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過去にテイスティングしたワインのご紹介

第174回

ワインテイスティングクラブ 2008.02.06

№01 1996 CALERA MILLS カレラ ミルズ

《赤》カリフォルニア セントラル・コースト地方マウント・ハーラン地区
生産者:ジョシュ・ジェンセン(カレラ・ワイン・カンパニー)         葡萄品種:ピノ・ノワール
南西向きの緩斜面に広がる畑で、唯一自根で栽培されているのがこの「ミルズ」濃い目の色調、ラズベリーやチェリーに加えてリコリスやトーストの香りが感じられ、後口にはスパイシーさが残る。ピノ・ノワールの特徴をピュアに表現するワインで同時にとてもタニックさもあります。ジャンセンほど強すぎず、リードほど優しすぎず、ちょうど両者の中間的スタイル。

カレラワインカンパニーについて
カレラの歴史は今から30年前にさかのぼります。ジョシュ・ジェンセンはブルゴーニュワインに惚れ込んでしまい、自分のライフワークをピノ・ノワールにかけることを誓ったことからはじまります。ジョシュ・ジェンセンはフランスのブルゴーニュでのワイン造りの師匠から “ピノ・ノワール“と”シャルドネ“は石灰質が肥沃な土地で素晴らしいバランスのワインが造ることが出来ることを学びました。カリフォルニアでピノ・ノワールの最初の成功者となったジョシュ。今や、カリフォルニアのピノ・ノワールの巨匠とまで言われる彼は、フランスのブルゴーニュを越えるワインは絶対に造れないとまで言われていた定説を覆したことで有名になりました。1971年から2年の年月を費やして石灰岩がある土地を探しました。そして、ようやくサンフランシスコから南に150キロ、大西洋から40キロメートル内陸に入った、カリフォルニアで最も高い標高 2,200フィートのマウント・ハーランの頂上近辺に石灰質が豊富にある冷涼な土地を見つけ出したのです。 1975年にジョシュはオリジナルとなるテロワールが少しずつ違う3つのパーセル・・・リード・ヴィンヤードに5エーカー、セレック・ヴィンヤードに5エーカー、ジェンセン・ヴィンヤードの14エーカーのそれぞれにピノ・ノワールの葡萄を植えていきました。 1977年にヴィニヤードとホリスター市との中間で電気と電話の使用可能な醸造所建設の為の土地を購入しました。ジョシュは収穫した葡萄を醸造所の一番上まで車で運び、平地の醸造所で行われているポンプでくみ上げたりする方法ではなく、テラスの段差を利用したグラヴィティ・フロー(重力流動ワイン)による醸造所を造り始めました。 1978年から生産量は少ないけれどカリフォルニアにおいては上質なピノ・ノワールを造りはじめました。さらにジョシュは、1982年には隣接している石灰岩がたくさんある300エーカーの土地を購入し、翌年1983年には2エーカーだけ白葡萄品種の“ヴィオニエ”を植えました。カリフォルニアにおいてヴィオニエという葡萄品種を選択した最初のワインメーカーです。 1984年に4番目のパーセルとなるミルズ・ヴィンヤード12 エーカーとジョシュにとっては最初の“シャルドネ”を6 エーカー植えたのです。 1989 年にはさらに”ヴィオニエ“を3エーカー植樹しました ※ 「カレラ」はスペイン語で「石灰(ライムストーン)焼き窯」と言う意味です。 ※「カレラ」はその3 フィートの高さのある石灰焼き窯をシンボルマークとしています

