飯豊山歩き(梶川尾根〜丸森尾根)
2007.8/1〜8/2
・ヤマハハコ、黄色はミヤマキンポウゲ。
ミヤマクルマバナが固まりになって咲いていた。
・五郎清水でラーメンを煮て昼飯とする。出発前にもう一度水の補給に水場まで下る。戻って支度をしていたら3人のパーティが下ってきた。内の一人から水場を聞かれたので教える。少ししたらもどってきて、「すぐそこ」というのはウソだと冗談めかして言っていた。水場まで行かずに戻ってきたようだ。山の「すぐそこ」は、禁句か。およそ50mほど下るだけなのだが。29日から飯豊に入って縦走してきたという。
・振り返れば飯豊山荘の赤い屋根が
眼下に見える。
かなりの急登を実感する。
・地神北峯(通称北の地神)。丸森尾根と頼母木、大石山、鉾立、杁差岳へ
の分岐点である。
・ヨツバシオガマ
・花の開花期に合わせて6月か7月にと思っていた飯豊行きは、その機会を得ないまま過ぎてしまった。今年は天候との調整がうまくいかなかった。週間天気予報を確認して8/1に決行した。ルートは梶川尾根を登り、門内小屋泊、丸森尾根下りとする。30代の頃に゚ーティでこの逆コースを日帰りでやったことを覚えている。時期は6月。丸森尾根でのハクサンコザクラやシラネアオイが素晴らしかったことが忘れられない。そして梶川尾根のヒメサユリの群生も印象に残っている。そんなわけで今一度あの感激を、と思っていたのだが時期がずれてしまった。
・4:00に起きて家を出る。コンビニで弁当を調達して6:00に天狗平駐車場で朝飯とする。車で夜を明かした二組の登山者が出発支度をしていた。その様子を見ながら弁当を平らげる。
・6:30こちらも身支度して梶川登山口へと歩き出す。湯ノ沢橋手前に入山手続用に机が出ていた。ここで登山者カードに記入する。
・尾根路もだいぶ「扇の地神」に近づいた。あたりは一面チングルマの絨毯である。
・扇の地神山から。今夜の泊まり門内小屋まであと一息。小屋の後方は門内岳(1887m)
・小屋に入って湯を沸かす。アルファ米一袋は半分だけにして朝飯にまわすことにする。小屋で
カンビールを販売していたので2本ほど買ってきた。小屋にいたもう一人の方は、横浜から夜
通し車を走らせて来たそうだが、タフな人だ。パンをかじってウィスキーをやっていた。いろいろ
山の話を聞く。
・8/2小屋を出て門内岳へ向かう。小屋の後方は胎内山。その向こうに扇の地神山と続く。
・門内岳から地神に向けて稜線を行く。西側斜面にはまだ
ニッコウキスゲが咲きそろっている。
・低木類の中で咲き遅れたハクサンシャクナゲを見つけた。
・ミヤマアキノキリンソウ、低地に生える
アキノキリンソウの高山型。
黄花をベンケイソウ科のキリンソウに見立
ててこの名が付いた。
・クルマユリ、下部の茎に輪生する葉が
この名前の由来。
・ミヤマコウゾリナ
・飯豊山の固有種イイデリンドウ
花弁に副片がない。
・赤い屋根の頼母木小屋と杁差岳
・トモエシオガマ(上から見ると花の付き方が巴形)
・丸森尾根東側斜面には雪渓が残っているが それもだいぶ後退している。早くに雪のなくなったところはチングルマ、アオノツガザクラ、コイワカガミなどの花畑が出現。
・丸森尾根の斜面に咲くコバイケイソウ
・北俣岳、梅花皮岳の
鞍部に建つ梅花皮小屋と
石転び沢
・五郎清水13:00出発。ブナ帯から灌木帯に変わる。
梶川峰までの間にところどころで北俣、石転び沢、
梅花皮岳が見え隠れする。
・これより飯豊の稜線を離れて丸森尾根を下る。北の地神手前でトモエシオガマを見つけた。
