフレーヴが自ら植樹し、2000年から生産を開始した唯一のムルソーの畑。がっしりしたムルソーらしい骨格のあるボディに独特のテロワールからくる燻し香りが加わる。

第198回

暑くなりがけにぴったりのワインかな?

平成22年06月09日

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№01 2008R de Rieussecエール デュ リューセック

《 Ch。ラフィット・ロートシルトが所有するソーテルヌの第1級シャトーが造る辛口の白》
《白》等級:A.O.C.ボルドー
葡萄品種:セミヨン(79%)、ソーヴィニヨン ブラン(21%)
発酵:ソーヴィニヨンは新樽にて、セミヨンはステンレスタンクにて
熟成:25%を樽にて6ヶ月熟成
輝きのある澄んだレモンイエロー。レモンやグレープフルーツ、ライチ、メロン、イチジクといった新鮮な果実のアロマに、花、塩気のあるミネラル、蜜、微かにスモーキーなニュアンス。アタックはソフト、滑らかでオイリーな質感。豊富なミネラルと、濃縮されたトロピカルフルーツを思わせる豊かな果実味が口中に広がり、溌溂としたクリーンな酸が味わいを支えています。口当たりのよい爽やかさとふくよかなボリュームを併せ持つ、立体感のあるリッチなボディが楽しめます

№02 2004 Le Sublime du Château Fombraugeル  スュプリム デュ シャトー フォムブロージュ

《パプ クレマンなどを所有するベルナール マグレによる ソーヴィニヨン グリを主体とした珍しいワイン》
《白》等級:A.O.C.ボルドー  生産者:ベルナール マグレ
葡萄品種:ソーヴィニヨン グリ(55%)、ソーヴィニヨン ブラン(30%)、セミヨン(15%)
醗酵:新樽   熟成:フランス産オーク樽、10ヶ月間
1年に1~2樽しか造られない、フォンブロージュが造る最上品質の白ワインです。ソーヴィニヨン グリは、ブランよりも複雑な味を持ち、アルコール度が高くボリュームがあり、ブランの快活さとセミヨンの味の深さを持つといわれます。初めてソーヴィニヨン グリ100%で造ろうと考えていたのですが、テイスティングしてこの割合に行き着いたそうです。手摘みで収穫しています。ニューマティックプレスで圧搾し、新樽の中で24時間低温にてデブルバージュ。15~18度で樽の中で発酵します。1週間に2度バトナージュしながら、澱と共に10ヶ月間フランス産のオーク樽で熟成しています。樽は、ワインの複雑さを増すために、色々な職人のものを使っています。醸造や熟成に関する全ての作業は、重力を利用して行なわれます。ろ過も清澄もしていません。僅か300本生産されたうち、60本私どもが入手しました。‘04年が「ワインアドヴォケイト」で90点。
素晴らしい仕上がりの2004年は、ソーヴィニヨン グリ55%、ソーヴィニヨン ブラン 30%、セミヨン15%のブレンド。ハチミツをかけたグレープフルーツ、イチヂク、シトラスの香り、ミディアムボディ、素晴らしい果実味と深み、十分な酸と新鮮味があります。2.47エーカーの区画で造られる特別なプロジェクトのワイン。最低でも7年~10年は美味しく飲めるでしょう。   90点   「ワインアドヴォケイト 165」

№03 2001 Chateau Canonシャトー カノン

《安定した酒質で根強いファンを持つ第一特別級》
《赤》【フルボディ】格付け:サンテミリオン地区 第1特別級B.
葡萄品種:メルロー75%、カベルネ・フラン25% 発酵・ML・熟成:アリエ産トノー12ヶ月間
プルミエ・グラン・クリュ・クラッセBに格付けされている「シャトー・カノン」は、その名を18世紀の所有者、ジャック・カノン氏に由来しており、立地的にはサンテミリオンの錚々たる一流ブドウ園(ベレール、マグドレーヌ、クロ・フルテ、ボーセジュールなど)に囲まれ、大変恵まれた条件下にあります。カノンが位置するコート・サンテミリオンは、ブドウ樹がバランスよく成長する「ヒトデ石灰岩」土壌の上に成っており、その恩恵を反映した味わいは、豊かで深みがあるのが特徴です。
ワインに対して妥協を許さないことでも有名で、しなやかなボルドーワインを求める消費者に媚びることなく、じっくりと発酵期間を取るスタイルも特徴のひとつ。
1997年には、かのシャネルを所有する「ヴェルテメール家」に買収されたことからも、そのポテンシャルが裏打ちされていると言えるでしょう。またシャトー・ラトゥールの総支配人をしていたというジョン・コラサ氏の経営により近年高い評価を得ている。ロースト香と果実の香りが広がりでて、味わいもまろやか、タンニンも強い長寿ワインをうかがわせます。


第197回

ワイン造りがこんなところにも!