№02 1995 Clos Vougeot Grand Cru クロ デ ヴジョ  グラン クリュ

《赤》フランス/ブルゴーニュ地方
生産者:ルイ・ラトゥール            葡萄品種:ピノ・ノワール
1797年に創業され、ブルゴーニュで唯一家族経営を守り続けているネゴシアンである、ルイ・ラトゥール。
白ワイン造りにおいて非常に高い評価と信頼を得ている生産者であるドメーヌですが、「ロマネ・サン・ヴィヴァン」など、DRCとの双璧を築いていると言っても過言ではない、希少性の高い赤ワインも生産しています。
このクロ・ド・ヴージョのワインは、テロワールを味わうというよりも、「キュヴェのブレンドの妙」を楽しむものだと評されています。そして、ワインが最高の力を発揮するとき、その香りはブラックチェリーやプラム、スパイスなどが複雑に絡み合い、熟成に伴って得も言われぬエレガンスを纏うと言われています。
ブルゴーニュの大御所の力量が、このアペラシオンでいかに発揮されているか…1995年という良ヴィンテージからしても、十分期待が持てるはずです!エレガントなワイン、クロ・ドは赤くて黒い果実の美味しい風味と共にあなたを唆すでしょう、スパイシーな注意といくつかのすみれ色の芳香と共に。フルボディですばらしいバランスの良い、それは数年のcellaringの後にすばらしい楽しみを約束します。
アルコール発酵はオークバーレルにおける10~12カ月の伝統的なアルコール発酵

№03 1980 POMMARD 1er CRU LES CLOS BLANC ポマール プルミエ・クリュ ル・クロ・ブラン

上品な価値ある長期熟成香と20年経過しても、なお残る秀逸なピノ・ノワールの確かなタンニン。加えて、完熟アルコールによる深い甘味を演じる大人の風味も。

№04 1980 POMMARD 1er CRU LES BERTINS ポマール プルミエ・クリュ ル・ベルタン

当「ドメーヌ シャンタ レスキュール」は、この畑の半分も所有する実力資産家。まだ十分に残るガッシリとした力強さが、輝けるコート・ドールの逸品。(2000年に入荷したときのコメント)
 《赤》フランス ブルゴーニュ地方コート・ド・ボーヌ 
生産者:ドメーヌ シャンタ レスキュール            葡萄品種:ピノ・ノワール
ワイン会で一度2000年代初めの頃に飲んでいます。あれから8年かなり心配ですが?

第173回

ワインテイスティングクラブ 2007.12.05

スペインのプレフィロキセラワイン

№01 2004 Green Point Brut Rose グリーンポイント ブリュットロゼ

グリーン・ポイントついて
『グリーン・ポイント』は、フランス・シャンパーニュ地方の有名ブランドであのスーパーシャンパーニュ“ドン・ペリニヨン”を製造販売するモエ・エ・シャンドン社が経営しているワイナリーです。このワイナリーのあるヴィクトリア州ヤラ・ヴァレーは、南極海から吹く風の影響で、一年を通して冷涼な気候が保たれるブドウ栽培に最適の土地。1986年、オーストラリアでワイン醸造学を指導していたトニー・ジョーダン博士は、シャルドネやピノ・ノワールの栽培に最適の、この“グリーン・ポイント”にブランドを設立しました。
ヴィンテージ・ロゼは、自分たちが丹精を込めて作り上げた大切なワインの品質を最高の状態で保つため、コルクによる影響を排除しようと、このロゼの栓はクラウンキャップ(王冠)。ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエといった伝統的な品種をブレンドしシャンパーニュ方式でつくりあげたこのスパークリング・ロゼは、若々しいピンクの色合いと、複雑なアロマが楽しめます。

