北アルプス 槍ケ岳 (3,180m)
新穂高から約2時間・・・トニカク暑い | 滝谷ノ出合・・・滝谷が凄まじい |
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23日朝、山頂を目指す飛騨沢(夏道)の水場・・・美味しい水だ | 穂高の北面も明るくなってきた |
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飛騨乗越から槍ケ岳山荘前に着いたら、ガスが晴れてきた | さ~て穂先に向かいますか~♪ |
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穂先の基部に向かう | 案外条件が良く、クサリも露出していた |
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山頂に着いた。素晴らしい眺めだ | 槍ケ岳山頂~♪ |
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穂高をバックに | 本当に穏やかな穂先だ |
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前穂も見えてきた。最高だ | そして名残惜しいが穂先から降りた・・・・素晴らしかったぁ |
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個人行
日 時 平成26年11月22日(土)~24日(月:祝)
メンバー 秋ちゃん、LTQ
行き先 北アルプス 槍ヶ岳
天 候 22日(土)快晴
23日(日)晴れ一時曇り
19日(月)晴れ後曇り
目 的 プレシーズン・トレーニング山行
装 備 テント泊冬山装備(厳冬期外)
登攀具 ロープ・カラビナ・スリング・ハーネス
ナビ用品 GPS・地図・シルバコンパス・マップポインター
防寒具 フリース・ダウン(薄手)
宿 泊 槍平小屋テント場
コースタイム他 事 柄
11月22日(土)
新潟発 04:00
新穂高着 09:15
新穂高発 09:51 (1,100.0m)
穂高平小屋 10:57 (1,340.0m) ウリ坊(仔イノシシ)
白出沢出合 11:50 (1,540.0m)
チビ谷出合 12:54 (1,665.0m)
滝谷出合 13:30 (1,760.0m)
槍平小屋着 15:00 (2.000.0m)
就寝 19:00~ 22時過ぎ地震
11月23日(日)
起床 04:00
槍平小屋テン場発 06:03 (2,000.0m)
水場 07:05 (2,245.0m)
千丈分岐 08:00 (2,549.0m)
飛騨乗越 09:35 (3,010.0m)
槍ヶ岳山荘着 09:52 (3,075.0m) 食事・ハーネス等準備
槍ヶ岳山頂 10:35 (3,180.0m) 絶景。穂高の存在感が圧倒的だ。西穂方向の奥は御嶽山だろうか?10:57下山開始
槍ヶ岳山荘に戻る 11:28 (3,075.0m) 山荘前で。
槍ヶ岳山荘発 11:57 ( 同 上 ) 槍平に向け下山開始
千丈分岐 12:58 (2,549.0m)
水場 13:28 (2,245.0m)
槍平小屋テン場着 14:16 (2,000.0m)
就寝 21:00
11月24日(月・祝)
起床 06:00
槍平小屋テン場発 08:12 (2,000.0m)
滝谷出合 09:34 (1,760.0m)
白出沢出合 10:10 (1,540.0m)
穂高平小屋 11:10 (1,340.0m)
新穂高着 12:05 (1,100.0m)
新潟着 18時30分頃
概略
飯豊の正月山行から離脱して4シーズン。近年目的が不明瞭になっていることは感じていた。体力的にあと、何年冬山に耐えられるのだろうか?