平成22年05月12日


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№01  2008Aulente Biancoアウレンテ ビアンコ

《 世界的な葡萄品種シャルドネとソーヴィニヨン ブランを、サン パトリニャーノ風に仕立てた『かぐわしい』ワイン 》
《白》【辛口】等級:I.G.T.ビアンコ ルビコーン

葡萄品種:シャルドネ(70%)、ソーヴィニヨン ブラン(30%)

樹齢:シャルドネ(5年・2003植樹)、ソーヴィニヨン ブラン(11年・1997植樹)  熟成:ステンレスタンク、4ヶ月間

サン パトリニャーノは薬物中毒者の更生施設です。更生プログラムの一環として、牛や豚などの牧畜業や革製品、織物など様々な事業に取り組んでいます。ワイン造りもその内のひとつです。施設には約2,000名がおり、その内ワイン造りには70名が関わっています。品質の追求にも余念が在りません。1981年から自社ワインとして瓶詰めを開始、1996年から高品質ワインとして結果が出始め、1997年からリッカルド コタレッラがコンサルタントとして参加しています。さらに、コタレッラの友人でもあるアグロノミスト(農学者)2名が70名を指導し、サポートしています。良い品質のワインを造ることが、世界にサン パトリニャーノの成功を伝えることにつながり、その成功体験が薬物更生に結びつくと確信しています。ドゥエミラヴィニやガンベロ ロッソで非常に高い評価を獲得しており、厚生施設としてのみならず、ワイン造りも注目されています。トレ ビッキエリを獲得した時は、コタレッラが来て、皆で乾杯しました

「アウレンテ」とは、『かぐわしい、芳香を放つ』という意味。シャルドネやソーヴィニヨン ブランという世界的に広範囲で栽培されている葡萄で、素晴らしい白ワインを造ろうという試みです。畑は標高200mの場所に8.4haあり、土壌は石灰岩と粘度です。葡萄はソーヴィニヨン ブランがコルドン式で4,600本/ha、シャルドネがグイヨー式で6,600本/haの密度で植えられています。収穫は手摘みで、ほとんどが8月に行われます。葡萄は選別され、60%しかワインになりません。除梗して、ソフトに圧搾します。スキンコンタクトは低温で9時間行い、ゆっくりと低温発酵させ、ステンレスタンクで4ヶ月熟成させます。生産量は30,000本です。明るい麦わら色、フレッシュでフルーティなボディ、リンゴやメロン、ライムを思わせるアロマがあります。クリーンでさわやかな風味が感じられ、余韻にはミネラルの風味が感じられます。

№02 2003 Montepirolo Cabernet Colli di Riminiモンテピローロ カベルネ コッリ ディ リミニ

《 典型的なボルドー品種を使った、全世界のワイン市場へのサン パトリニャーノの挑戦です 》
《赤》【フルボディ】等級:D.O.C.  葡萄品種:カベルネ ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ フラン   

ML・熟成:アリエ産バリック12ヶ月間

サン パトリニャーノからの国際市場への挑戦、と位置づけています。つまり、このモンテピローロによって、国際的に成功しているワインに対抗し、典型的なボルドーの葡萄品種でも、自分たちの土地で優れた品質のワインを造ることが出来るということを証明しようとしています。モンテピローロとは畑のある丘の名前です。畑は標高200mの場所に25haあり、主に東向き、グイヨー式とコルドン式が用いられており、葡萄の樹は4,600~6,600本/haの密度で植えられています。メルロは9月初め、カベルネは9月末から10月初めに収穫されます。手摘みで収穫し、小さな籠に入れます。その後すぐにセラーへ運んでベルトコンベアに移し、手で選別します。収穫の50%しかワインになりません。マロラクティック醗酵と熟成はアリエ産のバリックで行い、熟成期間は12ヶ月です。良いヴィンテージの年にしか造られず、'02は造られませんでした。ルビィ色で、バルサミコの感触があり、ブラックカラント、スイートマージョラム、リコリスの香りがあります。力強くまろやかな風味があります。素晴らしい構成、長く生き生きとしたフィニッシュ、タンニンと酸のバランスが見事です。