№02 2003 DOMINIO DE ATAUTA ドミニオ ・デ・アタウタ

《赤》スペイン/リベラ・デル・ドゥエロ
生産者:ドミニオ・デ・アタウタ            
葡萄品種:テンプラニーリョ
ドミニオ・デ・アタウタによる一番のお手頃クラスワインが、ボデガ名を冠した「ドミニオ・デ・アタウタ」です。こちらは、上でご説明した「樹齢100年以上のプレ・フィロキセラのブドウ樹」から収穫された果実も使って醸されるワインで、醸造は、地付きの天然酵母で発酵、バリック熟成(樽の大半はChateau L'Angelusで一年使用したもの)、新樽率は20%。ワイン・アドヴォケイト誌では92ポイントという高得点を獲得しており、濃い紫色をしたワインは、ローストしたエスプレッソや、クレーム・ド・カシス、甘草やスパイス類が豊かに香るブーケを持ち、目を見張るような優雅さが感じられる。リッチで芳醇な作品に仕上がっている。2005年~2015年が、飲み頃。
<< DOMINIO DE ATAUTA ドミニオ・デ・アタウタ>>について  リベラ・デル・ドゥエロと言えば、スペインの至宝と評される最上級ワイン「ウニコ」が生まれる地として有名ですが、 最近注目度ナンバーワンは「ドミニオ・デ・アタウタ」。リベラ・デル・ドゥエロの東部、ソリア地区にあるボデガです。  ヴェガ・シシリアや、ボデガス・アレハンドロ・フェルナンデス(ペスケラの生産者)がある中心地に比べ、ソリアはやや淋しい印象のある土地ですが、そこに目を付けたのが、アタウタのオーナー、ミゲル・サンチェス氏。 ドミニオ・デ・アタウタのブドウ樹について特筆すべきは、その樹齢の高さ。15haにわたるアタウタの自社畑に植えられているブドウ樹は、接木をしていないプレ・フィロキセラの「ティント・フィーノ」種(テンプラニーリョ種のクローン)が8割を占め、その中には樹齢100年以上のものも多数存在するということです。そしてこのボデガで采配を揮うのが、ボルドーのムートンやレオヴィル・ラス・カーズなどで経験をつんだ醸造家、フィリップ・スルデ氏です。2000年からこの地でワイン造りを始めたスルデ氏は、うどん粉病が発生しないソリアをビオディナミ栽培にうってつけの土地であると高く評価しており、妥協の無い厳しい姿勢で仕事に打ち込みはじめました。 卓越した潜在能力を持った畑と、ワインに限りない愛情を注ぐ醸造家が出会ったことは、まさに幸福なマリアージュとでもいうべき結果をもたらしました。スペインで発行されているワイン誌である『シバリタス』にて、ドミニオ・デ・アタウタが、2004年のワイナリー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのです。

№03 2003  LA MALA ラ・マーラ

 《赤》スペイン/リベラ・デル・ドゥエロ
生産者:ドミニオ・デ・アタウタ
葡萄品種:テンプラニーリョ
ドミニオ・デ・アタウタが自信を持って世に送る、年間1800本しか造られない一押しワインがこちらの「ラ・マーラ」。使われるブドウは、なんと樹齢160年以上のプレ・フィロキセラもの。
平均16ヶ月間の樽熟成(新樽率は50%)を経てリリースされるこちらの一本ですが、ドミニオ・デ・アタウタによる2003年ヴィンテージの評は以下の通り。「いきいきとして魅惑的なノーズから、このワインが持つ濃密な味わいやポテンシャルの高さが感じられ、ボディや骨格の堅強さも併せ持っている。たいへん大柄で懐の深い性質を持ったワインで、際立ってアロマティックな印象が、喉を通り過ぎた後に残る」

№04 2003 VALDEGATILES ヴァルデガティーレス

《赤》スペイン/リベラ・デル・ドゥエロ
生産者:ドミニオ・デ・アタウタ            葡萄品種:テンプラニーリョ
 「ヴァルデガティーレス」は、ドミニオ・デ・アタウタが手がけるラインナップの中でも、最もオーセンティックなアイテムであると言われているワインです。「ラ・マーラ」と同じく、年間1800本のみ生産されるワインは、100%新樽のフレンチ・オークの中で平均16ヶ月間寝かされた後、リリースされます。ちなみにこちらの樹齢は100年以上ということで、やはりただものではありません…。ブラックベリーやグーズベリーの暖かな果実味がたっぷりと感じられ、魅惑的なカカオのニュアンスが背後から顔をのぞかせるとのこと…。純粋さと溌剌とした表情が混じりあい、気高さとふくよかさが共存するボディからは活気に満ちた印象があふれ出すというこの一本…パーカーポイントは、堂々の96点です!
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第172回

ワインティスティングクラブ 2007.11.07

1990年代後半、フランスのボルドー地方サンテミリオン地区に多くのシンデレラワインと呼ばれる
ワインが誕生しました。シャトーヴァランドロー、ドームそしてグラシアなどです。
さて、あれから約10年そのシンデレラワインはどう進化をしているのか?