憧れの山の冬期山行には手つかずで、山から離れて行くのか?そんなことを、ボンヤリと考えだした近年。
憧れの山への冬期山行への足掛かりのために少し動きだそうという気持の一歩。同行メンバーの秋ちゃんは無雪期に何故だか機会に恵まれずに
今回が初の槍ケ岳。
本来は、冬期山行の為に中崎尾根を辿るべきだが、あまりに条件が良く、登頂を優先させた。なお、プレシーズンといえる11月下旬、状況がサッパリ
解らないので、高山市在住の瀧根さんから情報を頂いた。
記録
11月22日(土)
新潟から北陸道を西に進んで、有磯海SAで朝食後程なく富山IC、ここから一般道で新穂高温泉を目指す。長野自動車道の松本IC経由とどちらも
同じ位の時間、距離だけど、今回は富山経由とした。
予定より少し遅れて新穂高温泉の登山者用の駐車場に駐車して歩きだした。
上々のお天気だけど、気温が高く直ぐに汗をかいてしまう。1時間ほどで穂高平小屋に着く。前後に人が居ないのでとても静かで
新穂高ロープウエイの音が僅かに聞こえる。振り返ると錫丈岳、右手には穂高の稜線・・・・
槍平までは遠いなぁ・・・・
一息入れて先に進むと、秋ちゃんの左側の藪がガサガサする、秋ちゃんが「イノシシ、イノシシ・・・・」という。ウリ坊が遊んでいたようだ。
でも、ウリ坊がいれば、親のイノシシもいるだろう・・・アブナイ、アブナイ・・・・雪はほとんど無いと同じ
広い林道を進んで、白出沢ノ出合。一息入れる・・・・・雪はトレースを外すと足首~脛位かな
白出沢を渡ると、登山道に入る。
ブドウ谷を過ぎて、チビ谷で一服。滝谷が近付くと後ろから後続パーティーが近付いて来たようだ。
滝谷ノ出合で一息入れる。いやぁ~疲れたなぁ・・・
滝谷ノ出合から見上げる滝谷が凄まじい・・・
滝谷ノ出合から登山道は少し急になる。重荷が肩に食い込む。ユックリ休みながら進んで南沢。
南沢を渡ると、槍平小屋も近い。
ヘロヘロで槍平に到着・・・・テン場には5~6張りのテント
水を近くの小沢で汲んで沸かして使う。
単独者が下山してきた。話を聞くと、千丈乗越への分岐下で雪が深く、尾根に上がって千丈乗越から槍ケ岳、穂先はベルグラで悪かったという。
下山は飛騨沢の夏道通しに歩いて下山したという。11時間位の行動時間だったようだ。
また、少し上部に幕営する2名が居る様だとのこと。
ん~さて、明日はどうしたものか?
飛騨沢か?大喰岳西尾根の下見を兼ねるなら、それがいいけれど・・・・
中崎尾根を登るのが一番だと思うけれど、これは時間がかかるだろう・・・・
悩みながら晩飯を食べて19時頃就寝
細かい振動を感じる・・・・ん~
少しぼ~っとしてから時計を観ると、22時14分・・・・
大地震ということは考えも及ばず、むしろ焼岳、アカンダナ山あたりの、火山性の地震かな?
帰り道、う回路とか言わなきゃいいけれどなぁ・・・・等とウトウトしながら考えていた。
11月23日(日)
4時の目覚ましで眼を覚ます・・・少し前から動き出しているパーティーがいるのは解っていた。
中崎尾根に向かったパーティーの様だ・・・さて、どうしたものか????この後に及んでまだ悩んでいる。
中崎尾根は飛騨沢よりは雪が少ないだろうが、かなり距離が延びてしまう。
飛騨沢は、中崎尾根より積雪深はあるに決まっているが、距離が短いこと、大喰岳西尾根の取り付き付近の様子の下見ができる。
・・・地形図を眺めながら、どうも、大喰岳西尾根に関しては、不用意にテン場を設けると雪崩にやられそうな地形に見えて仕方なく
さりとて、雪深い飛騨沢を槍平からアプローチするのはどうか?それ以前に、ラッセルが苦しい様な積雪量で大喰岳西尾根取り付きまで
安全にアプローチできるとは思えない。
飯前に外を眺めると、中崎尾根に向かい登るヘッデン、既に中崎尾根を移動しているヘッデンが見える。
食後、準備しながら最終的に飛騨沢へ向かう事にして、ワカンもデポしていくことにした。
雪の状態は表面がサンクラストして5センチ弱のスラブにもならない程の薄い層でそれ以下は不連続面はなく安定している様に思う。
それであれば、多少量が増えても、雪崩の心配は少ないと見積もった。
ヘッデンを点けて6時歩きだす。トレースはシッカリしていて心強い。
中の沢、大喰沢、どれも不安定積雪、大量降雪で雪崩の走路になることは何の疑いもないトラバース登道
・・・・これは、降雪・積雪条件がよほど良くないと、大喰岳西尾根へはアプローチできないなぁ・・・オイラ臆病だからね。
30分程でヘッデンを消して歩けるようになる。1時間ほどで飛騨沢最終の水場。旨い水だ。
千丈乗越への分岐の少し下で2名パーティーが居る。言葉を交わすと、大喰岳西尾根に向かう様だ。
藪を嫌がりルンゼを詰めるのか?