‘03年が、「ヴェロネッリ2008」でスーパートレステッレ/95点、「ガンベロ ロッソ2007」で赤2グラス、「ドゥエミラヴィニ2007」で4房、「エスプレッソ2007」で17点、「ルカ マローニ2007」で86点。


№03 2004 Avi Sangiovese di Romagna Superiore Riservaアヴィ サンジョヴェーゼ ディ ロマーニャ スペリオーレ レセルヴァ

《創始者に捧げられた、ロマーニャならではのサンジョヴェーゼを使い、その素晴らしい表現力を象徴するワイン》
《赤》【フルボディ】等級:D.O.C.  葡萄品種:サンジョヴェーゼ(100%)    

発酵・ML・熟成:アリエ産トノー12ヶ月間

「アヴィ」は、『A Vincenzo』、つまり創始者「ヴィンチェンツオに」という思いの表現です。このワインは、ロマーニャならではの葡萄品種サンジョヴェーゼの素晴らしい表現力を象徴することを意図して造られています。畑は標高200mの場所に12haあり、葡萄の樹は6,250~7,400本/haの密度で、グイヨー式で植えられています。収穫は9月末から10月初めに行なわれ、葡萄は選別され、60%しかワインになりません。アルコール醗酵とマロラクティック醗酵はアリエ産のトノーで行ない、熟成期間は12ヶ月です。さらに最低18ヶ月間瓶で熟成します。縁がガーネット色の、力強いルビー色。スミレ、プラム、丁子、ナツメグ、シーダーの香り。味わいはエレガントで、エキス分にあふれ、滑らかなタンニンとしっかりとした構成があります。生き生きとした濃厚な風味が、ベリーや甘いスパイスの魅力的な香りとともに、フィニッシュへ導きます。ラベルは毎年変わり、友人である有名な画家がデザインしています。2000年はラベル賞を受賞しました。

2004年はたっぷりとして果実味が前面に出たスタイル。口に含むと十分な重さが感じられ、ダークフルーツ、甘いタバコ、レザー、スパイスのアロマとフレイヴァーが広がる魅惑的な口当たり。品種の個性は幾分か抑えられているが、それでも十分に良いワインである。予測される熟成期間は2009年~2019年。  90点 「ワインアドヴォケイト 175」

第196回

シンデレラワイン、ヴァランドローの熟成は!

平成22年04月14日

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№01 NV Gruet Blanc de Noir Brut グリュエ ブラン・ド・ノワール ブリュット

ぶどう品種:ピノノワール75%、シャルドネ25%
マロラクティック製法はとらず、なんと最低で24ヶ月間もの熟成期間を取ります。

グリュエ・ワイナリー(Gruet Winery)
そのルーツはフランス・シャンパーニュ。1952年から高品質なシャンパンを造り続けていたグリュエ・ファミリーは、あるときアメリカを訪れた際、同じフランスの醸造家たちがこの地で素晴らしいワインを造っている事実を知りました。アメリカにもスパークリングに適した、恵まれた環境にある土地が存在することに驚いた彼らは、1984年から自らもアメリカで葡萄を植え始め、小さな醸造所を借りて始動。シャンパーニュで培った高い技術を投入し、新たなワイン造りを始めました。その場所はアメリカ・ニューメキシコ州。スパークリング造りに見事に適した風土であることともうひとつ、母国と比べて土地や人件費を始めとしたコストが圧倒的に安かったことにも当時驚かされたそうです。

1987年に初ビンテージから自らが望んだもの以上の作品が出来上がり、リリース直後から多くの評論家を唸らせ、グリュエ・ファミリーの目論見は見事に成功。エリア的に無名であったことからメディアによる過熱もなく、着々と口コミで広がったグリュエは、今では精通したワイン愛好家御用達のスパークリングとして、通やプロをも唸らせる「知る人ぞ知る」ブランドとして確立しました。

№02 2002 3de Valandraud トロワド・ド・ ヴァランドロー

《赤》【フルボディ】 等級:サンテミリオン グラン クリュ
ぶどう品種:メルロー65%、カベルネ・フラン30%、カベルネ・ソーヴィニョン、マルベック
新樽100%で、18~20ヶ月熟成。
ファーストに比べると、やわらかなアタックから余韻。