           シャトー オー ムレール ブラン

№01 2004 Château Haut Mouleyre Blanc

《白》A.O.C. :ボルドー
葡萄品種:セミヨン(50%)、ソーヴィニオン グリ(40%)、ソーヴィニオン ブラン(10%)
平均樹齢:25年  葡萄園面積8ha
ベルナール マグレが所有するシャトーで、カディヤックに近いエクサンの村にあります。何世紀にも渡って、ソーヴ マジュール修道院の修道士が、この理想的に太陽に露出した斜面に植えられた葡萄樹を栽培してきました。現在、40haの畑を所有し、8haが白ワイン用の葡萄を栽培しています。ワイン造りにおいては、葡萄を丁寧に扱うことを心がけ、低温でプレ マセラシオンと温度管理の下での発酵を行います。それによってワインに、快活さとまろやかさ、さらに繊細な果実と花の香りを与えます。バランスのとれた味わいです。

          シャトー ベル ヴュ

№02 2003 Château Belle-Vue

《赤》A.O.C.:オー メドック
葡萄品種:カベルネ ソーヴィニヨン(42%)、メルロ(38%)、プティ ヴェルド(20%)
所有者のヴァンサン ムリエは、かつてJ.P.モルガン(世界有数の金融機関)へ勤めていましたが、ワインを飲んで語るだけではなく、自分でワイン造りに関わりたいと思っていました。そこで、2002年に15年間勤めたJ.P.モルガンを辞め、2003年に3つのシャトー(シャトー ベル-ヴュ、シャトー ボレール、シャトー ジロンヴィル)を購入し、念願のワイン造りの世界へと飛び出しました。シャトーは購入しましたが、前所有者がワイン造りに詳しいので、今でも色々アドヴァイスを受けています。また、「ワイン造りは人の関わりが重要だ。だから、前所有者の下で働いていた人には、今でもそのまま携わってもらっている」そうです。醸造責任者であるバッシュも、その内の一人です。

畑は10haです。熟成は全て樽で行い、そのうち50%が新樽です。期間は14~18ヶ月間です。海外からの引き合いが強く、90%が輸出されています。力強いボディ、タンニンと果実の甘みが目一杯広がります。樽からの複雑な風味が心地よく広がります。「ワインアドヴォケイト164」で88点。

          アンジェロ・ド・グラシア

№03 2003 ANGELOTS DE GRACIA

《赤》A.O.C.:サンテミリオン
葡萄品種:メルロ、カベルネ ソーヴィニヨン
 こちらの「アンジェロ・ド・グラシア」は、ミシェル・グラシア氏がサンテミリオンの「シャトー・アンジェリュス」の近くに、1.26haの畑を新たに所有して造られたガレージワインです。グラシアのセカンドワインと思われがちですが、実はそうではないのでご注意を。グラシアの初ヴィンテージが1997年なのに対し、こちらは2001年が初ヴィンテージとなります。生産量が非常に少なく(2002年は180ケース)、市場に出回る量もわずかです。