トレースを分けて飛騨沢を登って行くと、千丈乗越への分岐に近付く。昨日の単独者のトレースがある。ナルホド
ここまで飛騨沢を登ってきたが、雪の深さに辟易して尾根を目指したということの様だ。
それでも、先行者がいるようで、シッカリした登りのトレースが残っている。多分、先行者が居る様だ。
分岐に着いて食事をしながら上部を観察すると、5人~6人位のパーティーが見える。
先程まで明るかった空が西から雲に覆われてきた。前線位相が通過していくのか?変に荒れたりしなきゃいいのだが・・・
と、少し心配になる。予報では、大崩は無いはずだけどな~
ここから、飛騨乗越まで標高差で400m少し。無雪期か春以降の硬い雪渓なら真直ぐで1時間位の位置だろうけれど
少し時間がかかりそうだな・・・・と思いながら登って行く。千丈乗越への分岐と飛騨乗越の中間付近から、時折ガスが出てくる様になる。
飛騨乗越の少し下でクランポンを着用する、風の通り道なのだろう、硬くパックされた雪面にクランポンのツメがサクサク気持ち良く刺さり快適だ。
ガスの中、槍ケ岳山荘のテン場を通り槍ケ岳山荘に近付くと、ガスがファ~っと晴れ上がり穂先が姿を現した。
いいぞ!いいぞ~このまま晴れてしまえ。
山荘前で食事を摂りながら、準備をする。気温は手元の寒暖計でマイナス7℃。西風5~7mという感じだろうか。
ザックリ観て、クサリが露出しているのか?雪に埋没しているのか不明なので、はやりロープは必携となる。
ザックをデポして登る。思ったより条件が良くて助かる?拍子抜け?
雪の着いているところは、アックス(ピッケル))の石突、ピックを使い分けて登るが、秋ちゃんは長めの縦走用のアックスでおまけに肩掛けの
ピッケルバンドなので少し取り回しが悪そうなので、事前にスリング+カラビナで調整したが、やはり傾斜がある程度あるミックスという場所では
短めで手首のバンドが使い勝手がよい。傾斜のあまり強くない雪渓ルート等でジグを切って登行する様な場合等は、長めのアックス&肩掛け式の
ピッケルバンドを使った方が使い勝手が良い。用具も時と場所で使い分けた方が易しくなる思う。
ハシゴ場も問題なく穂先に到着。素晴らしい風景だ。やはり、穂高の稜線が圧倒的な迫力を示す。
穂先で先着のパーティーの方から、昨日の地震が長野で深刻な被害地震であったことを教えて頂いた。
直ぐに、降りるつもりだったが、余りに素晴らしい景色、陽射し、青空がそこにあり、離れ難かった。
30分近く滞在して、名残惜しいが下山する。安全にキチンと岩稜を降る事が今は一番大事。
お互い声を掛けて注意喚起。緊張感を以って降り始める。
クサリはほとんど露出していたので、ロープを出すことなく穂先から降りることができた。
基部まで降りてシェイクハンド。
何もかも、全て恵まれ絶景を楽しむことができた。有難い。
小屋前で、登攀用具を片づけて、食事を摂って飛騨沢を降る。
飛騨沢に入ると風がなく暑い。
先行パーティーが千丈乗越への分岐付近で、雪崩埋没対応のトレーニングをしていた。
ドンドン降って、水場で水を汲んで下山を続ける。
テン場に着いて整理整頓。ボク等の前に出発した、おとっつぁんのテントが飛んでいたので、秋ちゃんが河原側から引きずり揚げておいた。
秋ちゃんの話では、どうやら、ペグで張綱を取っていなかった様だ。午前中一時ガスが出た頃風が強くなったから、下でも吹いたのだろう。