実質的にはセカンド・ワイン
 インポーターによると、シャトー所有の10haの畑のうち4.5haの区画の畑からがシャトー・ド・ヴァランドローがつくられ、4haの区画の畑からヴィルジニー・ド・ヴァランドローがつくられ、このトロワ(3)・ド・ヴァランドローは、シャトー・ド・ヴァランドローがつくられる4.5haの区画の畑から収穫されたブドウからつくられるワインで、“トロワ(3)”サードの位置付けになっていますが、実質的にはセカンド・ワインであるとオーナーのテュヌヴァン氏は語られているそうです。

№03 1997 Chateau de Valandraud シャトー・ド・ヴァランドロー

《赤》【フルボディ】 等級:サンテミリオン グラン クリュ
ぶどう品種:メルロー70%、カベルネ・フラン30%  所有者:Ets テュヌヴァン
畑 面積:4.5ha、平均樹齢:30年強、植樹密度:6000本/ha、平均収量:35hl/ha
育て方:マロラクティックと18~20ヶ月の熟成はオーク新樽で行う。清澄も濾過もしない。
1991年がファーストビンテージのこのシャトーは、サザビーズのオークションでボルドーワイン最高値をつけるなど「シンデレラワイン」の代名詞です。
ヴァランドローは、サンテミリオンのガレージ・ワイン運動の事実上のリーダー格であるジャン・リュック・テュヌヴァンが立ち上げたシャトーであり、現在まで、ボルドー最高のサクセスストーリーであることに疑いはありません。

ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 執念深く生真面目、非常に才能ある所有者のジャン=リュック・テュヌヴァンは、彼の清澄・濾過処理をしない、際立ってリッチなヴァランドローが獲得している評判と価格に、今ではチェシャー猫のようなにやにや笑いを浮かべている。テュヌヴァンは夫人のミュリエルと共に、サン=テミリオンの厳選した区画に、ちっぽけなシャトーを設立した。サン=ミリオンでワイン・ショップとレストラン経営の経験を持ち、ワインの取引に関わってきたことは、テュヌヴァンの偉大なワインづくりのための哲学をいささかも損なうことはなかった。

 ヴァランドローがどのくらいよく熟成するか、一般の評価はもちろんまだだが、ワインの途方もなくリッチで、凝縮感があり、すばらしくくっきりした輪郭がある。1994年、1993年、1992年といったコレクターが、サン=テミリオンのどのシャトーのワインよりも探し回る小さな宝物となった。テュヌヴァンを批判する声は耐えないが(多くはボルドーの貴族的なシャトーの嫉妬である)、彼の影響力は広大し続けている。彼は最も引っ張りだこのコンサルタントの1人であり、秀逸さへの執心とこだわりは、彼の途方もない味覚(同じぐらい才能のある彼の妻の助けが大きい)と共に、サン=テミリオンとその衛星地区の多くの凡庸なワインをよみがえらせていた。品質にこだわる消費者の意識に、これらのワインを最も人気のあるものとして植えつけたのである。

 テュヌヴァンは、ミシェル・ロランと並んで、新しい世代のヴィニュロンたちに対し、もっともっと高い品質のワインをつくるよう刺激を与えてきた人物である。そのおかげで、ボルドー全体が多大な恩恵にあずかっている。

第195回

パーカー100点の実力は?

平成22年03月10日

10214118.JPGカマンベールチーズのフライ、かぼちゃのマッシュ(ピスタチオ入り)、きのこのマリネラム肉の香辛料炒め

№01 Satyr Brut サティール ブリュット

生産者:リンゲンフェルダー
《白》【やや辛口】 
葡萄品種:リースリング(100%)
「サティア」とは、ギリシア神話(リンゲンフェルダーはギリシア神話好き)の酒の神の名前です。ベースとなっているのは、‘96年のリースリングで、‘97年にティラージュ、6年間熟成させ2003年に酵母を除いています。ドサージュには’03年のリースリングを使っています。つまり、一切砂糖を使っていないのです。しっかりと濃厚な味わいがあります。すごくきれいでキレがある。すごい辛口です。