         グラシア

№04 2003 GRACIA

《赤》A.O.C.:サンテミリオン
葡萄品種:メルロ(75%)、カベルネ ソーヴィニヨン(25%)
 サンテミリオンの「グラシア」と言えば、すでにこのAOCにおけるトップクラスの造り手として知られている新星シャトー。オーナーのミシェル・グラシア氏の本業は、歴史的建造物修復の専門家。義理の母が所有していた畑を相続し、1998年から自身でグラシアを手掛けています。修復士としてサンテミリオンの名高いシャトーを修復する傍ら、ヴォーティエ氏(シャトーオーゾンヌのオーナー)やテュヌヴァン氏(シャトーヴァランドローのオーナー)とも親交が深く、彼らから様々なアドバイスを得ています。また、収穫に関しては、細かい手作業を得意とする自分の修復会社の従業員を総動員して行われるとのこと。さらに「余計な動作で疲労を招かないよう、収穫用のカゴはカートに載せて動かし、地面には置かせない」「除梗は手作業で行った上、果実をふるいにかけて不純物を取り除く」等の徹底ぶりを見せています。
 育て方:発酵とマセラシオンはコンクリートタンクでおよそ21日間。新樽でのマロラクティック発酵を経て、12~18ヶ月間熟成。清澄の濾過のしない。
 「色は非常に濃く紫で、ワインは濃縮度が高く、享楽的で、華やかなほど芳醇です。ノーズには、キルシュ・リキュールと甘いベリーの熟しすぎに近い香りがあります。口に含むと、油のようになめらかな舌触りに加え、豊かで濃縮された果実味が広がります。低い酸度で、ジューシーでみずみずしい持ち味に鮮やかな効果を加えている。すでに抗しがたい魅力がある。」ロバート・パーカーJr

第171回

ワインティスティングクラブ 2007.10.

         モンテレージョ ディ マッサ マリッティ

№01 2004 Monteregio di Massa Marittima

《赤》【フルボディ】等級:D.O.C.
生産地域:マッサ マリッティマ、ファットリア ポジェッティ
葡萄品種:サンジョヴェーゼ90%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%
土壌は、化石の多い粘土質土壌で、わずかに酸性。畑の向きは南西です。収穫は9月の第2週と第4週に行いました。温度管理されたセメントタンクで発酵。18日間のマセラシオンの間、1日2回ポンピングオーバーを行います。新樽ではないバリックで12ヶ月間、瓶内でも数ヶ月熟成させてから市場に出されます。深いルビーレッド。フルーティでスパイシーな香りがあります。ソフトでエレガント、はっきりと持続性がある味わいです。‘04年が「ガンベロ ロッソ」で1グラス、「エスプレッソ」で15.5点、「ヴェロネッリ」で2ッ星/89点

★★★★ モレッリーノ ディ スカンサーノを代表する生産者と知られる ★★★★               【モリスファームズ】  モリスファミリーは何世紀にも渡り、農業に従事してきました。その後、葡萄栽培を専門に行うようになりました。畑への投資、そして強い情熱と意志のおかげで、最大限の素晴らしい結果が得られています。現在2つの農園でワイン造りを行っており、1つがマッサ マリッティマの近くにあるファットリア ポジェッティ(37ha)、もう1つはモレッリーノ ディ スカンサーノにあるポッジョ ラ モッツァ(33ha)です。ファットリア ポジェッティの畑は、粘土質でカルシウムが豊富という特徴があります。PH7.7の弱アルカリ性で、水はけの良い土壌です。畑の標高は海抜80~100m、畑は南西に面しています。ポッジョ ラ モッツァの畑は丘陵地で、標高は海抜100mほどです。土壌はPH6.3と酸性に近く、石、粘土、石灰岩がみられます。 ワインナート2007.9月号特集記事で質の高いワインを庶民レベルの価格で提供するマレンマの重鎮と評価!

         モレッリーノ ディ スカンサーノ レゼルヴァ

№02 2004 Morellono di Scansano Reserva

《赤》【フルボディ】等級:D.O.C
生産地域:マッサ マリッティマ、ファットリア ポジェッティ
葡萄品種:サンジョヴェーゼ90%、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン10%
土壌はわずかに酸性で、砂質です。元々は海底でした。畑の向きは北西です。収穫は9月の最後の2週と10月の第1周にかけて行われました。収穫量は35hl/haです。温度管理されたセメントタンクで発酵。20日のマセラシオンの時期にポンピングオーバーを1日に2回行います。新樽ではないバリックで最低1年熟成させます。ラッキングは1回。キュヴェをブレンドした後、出荷前に最低6ヶ月は瓶熟させます。ルビーレッド、フルーティな香り。エレガントで長く続くスパイスのノートがあります。フルボディで丸みがあり調和のとれた味わいです。良いヴィンテージにしか造られません。

