蒜場山登山道のオオスズメバチの巣撤去作業


 オオスズメバチの巣穴にバルサンを突っ込む  掘り出し始めるがなかなか判り難い
   
 登山道との位置関係  オオスズメバチ
   
 17日、台風後、ダム湖の水はコーヒー牛乳みたいだ  14日には倒木は無かったが台風で倒れたようだ
   
 この樹も下の杉の樹にもたれているので、枝が折れると危ない  巣を取りだした後の穴。白いのは幼虫
   
 掘り出した巣は3層で規模は小さめだった  ビニール袋に納めて下山しましょ!
   
 下山後出してみた  スコップとの対比
   


平成25年9月14日(土)夜、小国山岳会の井上邦彦会長から電話を頂く。
いつもなんだけれど、「小国、井上です。遭難じゃねぇんだけどょ」で始まる電話・・・・・・
電話の内容は、今日、蒜場山に行ってきたのだが、スズメバチの巣を見つけた。登山道のすぐ脇で危ない。
場所をお聞きすると、数年前に処理した場所に近いようだ。大体の位置は判ったので近日中に処理に向かうと話した。
後刻、詳細な位置と写真がメールで送られてきた。
やはり数年前に処理した場所から数メート範囲である。
この場所は、どうやらスズメバチの営巣環境には向いているだろう・・・・困ったものである。

台風が近づいてくるが、雨の降り始めを待って作業することにして、翌15日(日)は午前中は降らない予報なので
鍋鉄くんと杉滝でクライミングをする計画。午後または、翌16日(月)に作業することにした。

9月15日(日)
朝起きると今にも降りだしそうな空。
飯を食べていると、降り始めた。鍋鉄くんにクライミング中止の連絡を入れて、ハチ退治に変更。
準備をして10時前に出かける。
10:30登山口〜10:55作業地下に到着。
作業地の少し下に着いて荷物を降ろして、足音、振動を極力出さない様にして巣の有るであろう位置に
近づく。そうすると、直ぐに1匹巣から顔を出してきた。外に数匹の門番・・・
少し観察するが、出入り口は1ヶ所の様だ・・・

一度荷物を置いた場所まで下がり水を飲んで段取りを考える。
作戦はこうだ。
@身支度
頭 部 ヘルメット、帽子、防虫網、防塵メガネ
上半身 Tシャツ、厚手トレーナー、山用合羽、ゴム合羽
下半身 作業ズボン、厚手スエット、山用合羽、ゴム合羽
手 先 皮手袋、厚手ゴム手袋
足 元 スパイク長靴
とにかく、着衣の厚さで毒針の到達を軽減させるものだけど、結局のところ興奮した集団に囲まれないことを心がける。

A手順
@ 身支度を整えたら、静かに近づいてスプレーで数匹の門番を落として、出入り口からスプレー1缶目全量を噴霧
A 出入り口にバルサン1個目を突っ込んで煙が他から出ないか観察
B 数分おいて、2個目、3個目のバルサンで燻煙
C 付近を観察し問題がなければ30分後位から巣の掘り出し開始
D 巣を回収して作業終了、下山。

B 作業開始
極端な厚着なのでベラボウに暑い。
厚手の手袋を2枚重ねにしているので、指先の操作性が悪いのでスプレーの噴射トリガーに予め指をかけて、
左手にバルサンを持って姿勢を低く足音、振動をなるべく出さないように近づいて、外に飛んでいる数匹に噴霧
出入り口から出て来そうなタイミングで出入り口から1缶目全量噴霧。
続いて即座にバルサン着火して出入り口の穴に当てる・・・・先ずは第一関門を通過したか。

この頃から少し雨足が強くなる。
雨せいか、戻りバチが多くなり即、荷物の所まで退避。巣と荷物の間は約10m、高低差2m位か
ハチはここまで追って来ない。
スプレー、バルサン2缶目を持って巣に近づく、戻りバチにスプレー浴びせてバルサン2缶目に着火、燻煙。
戻りバチ増えてくる。一時退避。