№02 2006 EL PUNTIDO エル プンティード

《赤》【ミディアムボディ】 等級:D.O.Ca. Rioja
品種:テンプラニーリョ100%
醗酵:タンクにて約30℃で8~10日間
熟成:新フレンチオーク(225l)樽18ヶ月
(畑の標高:600m、収量:26hl/ha、樹齢:約35年)
◎ボデガ・イ・ヴィニェードス・デ・パガノス
以前この畑から収穫された葡萄はシエラ・カンタブリアのワインとして醸造されておりました。しかしこの25haから産み出される葡萄のポテンシャルに気づいたマルコス・エグレンが“クリュ(単一畑)ワイン”としてリリースする事を決断。2001ヴィンテージに初めて瓶詰め。マルコスの父、ギエルモが30年前に植え、その後葡萄の樹齢が成熟期に入ってくる頃、子供達は醸造・熟成に最良のコンディションを造るべく岩を掘り始め、ワイナリーは2004年に完成。現在はオフィス機能もこのパガノスに集約され、エグレン家の主幹となっております。El Puntidoの畑はそのワイナリー(石灰岩)の真上に位置し葡萄はその石灰岩に根を伸ばしミネラル分を吸収します。そして、そのミネラルを多く含んだ果実味を引き出すべく6~8℃の低温浸漬を行います。エグレン家が手掛けるヌマンシアやアマンシオ等と比べると果実味の主張はやや控えめで、ミネラルや酸の硬質なニュアンスが表現されたワインに仕上がっております。

アメリカのワイン専門誌「ワイン・エンスージアスト」が毎年末に発表するトップ100にて見事第1位に輝いたエル・プンティード。エル・プンティードはワイン・アドヴォケートの2009年6月号でJミラー博士が『ヴォリュームがあるがエレガント』とコメントをしたようにしっかり濃いスタイルでありながらも、力強さ一辺倒で押すわけではなく非常にバランスの取れた洗練感のある味わいのワインです。
◎ヴィノテーク2008年12月号にてベスト・ワイン獲得
ヴィノテーク・ワイン・バイイング・ガイド「田崎真也セレクション」にてエル・プンティード2005が18.5/20点を獲得してベスト・ワインとして掲載されました。色調は紫がかった濃いガーネット。濃縮感のある香りで、ブラックチェリーやブラックベリーのコンポートスミレや野バラの花に、ロースト香、ヴァニラ、ココナッツほのかなスパイスや樹脂、枯れ葉系の香りなどが調和。味わいは、豊かで膨らみのあるアタックから広がりタンニンはよく溶け込んで熟成度もなめらか。余韻も長い。

№03 2006 ALICES SHIRAZ アリスズ・シラーズ

生産者:GREENOCK CREEK VINEYARD & CELLARS
南オーストラリア-バロッサヴァレー   品種:シラーズ100%
熟成:アメリカンオーク使用樽にて28ヶ月熟成。
※醸造工程に関しましては『唯一無二の存在でありたい』という
生産者の意向により細かい情報は公開しておりません。
◎グリーノック・クリーク・ヴィンヤード&セラーズ
かつて石造り職人で生計をたてていたマイケルとアナベル・ワフ夫婦がバロッサのシラーズのパイオニアと呼ばれる
ロックフォードやヘンチキなどでワイン造りを学び1976年に畑を購入、1984年に初ヴィンテージをリリースしたワイナリーです。ロバート・パーカーから『オーストラリアの天才ワインメーカー』と呼ばれるクリス・リングランドより醸造のアドバイスを受け相当な年数熟成が可能でありながらも、酸とアルコール度数果実味のバランスがよく柔らかいワインを産み出しております。

[醸造設備に対するこだわり]
オーナーのマイケル・ウォーのこだわりは醸造設備にあります。コンクリートの開放醗酵糟はほとんど自分で作ったといいます。更に樽へのこだわりは相当なものでグランジを造るペンフォールズの親会社から4~5年使った樽を買い、分解し、鉋をかけ直し自分で再び組み上げます。こうすればアメリカン・オークのアクや焦げ風味が抜けニュートラルな性格の上質な樽となるとの事です。
[畑の情報]
土壌は多岐に富んでおり、レッドローム、ルビオローム石灰岩、泥などにクオーツ・ロック(Quartz Rock)が含まれています。クオーツ・ロックは土壌に素晴らしいミネラルを与える成分を含み葡萄栽培に適切ですが、現在の所は具体的に科学的な効果が解っているわけではありません。