        グアアド・アル・タッソ

№03 1999 GUADO AL TASSO

《赤》【フルボディ】等級:D.O.C
生産地域:ボルゲリ
葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー15%、シラー15%(年に変更)
グアド・アル・タッソは、アンティノリ社がつくった最初のボルドータイプのワインです。ぶどう畑は海抜145~190フィート(約44~58メートル)に位置し、石ころの多い、わずかに石灰質を含んだ土壌です。 フィレンツェの南西60マイル(約96キロメートル)、マレンマ地方の中世の村ボルゲリ近郊にあり、テレニア海沿岸から丘陵地にかけて広がる1000ヘクタールの所有地で、そこにはぶどう以外に、小麦、とうもろこし、ひまわり、トマト、オリーヴ等も栽培されています。1990年が最初のヴィンテージ。
メルローは9月初旬に、カベルネ・ソーヴィニヨンは9月中旬に収穫が行われました。
除梗後、軽く破砕し、メルローとカベルネは別々にステンレスタンクで15~20日間マセレーションを行い、摂氏30度以下でアルコール発酵が進められました。 その結果、ワインは豊かな色合いをもち、刺激のない柔らかな風味を得ることとなりました。 その後、新しいフレンチオーク(アリエールとトロンセ)樽にて熟成させ、その年の末までにマロラクティック発酵を終了させました。オリ引き、ブレンドし、再度樽に戻されて約14ヶ月の熟成の後、瓶詰を行い、更に10ヶ月の熟成を経て、出荷となりました。並みはずれて美しいルビー・レッド色を呈しています。果実味に溢れ、それもカシスというよりはむしろチェリーを強く感じさせ、わずかにトーストのような香ばしさと、コーヒーやダーク・チョコレートを思わせる香りが混在しています。その風味は洗練され、凝縮感と調和の世界が、柔らかなタンニンと長い余韻と共に広がります。産地の特徴を保ちつつ、品種の個性をもはっきりと認識できるワインです。.
★★★★はるか12世紀より記録が残る歴史的にも有名なアンティノリ家。★★★★ その成功の歴史は1385年5月19日にジョバンニ=ディ・アンティノリがフィレンツェのワイン・ギルドに加盟した事に始まります。 イタリア・トスカーナ地方、キアンティ・クラシコ地区を中心に数多くのブドウ園を所有し、600年の伝統が育んだ古典的な味わいのワイン造りに、これまでにないイタリアワインの魅力を追求し造りだしています。 ティニャネロ、あの有名な”ソライア”、トスカーナを代表する超高品質ワイン”グア・ダル・タッソ”などを生み出しています

