石山 弘子(新潟県)
2001年9月13日実践
1年生に、参観日に、砂糖の害について授業をした。角砂糖ではなく、子どもたちから見やすい、1本6gのスティックの砂糖を使って授業した。
【追試論文】
平田 千晶氏「砂糖の取りすぎにご用心」
上杉 圭子氏「おやつの中には砂糖がいっぱい」
斎藤 一子氏「砂糖のとりすぎについて考える」
神谷 祐子氏「白い砂糖はあまいわな」
※プリントは、神谷氏の作成のものを修整して使用した。
準備物
・同じ量の砂糖が入った飲み物
@清涼飲料水(紙コップ 青い丸を書いておく) サイダー
A砂糖水 (紙コップ 赤い丸を書いておく) 100mlあたり砂糖10g
・スティック(1本6g)
【主な発言・指示・説明】
「今日は暑いね。」
といって、サイダーを取り出し、コップに入れて飲む。
「ああ、おいしい。」
子どもたちは、「ずるーい。」「僕ものみたい。」「ちょうだい。」と大騒ぎである。
青い丸の書いた紙コップに注いだサイダーを配る。子どもたちが飲んだあと、
指示1 飲んだあとの感想を聞かせてください。 |
「おいしい。」
「もっと飲みたい。」
「実は、もう一つあります。これはどうですか。」と、赤い丸を書いた紙コップに入れた砂糖水を渡した。
「あますぎる。」
「まずい。」
「おいしい。」
発問1 どちらの方がおいしいですか。 |
青…14人 赤…2人 (児童数16人)
発問2 それぞれの飲み物の中には、砂糖が入っています。 どちらの方がたくさん砂糖が入っているでしょう。 |
青… 0人 赤…16人
説明1 実は、どちらも同じ量の砂糖が入っています。青の方がサイダー。赤の 方が砂糖水です。サイダーの方は、冷たいのとピリピリするので、あま く感じないのですね。皆さんは、知らないうちに砂糖をたくさん取ってし まっていることになります。 |
発問3 (スティックの砂糖 1袋6gを見せながら)1日に、このスティックの砂糖 何本分までだったらいいでしょうか。 |
「1本分、2本分、3本分、4本分、……」と手を挙げさせていく。4,5本分ぐらいの子が多かったが、中には、100本といった子がいた。
「正解は、3本とちょっと(20g)です。」といって、黒板に、3本とちょっとのスティックの砂糖をはった黒い紙を掲示した。
指示2 (プリントを配り)1番に指を置きましょう。いっしょに読みましょう。 「1 1にちの さとうの りょうは、3ぼんとちょっと」 プリントはこちらから |
指示3 プリントに好きな色を塗りましょう。 |
指示4 *2に指を置きましょう。 次の食べ物は、スティックの砂糖が、何本分入っているでしょうか。 ( )の中に予想を書きましょう。 |
予想を書かせた後、答えを告げながら、板書した。間違いは赤鉛筆で直した。
ケーキ…3本 コカコーラ…3本 アイスクリーム…4本 あめ玉(2個)…1本
チョコレート1枚…3本 メロンパン…1本 クッキー2枚…1本
発問4 誕生会に先生が呼ばれました。ケーキとコカコーラとアイスクリームが でたので、食べました。さて、何本分の砂糖を食べたのでしょう。 (黒板には、絵と砂糖を掲示 板書写真1はこちら) |
1年生なので、足し算しても数えてもいいようにした。
「10本だ。」
「そうですね。1日に3本とちょっとなのに、10本も食べていることになりますね。」
「エー、食べ過ぎ。」
「こんなにいっぱいになるの。でも、食べてる。」
「さて、先生はどうなるでしょうか。」
(わたしの顔をじっと見て)「ふとるー。」
指示5 砂糖を取りすぎると虫歯になったり、太るといわれていますね。他に、 どうなるでしょうか。*3を指で押さえましょう。色砂糖をたくさん取りす ぎるとどうなるかな。これかなと思う物に○を、違うと思う物に×をつけ ましょう。 |
@ あたまのはたらきがわるくなる。
A いらいらする。
B びょうきに なりやすくなる。
C ほねが よわくなる。
D おこりっぽくなる。
E おちつかなくなる。
F ふとる。
G むしばになりやすくなる。
H アトピーなどが、でやすくなる。
I からだが よわくなる。
「@に○をつけた人、Aに○をつけた人」と言い、フラッシュカードに書いたものを見せながら、挙手させていった。
「答えは全部です。」 板書写真2はこちら
「エー。」と言う子と、「やっぱり。」という子がいた。全体的に驚いている子が多かった。
『砂糖は身も心も狂わせる』を読んだ。(高尾利数著、ペガサス社が、原典を手に入れること ができなかったので、上杉圭子氏の論文を読ませても らった。)
「今は、大丈夫でも、白砂糖を取りすぎていると、大人になったとき大変なことになるのです。
でも、今から気をつけていくとずいぶん変わってきます。では、どんなおやつを取ったらいい のでしょう。白砂糖が入っていないおやつには、どんなものがあるでしょう。」
「ガム。」「グミ。」「ガムもグミも砂糖、入っているよ。」
「そうなのですね。ガムもグミも入っているのですね。」
「何があるの。わからない。」
「サツマイモ。でも、毎日は食べられないなあ。」 板書全体写真はこちら
指示6 白砂糖は悪いと言いましたね。実は、砂糖には、黒砂糖というのもあり ます。黒砂糖は、体に優しい砂糖といわれています。今日は、おうちに かえって、砂糖が使われていなかったり、黒砂糖が使われているおや つには、どんなものがあるか、おうちの人に聞いて、プリントに書いてき ましょう。 |
参観日ということで、おうちの人に協力してもらうために、おやつについて書いてもらうことにした。
翌日、「おかあさん、黒砂糖、帰りに買ってくれたよ。」と、言っていた子がいた。
おうちの方からは、「昨日の参観日、砂糖についてとてもいい勉強になりました。」という手紙をいただいた。