過去にワイン・アドヴォケートで100点を獲得したオージー・ワインは21本ありますがその内の5本がクリス・リングランド自身の経営するワイナリーからそして最多の8本がグリーノック・クリークからとなります。
[ロバート・パーカーのコメント一部抜粋]
『収量の低いバロッサ地方の畑から酸のバランスが良くおびただしいエージング・ポテンシャルを秘めたスケールの大きなワインを造る生産者。ワフ夫婦はよそから葡萄の購入を行わない為、造れる量は自然の恵み次第。歴史の浅い造り手としてはワインに特別な一貫性がある。バロッサの偉大な年だけではなく困難な年にも出来の良いワインを産み出している。私は常にここのワインの品質に震撼させられる。』

第194回

スーパートスカーナ&伝統的イタリアン

平成22年02月03日

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№01 2005 BucciatoIブッチャート

《カ ルガーテ…今や品質・評価はピエロパン、アンセルミと同格!!近年ソアーヴェで最も成功した生産者!!》
イタリア:ヴェネト
「カ ルガーテ」とは、ルガーテの丘の頂近くにある家を指し、畑仕事の拠点兼レチョート用の乾燥室としたことから名付けられています。1986年にカンティーナを設け、アジェンダとしてスタートしました。妹のラウラ(31歳)が輸出、ミケーレ(32歳)と父のアメデオ(56歳)が畑仕事、ミケーレの叔父ジョヴァンニ(48歳)がエノロゴを分担しています。畑はトータルで50ha、ソアーヴェを中心にガルガネーガ30ha、ヴァルポリチェッラ(コルヴィーナ、ロンディネッラ)に20haです。葡萄の仕立ては、この地方の伝統的な、他の産地よりも高い1.5mの高さのグイヨ式で、実が大きいガルガネーガの風通しをよくしています。年間を通して剪定を行い、また夏場にはグリーンハーベストを行って余分な葉を落とし、4~6房に収穫量を制限しています。葡萄の選別は畑での収穫の際とカンティーナのコンベアーで、計2回行われます。収穫はすべて手摘みで行い、外国人労働者の助けを借りず、手慣れた地元の人達とで行われ、収穫量は通常この地域で認められている140hl/haより25%抑えています。6年程前から、ベップ カヴィオーラやウマニ ロンキのエノロゴをしていたジャン ピエーロ ロマーナを迎えています。彼がガルガネーガの個性を理解し、そのことが更なる品質向上につながっています。また、赤ワインの品質向上にも著しいものがあります。その要因としては、4年前から「ガンベロ ロッソ2002」で『エノロゴ オブ ザ イヤー』に選ばれたジュゼッペ カヴィオラと契約している/畑の90%が斜面で、火山質土壌でミネラルが多い土壌/畝に草を生やす/手間はかかるがグイヨ仕立てにする/密植傾向に仕立てる/などが挙げられます

《白》【辛口】 等級:I.G.T.ヴェネト ビアンコ
生産者:カ ルガーテ
葡萄品種:ガルガネーガ(100%)
「Bucciaブッチァ」とは、イタリア語で果皮を意味し、その名の通り4~5日間果皮と共に発酵させています(この地域の昔の伝統的な醸造法だそうです)。発酵槽からワインを移し、一部をタンクで、残りを15hlの樽で、さらに発酵を続けます。収穫した年の秋のうちに瓶詰めします。金色を帯びた麦わら色。
アカシアの花やニワトコ、バナナ、熟した洋ナシを思わせる、力強く長いアロマがあります。柔らかく、しかもしっかりとしたワインです。今までに体験したことのない味わいがあります。生産量は少なく、年間で10,000本です。‘05年が、「ドゥエミラヴィニ2008」で4房、「ガンベロ ロッソ2008」で赤の2房、「エスプレッソ2008」で15.5点。

№02 2004 CALAMITAカラミータ

FATTORIA POGGIO A POPPIANO(ファットリア・ポッジオ・ア・ポッピアーノ)
ポッジョ・ア・ポッピアーノはフィレンツェ西側の丘モンテスペルトリ地方でスケルトン石が豊富な粘土質土壌の畑を86ha所有しており1990年よりカベルネ、メルローなどに改植を行ない1997年にフロッコ、1999年にカラミータをリリースしました。
オーナーはサッシカイアやオルネライアで知られるゲラルデスカ伯爵直系の子孫フェデリコ・ジレリ。ゲラルデスカ伯爵より譲り受けたお城と領地でボルゲリ・ワイン“カステッロ・ディ・ボルゲリ”も手掛けております。
昨年、関西のローカル番組『たかじん胸いっぱい』のブラインド・テイスティング企画で『シャトー・マルゴー2002よりも高い』と間違えられた事によって話題となりモーニング「神の雫」内のコラム<赤の亜樹直>にて 『フランスワインに近いエレガンスを備えている。』『見つけたら「買い」だ。』と紹介されご好評。