第170回

ワインティスティングクラブ 2007.09.12

         ポマール

№01 2005 POMMARD

【赤】生産者:フィリップ・パカレ
葡萄品種:ピノ・ノワール
ポマールのワインを語る上でよく使われる表現に、「素朴なアロマ」「豊かなタンニン」などがありますが、こちらはそんなアペラシオンの持ち味を丁寧に引き出し、うまく調和させた逸品!
牛肉、黒いベリー、スターアニスやクローヴといったスパイス、黒トリュフ、ポマードの太い香り。味わいも重心が低く、骨格が太く、土に根ざしたような粗く重めのミネラルと、厚くパワフルなタンニンと、低めの酸と、こってりとした果実味のバランスがすばらしい。…ワイナートより
 ★★★★ PHILIPPE PACALET ★★★★【フィリップ・パカレ】  フィリップ・パカレ氏は、1964年のパリ生まれ。叔父にボジョレーの大御所、マルセル・ラピエール氏を持ち、青少年時代にはこのラピエール氏のもとで働いて、ワインに関するいろはを学んでいます。また、同じくそこで、後に自然派のワイン造りについて教えを受けることになる、ジル・ショーヴェ氏に出会います。 パカレ氏はさらにディジョンやリヨンで醸造学を修めた後、ビオロジックの認定団体で自然酵母について研究を行い、1991年には、マダム・ビーズ・ルロワの甥であるアンリ・フレデリック・ロック氏が当主を務める、「プリューレ・ロック」の醸造責任者に就任しました。なお、このアンリ・フレデリック・ロック氏、1992年からロマネ・コンティ社の共同経営者にもなっている人物です。 そして2000年、いよいよパカレ氏は自らのドメーヌを創立するために「プリューレ・ロック」を辞しました。その際に、氏の才能を高く評価したロマネ・コンティ社から醸造長のオファーを受けるも、辞退した話はあまりにも有名な逸話として語り継がれています。また、その後手がけた初ヴィンテージの2001年が、一大センセーションを巻き起こました。 現在、ビオワインの造り手として真っ先に挙げられるパカレ氏ですが、その醸造法の特徴については、先述のジル・ショーヴェ氏より学んだ「発酵時における二酸化硫黄無添加」がまず有ります。通常、ワイン醸造の過程では、破砕・徐梗のタイミングで「二酸化硫黄」を加えます。これは、マストの酸化防止や殺菌などを目的に行われるのですが、パカレ氏はショーヴェ氏の教えを継承し、発酵時には二酸化硫黄を一切加えないとのこと。よって、発酵時のトラブルを避けるために、特に厳しい選果を行うなど、非常に緻密な作業が必要になります。また、酵母はすべて天然酵母を使用し、酵母を殺してしまうとされる化学肥料、農薬や除草剤は全く使用していないそうです。このようなことから必然的に収量も少なくなり、ますますブルゴーニュワインファンが競って追い求めるアイテムになっているのが現状のようです。


ニュイ・サン・ジョルジュ

№02 2005 NUITS ST GEORGES

【赤】生産者:フィリップ・パカレ
葡萄品種:ピノ・ノワール
「ニュイ・サン・ジョルジュ」は、グランクリュ畑は持たないものの、色が濃くタンニンのしっかりした果実味のあるワインを生産するアペラシオンとして知られています。
村名ワインとはいえ、パカレ氏の手によるアイテム…通常レベルのものを想像するべきではないでしょう…!

ジュヴレ・シャンベルタン

№03 2005 GEVREY CHAMBERTIN

【赤】生産者:フィリップ・パカレ
葡萄品種:ピノ・ノワール

ひときわ強いパワーを秘めた、長熟向けの逸品を生むジュヴレ・シャンベルタン。
力に溢れた果実の風味が楽しめます。
こぢんまりとしたワインだが、整然としたバランスが素晴らしい。フォーマルでクールで表情の酸と細かいタンニンが、いかにもジュヴレで、涼しげでいて可憐なイチゴ、カシスジャム、スパイスの香りもきれいだ。余韻は長く、飲んだ後に軽やかに鼻にぬけていく。…ワイナートより

第169回

ワインティスティングクラブ 2007.07.11

     コスタリパNV ブリュット

№01 Costaripa NV Brut

【白・辛口】生産者:カスタリパ
葡萄品種:シャルドネ
ベッラヴィスタの醸造家と知られているマッティア・ヴェッツォーラ氏が自らのカンティーナで造るスプマンテ。フランチャコルタ(スプマンテ)で有名なベラヴィスタのエノロゴで活躍されていますが、フランチャコルタとはまた違った、ガルダの個性ある、スプマンテです。
北イタリアの中心都市ミラノから東側のヴェネトに向かう途中、観光地と知られるガルダ湖の湖畔にある、モニガ・デル・カルダと呼ばれる小さな村にコスタリパはあります。1986年、ヴェネチアのヴェッツォーラ家によってボルドーから醸造家と農耕学者を招いてこの地でのワイン造りが始められ、1940年代、現在の後継者であるマッティアとイメル兄弟の祖父にあたるマリアによって、モニガ・デル・カルダの基礎が確立されました。2005年春、スプマンテ最上の作り手、マッティア・ヴェッツォーラ氏が手掛けるコスタリパ・ブリュットと、ロゼがリリースされました。「自然であること、繊細であること、認識できる個性を保っていること」、この3つのPhyrosopyに基づき、ガルダの個性を失うことなく、繊細な優雅さを表現したハイ・クオリティーなスプマンテが生まれました。

