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○日本のW杯出場決定に思う 日本中が沸き返ったW杯出場決定。その北朝鮮戦を観ながら、20年ほど前のある男の方との話を思い出し、思わず文章を書いてしまいました。 それは私があるイベントの手伝いをしていた時、夜にホルモン焼きの差し入れをしてくれた30才くらいの男の方がいました。ニンニクの効いた美味しいホルモン焼きで、お陰で翌日はすっごい臭いで大変でしたが・・・ イベントの準備も一段落した夜、たき火の周りに集まる人の輪の中にその方はいました。『京都朝鮮学校』。映画『パッチギ』の舞台になったりして有名になった高校ですが、彼はそこでサッカーをしていたそうで、いつしか自慢話になりました。高校3年間で同じ年代の日本人チームには負けたことがなかった。その年全国大会出場の京都のある高校との練習試合で、味方ゴール前で奪ったボールを、相手に一度も触らせることなく、ゴールマウスにたたき込んだことがある。等々。そして彼の2年後輩のすごいストライカーの話もしてくれました。彼はデビュー戦、後半からの出場でいきなりハットトリックを決めて認められ、その後対戦した某高校の監督(釜本氏の元チームメイト)から「釜本以上の才能」と絶賛されたそうです。そして何故朝鮮高校が強いかという話もしてくれました。彼によるとその理由は3つ、1)試合終了時まで走る続けることの出来るスタミナ、2)日本人には絶対負けないという強い気持ち、3)戦術理解力 だそうで、地面の上に数字と線を書き始めて、その戦術の話もしてくれました。その頃、サッカーをほとんど観ていなかった私にはほとんどチンプンカンプンでしたが、4−4−2とか3−4−3とかオーバーラップ、サイドチェンジ、ポジションチェンジなどの話だったのでは?と思いますが、どの選手が入っても機能できるようにしてあるシステムで、1軍の選手はこのシステムをちゃんと覚えなければいけなかったそうで、最後には私らシロウトをのけ者にして、大学時代にアメフトのマネージャーをやっていたというお兄さんと二人だけで大いに盛り上がってました。最後に彼らの出した結論は、朝鮮高校の中でも最強の東京朝鮮高校は、「日本リーグでも優勝できる!」でした。Jリーグの発足する10年近く前、W杯の予選で、香港やタイに簡単に負けてくるような状況の日本サッカー界でしたので、あながちオーバーではなかったのかもしれません。 そして宴も終了間際、私は思わずその男の方に質問してしまいました。「そんなに凄かったなら、何故ホルモン屋のおじさんやってるの?」と・・・一瞬ムッとした表情を浮かべた後、彼は静かに言いました「俺ら、在日で、朝鮮高校出やで・・・」。国籍、学歴、経済問題、などの壁を乗り越えることが出来ずに、大好きなサッカーをとことんやりきることが出来なかった無念さが彼の背中には浮かんでいるようでした。その後、彼の後輩の凄いストライカーも阪急電車沿線のある駅前で、キーホルダーなどを屋台で売っているという噂も聞きました。 あれから20年、在日の子供達の朝鮮高校への進学も減り、『全生徒がサッカー部』という状況も無くなり、Jリーグ発足に伴う日本サッカーの急成長もあって、10年ほど前から解禁になった全国大会への出場すら難しくなった朝鮮高校ですが、そんな時代もあったのよという話をついしたくなってしまった私です。 まあ、でも、『野球殿堂入り第二号黒人』ジョシュ・ギブソンのニグロ・リーグでの962本の本塁打記録などを無視して、日本プロ野球における王貞治の本塁打記録を『世界記録』と言ってはばからない人々には、無視すべき話かもしれないけどね。(2005年6月10日記載) |
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