◎同時経営のポッピアーノにも厳しい品質基準
2001年に初めて瓶詰めされたカステッロ・ディ・ボルゲリ。以降、2002年、2003年は厳しい気象条件により納得のいく葡萄の収獲ができなかった為生産は全て見合わせサン・グイドやオルネライア等の他の生産者に葡萄を売っておりました。この厳しい品質基準はカステッロ・ディ・ボルゲリだけではなく同時に経営を行うポッジョ・ア・ポッピアーノでも同様です。ポッピアーノでは醸造を終えた段階で一樽、一樽試飲を行ない納得のいく樽だけを瓶詰めして毎年約70%はバルク売りをしてしまいます。またカステッロ・ディ・ボルゲリ同様に、ヴィンテージによっては一切造らない年もあることから生産者の厳しい品質基準とこだわりが伺い知れます。
神の雫作者のコラムでオルネライア以上の高評価を獲得6/11発売のモーニング「神の雫」内のコラム<赤の亜樹直>にてフロッコ2000が紹介されました。

《赤》【ミディアムボディ】 等級:IGT Toscana Rosso
生産者:ポッジョ・ア・ポッピアーノ
品種:サンジョヴェーゼ70~80%、メルロー20~30%
熟成:フレンチバリックで8ヶ月
サッシカイアやオルネライアで知られるゲラルデスカ伯爵直系の子孫フェデリコ・ジレリ。
ゲラルデスカ伯爵より譲り受けたお城と領地でボルゲリ・ワイン“カステッロ・ディ・ボルゲリ”も手掛けています

[テイスティング・コメント]
素晴らしい葡萄が収獲できたトスカーナ期待の2004年です。赤い果実のニュアンスの中に微かに感じる品の良い樽のニュアンス。緻密でよく熟したタンニンからは苺のジャムやダークチェリー微かにミントやチョコレートのニュアンスも感じます。しなやかな酸が心地よくエレガントで、この価格としてはとてもバランスの取れたレベルの高い味わいです。

№03 2001 FLOCCOフロッコ

生産者:ポッジョ・ア・ポッピアーノ
【ミディアムボディ】品種:サンジョヴェーゼ70%、カベルネソーヴィニョン30%
産地:IGT Toscana Rosso
熟成:バリックにて14ヶ月、瓶熟8ヶ月以上

[ワイン・スペクテーターのコメント]
エレガントで優美、ブラックベリーやスグリそしてミネラル。フルボディでぎっしりと詰まった絹の様なタンニンと濃くフルーティーなフィニッシュ。

№04 2005 Amarone Della Valpolicellaアマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ

《これからの注目のカ ルガーテの赤ワイン》
生産者:カ ルガーテ
《赤》【フルボディ】 等級:D.O.C
葡萄品種:コルヴィーナ(40%)、ロンディネッラ(30%)、コルヴィノーネ(30%)
熟成:樽25~30ヶ月間

モンテッキア ディ クロサーラ近辺の丘の自家畑から、最良の葡萄を選別します。土壌は、砂利と石灰岩です。9月の最後の2週間に手摘みで収穫し、6kg入る木の箱に平らに置きます。これによって、素晴らしい乾燥過程がもたらされます。葡萄は、4~5ヶ月間換気の良い部屋で、その風味、甘味、色を濃縮させながら、穏やかに乾燥されます。冬になって、葡萄は破砕され、天然の酵母で発酵が始まります。マストは500Lのオーク樽に発酵が終わるまで入れられます。木樽での熟成は、25~30ヶ月間、瓶詰めまで続きます。平均生産量は、僅か4,000本で、日本への入荷は240本です。濃いガーネット色、熟したブルーベリーやブラックベリー、チェリーの濃縮した、またオークのスパイシィな風味があります。味わいは、リッチでフルボディ、濃縮しています。素晴らしいバランスで、長く余韻が残ります。グラマラスなボトルに、つや消しの黒いラベルがとても精悍です。‘05年は、「ヴェロネッリ2009」で3ッ星/90点。