そういう、ボクもペグを忘れていて、石でも河原から拾って来ればいいか?程度だったけれど思ったより雪が多く、無駄に多く持っていた
割り箸を雪に埋めてペグとした。(チャンと回収したので、念のため)・・・おとっつぁん、いくら槍平でも張綱は張らなきゃダメっしょ・・・
テン場の近くの小沢の水の味がイマイチ融雪水の風味が強くいやだったので、少し奥の沢に汲みに上がった。やはりこちらの方がおいしい。
算段通りの行程に乾杯。滝谷は陽が落ちるのが早い。
ノンビリ飲んで眠りにつく。
11月24日(月・祝)
昨晩は快適だったが、今晩は3シーズンシュラフにダウンを着ていたが、どうも寒い。前週に上州で使って干せばいいものを、上州の空気が乾燥
していたたため、急いで乾かすと必要を強く意識しないでいたため、大きめのスタッフバックに入れたままだった。このため2晩目で既に、ロフトが
充分に確保できなかったのではないだろうか?ウトウトしては寒くて目が覚め、ウトウトしては眼が覚めていた。
起床予定時間前に既に下山していくパーティーが出かけて行く足音を聞いていた。あ~寒っ!!
朝食を簡単に済ませているうちに、ドンドン皆さん下山していく。
ボク達はノンビリ片づけて下山を始める。
昨日、暖かだったため雪が溶けて、今朝の冷え込みで氷結しテロンテロンである。
滑りやすい登山道であまり、ペースが上がらない。
白出沢出合から下は歩き易くなり一安心。
指導所で下山届を出して、中崎山荘奥飛騨の湯で汗を流して、道の駅 奥飛騨温泉上宝で、牛串を食べて、富山ICから北陸道に乗り
有磯海SAで白エビ塩ラーメンを食べて帰途についた。
ホント、良いヤマだった。
さて、年末年始はどうなるんだろう?
追記
2007年~2008年シーズンの年末年始山行でこの槍平で沢を挟んだ奥丸山側からと思われる雪崩事故でテン場が襲われ重大事故が発生している。
このため、テン場は冬期小屋側に変更されている。
白出から槍平までのブドウ谷、チビ谷、滝谷の各出合は何れもドカ雪が来れば油断できないだろうことは、簡単に想像できる。
まず、このことからドカ雪が予想される場合、白出から奥に入るのはリスクを伴うということをハッキリ意識を持つことが必要。
同様に、大喰岳西尾根の取り付きまで(宝の木)付近までも左岸側はどうも、信用できる地形がない・・・つまり、かなり安定した状態でないと
大喰沢西尾根は使い難い。怖がりのボクが観るとどうにも、取り付き付近にテン場適地が見当たらない。雪崩地形から開放される地点まで登ると
中崎尾根より高度があがり、西~北の風を受けるのであまり、適地とは思えない。地形的に危ないだろうという沢筋には必ず走路になる場所には
なぎ倒された樹木があり、いつのものか判らないものの、かなり慎重な判断が求められるのは間違いない。
そうすると、中崎尾根が第一選択となるのは頷ける。
ストック2本携行したうち、1本のジョイントのネジが緩んでいて使いものにならなかった。結露の拭き取り用のスポンジ、雪落としのブラシを忘れた。
どうも、気の緩みがある様だ。前週、西上州のカラカラお天気の中、軽装でフラフラ遊んでいたので呆けてしまったのだろうか・・・
いずれにしても、チャンとしましょう・・・
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