         グレイス キュヴェ 三澤 甲州プライベートリサーブ

№02 2006 GRACE CUVEE MISAWA KOSHU

TORIIBIRA VINEYARD
《赤》【フルボディ】生産者:中央葡萄酒株式会社
葡萄品種:甲州
1923年、中央葡萄酒は日本のブドウとワイン産業の発祥の地である勝沼町に創業。主にグレイスワインの名で広く親しまれています。伝統を踏まえ、土や気象と対話し、時代の技術を学びながら、ワインの品質を高めるための努力を重ねています。風土の香りは自然に対する人間の働きかけの反映であるとの信念を胸に、日本のワインが世界の銘醸ワインの中で確かな位置を占めるための一翼を担いたいと考えています。1990年の春、私達は欧州系カベルネ・ソーヴィニョンとシャルドネの垣根式栽培に取り組みはじめました。その後、欧州系のメルロやプチ・ヴェルド、ピノ・ノワールなどの栽培へと畑を広げ、2002年には明野村に農場を拓きました。また伝統品種の甲州種も、特に凝縮度の高い山路栽培ブドウの確保に、熱心に取組んできました。土と風土、栽培努力が一体となった、凝縮度の高いブドウによるワイン造りを大切にしています。… 中央葡萄酒株式会社 社主 三澤茂計
勝沼町鳥居平地区は、標高の高い山路地帯にあり日照量、昼夜の寒暖差、水はけのよさに恵まれた甲州種の優れた栽培地です。この地区の中で凝縮度の高い甲州種を育てている農家を選定し、さらに優れた畑の甲州種だけを使いオーク樽で小仕込み(発酵させ)、貯蔵したワインです

         ブルゴーニュ ルージュ

№03  1996 Bourgogne

《赤》 【ミディアムボディ】
葡萄品種:ピノ・ノワール100%
生産者:メゾン・ルロワ
マダム・ルロワの優れた鑑定眼が選んだブルゴーニュ・ルージュの赤。
「ワインの個性は土地が決定するもの。ワインは畑で生まれ、生産者はその手助けをするだけ」と言い、畑が持つ個性を最大限に表現し、現在ブルゴーニュでも別格の評価を受けるのがルロワのワイン。

ピュリニー モンラッシェ レ フォラティエール

№04  1997 Puligny Montrachet Les Folatieres

《白》 【辛口】
葡萄品種:シャルドネ100%
生産者:エティエンヌ・ソゼ
ルレフーヴと並び称されるピュリニーの重要なつくり手。
ワインは新樽の持ち味をうまく生かし、スモーキーさと熟した果実の風味が口中いっぱいに満ちる、パワーのあるもの。骨格もしっかりしているので、十分寝かすことも可能。
発酵は特級、1級に関しては樽で行ない、それ以外はタンクを使用。新樽の使用率は、特級には50パーセント、1級に33パーセントそれら以外が25パーセントという割合。このようなつくりの違いはあるが、特級からACブルゴーニュまで、ソゼ独特のスタイルは一貫していて、下位のクラスのワインでも失望することはまずない。
現在は故エティエンヌ・ソゼの義理の息子ジェラール・ブードがワインを造っています。ブードの代になっても以前と変わりなく素晴らしいワインを造っています。ソゼの娘のひとりがヴォルネイ・サントノのボワイヨ家に嫁いでおり、相続としてソゼ家の葡萄畑を要求した為、所有する畑は1/3に減少してしまいました。そのためブードはドメーヌの肩書きを捨て、信頼できる栽培家から葡萄を買ってワインを造る事を決意、1991年よりエチケットからドメーヌの文字は消えています。たとえ自社畑の葡萄でなくてもブードのワイン造りの確かさを感じさせてくれ、最も洗練されたスタイルのシャルドネ種のワインなのです。