水分補給してバルサン3缶目を持って出入り口に近づく。廻りの戻りバチにスプレー剤を浴びせて
少し散らかして出入り口を広げてから3缶目着火して少し奥まで押し込める。

手首の辺りにハチがとまった。ゴム材が滑るのか、口でグローブに噛み付いて、尻を振って針を突き立てている様だ。
今日、ボクの着衣では一番厚くて固い部分なので大丈夫だけど恐ろしい。スプレー缶で叩き潰して荷物の場所まで
また、退避・・・・危ない危ない・・・・戻ってきた連中カンカンでチンチンに怒り狂っています。
退散・・・・退散・・・・

暑い。非常に暑い。水分を摂り休憩。
雨足が強まる・・・またハチが多く戻って来るかな?そ〜っと近づくとかなりの数が巣の廻りを飛び交っている。
既にかなりスプレーで落としているのに、10匹〜15匹位いるだろうか・・・
ヤッバイなぁ巣の中はあれで、イイとしてあの戻りバチどうしよう?
スプレー缶はあと、1本と半分位
まあ、スプレーで落とせるだけ落とそう。
スプレー缶2本目の残量である半分位でかなりのハチを落とすことができた。群れていたので割合効率的だったかもしれない。

3缶目のスプレーを脇に置いて、巣の掘り出しにかかる。
ヘルメットにコンという音。当たって来ました。ブ〜ンという羽音が聞こえると手を止めてスプレーを手にする。
スコップで掘っても石や木の根に当たってうまく掘れない。
辺りを探っていても大きな羽音がかすめると気になってしまう。

スプレーとスコップを持ち替え作業を行うが遅々として進まない。
暑さで座り込んでしまうが、スプレー缶から手が離せない。

戻りバチの興奮度も高いので今日はこれ以上、巣の検索は止めることにした。
幸い、台風で明日の登山者は居ないだろうし、足跡からしても今日、上に登った
登山者も居ないものと思われた。

着衣、空き缶をザックに詰めて下山し所属会と井上氏に一応の作業終了を伝えた。


んが、巣を取り出せないのは何か、キジ撃ちしたまま、ケツも拭かずにいるようで大変気分が悪い。
連休明けの17日に回収に向かう。


9月17日(火)
昼食を食べて『あまちゃん』見ながら準備をして出かける。
13:30登山道
13:55現場
14:05作業開始
14:45作業終了

台風が通り過ぎて気温も下がり気持ち良い風が吹きわたるが、加治川治水ダムの水はコーヒー牛乳みたいな色で
昨日相当量の降雨があったことを示している。
今日は、快適な気温、風で軽装で登っていくので軽快である。

作業地に着いて一昨日と同じ場所に荷物を降ろして、先ずは様子見・・・・
数匹飛んでいるが近づいても、一昨日ほどの興奮性・攻撃性はないようだ。

スプレー剤を浴びせて散らしてスコップで突くと音が鈍い場所があるのでスコップを突き立てるが木の根が邪魔で入らない。
松の葉が腐葉土化した表土、木の根を剥がしながら探る・・・
違うなぁ・・・空隙はあるのだが、空隙の下にあるのは木の根
空隙にスプレーしてみると下の掘ったところから、スプレー剤が僅かにモヤモヤとでてきた。
それなら、下の掘った場所と上の空隙の中間部の表土を丁寧に剥がしていくと、巣の表面が現れた。
この間も何度か戻りバチのアタックがあるけれど、スプレー剤、スコップで殴りつけて飛ばす。
向かってくるハチをスコップで殴りつけると、コン!と小さな音をたてて飛んでいった。

巣を空隙から出す。
三層構造の巣でさほどの大きさではない。
成虫はほぼ死滅しているが、どういうワケか幼虫は死滅しておらず
身体を揺らし巣と擦れるのか?ギシギシと気味の悪い音をだしている。

ビニール袋に納めて作業終了。
下山して所属会、井上さんにメールして事務所に帰り仕事に戻った。