・さらに登って梅花皮沢の滝が見える滝見場を過ぎ、五郎清水に到着。狭いが平坦地である。水場は少し湯ノ沢側に下ったところ。花崗岩がごろごろする間から流れ出ている。このあたりはモミジカラマツがたくさんあり、白い花盛りである。
・登りが少し緩やかになってしばらく行くと湯沢峰(1020)である。10:30かなりのスローペースできた。
・イブキトラノオ
・写真撮影もここまでで、あとはただひたすらに丸森尾根を下る。緩やかな尾根路が次第に急勾配になってくるにつれ、膝が笑う。
何回となく休憩をとりながらも、ただ忍の一文字である。帰路用に用意したエネルギー補給が効いた。ドリンク瓶、ゲル状ウィーダ、ミカン。
・飯豊山荘の屋根が見えてきたところでどうにも空腹からくる脱力感に襲われた。後ろ向きの三点支持でおりるような下りが続くので危険と思い、
腹につめることに。昼の残り飯にソーセージ、漬け物がある。水漬けにして流し込んだら落ち着いたので再び下山開始。16:00ヘロヘロになっ
て駐車場に無事帰還。
・いきなりの急登で息が切れる。
明日のコース丸森尾根が見える。
ニチシマリンドウ 葉は花が終わったイワイチョウ。ッコウキスゲ、
・地紙尾根を振り返る。先端は梶川峰(1692m)
・咲き遅れたかニッコウキスゲ、大ー尾根をバックに
・門内小屋には16時過ぎに到着。男女7人のパーティが小屋の外で食事作りをしていた。風もあって肌寒い。皆ヤッケを着込んでいる。大学時代のサークル仲間とか。
・右、管理人小屋、胎内市から委託された下越山岳会の方が交代で詰めていた。・左は宿泊棟。青い容器は屋根からの雨水を引いて溜める貯水タンクである
。
・新発田から見る二王子岳を表とすれば、こちらからは裏二王子岳。
・西向き斜面の草原では
ニッコウキスゲが咲く。
・地神山で休憩していると頼母木小屋からの登山者がやってきた。
友人と一緒に登る計画が,死去のため遺影を持って来たと話していた。天気に恵まれた飯豊行となって、いい供養ができたことだろう。
さて、こちらは丸森尾根への分岐点となる地神北峯へ。地神北峰から北へ延びる稜線の先に頼母木山、頼母木の小屋が、さらにその先には杁差岳のでんとした山容が望める
地神尾根の池塘
・稜線にそって拡がる傾斜草原ではコバイケイソウが頭一つ抜き出ているのでよく目立つ。
・ノハラアザミ? オニアザミ?
生育環境からはオニの方に。
・雪渓が後退して間もない雪田代では、ハクサンコザクラが咲いていた。
これも咲き遅れた数株が花を付けていたという具合で幸運だった。
・門内岳から延びる胎内尾根の二つ峰。この先端は奥胎内である。見るからに
このルートはアップダウン+長丁場でとても歩けそうにない。
・地神山で一服。後方は北俣岳
。アオノツガザクラ
・タテヤマウツボグサ
・門内岳山頂(1887m)に立つと北俣岳がすぐ近くにでんと構えている。
・梶川峰。この手前で猿の一群に遭遇した。群れは石転び沢の方に降りていった。この梶川峰で急登もやっと終わり、扇の地紙尾根の稜線の緩やかな登りとなる。
チシマザサやハイマツなどの低木類にスゲ類の草原が拡がっている。その中に池塘もあった。
・稜線の東側斜面には雪渓が残っている。雪渓が後退して草地となったところからコバイケイソウが並んで咲いていた。
・イワオウギが縦走路脇の茂みの中で咲いていた。マメ科の特徴奇数羽状複葉。
・マルバシモツケまたはエゾシモツケか。
・色鮮やかなクルマユリである。下部の葉が輪生している。
ハクサンフウロもチシマザサの中で懸命に咲いていた。
・ギルダ原と北俣岳、梅花皮岳
・タカネマツムシソウがこれから盛りに
なろうとしている。
・地神尾根から見た杁差岳
・タカネマツムシソウはこれからのようだ。
・ダケカンバ越しに見る大ー尾根。
・梅花皮岳、石転び上部、北俣岳