| ○気の優しい運転手さん 先日、新潟市の中心部、古町のM百貨店までお客様をお送りした時のこと。そこは新潟市でも一番の繁華街。バスを停車できるようなスペースはなかなか無いのですが、どうにかバス停付近に停車。そして3名ほど降りていかれ、さあ発車、と思った次の瞬間、「コン」と軽い衝撃。どうやら後ろにいたタクシーが発車しようとした時に、軽く接触したらしいのです。その衝撃の軽さから、どうもないと判断した私、すぐに発車しようとしたのですが、そのタクシー、わざわざこちらのバスの前に回り込み、運転手さんがさかんに手を合わせてゴメンナサイをしていたので、どうもないよと言うように私は手を振り、そのまま発車したのです。これだけでも関西育ちの私には「何て礼儀正しい運転手さんなんだろう」という思いはありました。しかし、そこからしばらく経って信号で止まった時、その運転手さんが走ってきて、こちらの運転席の窓を叩くではありませんか。あれ?何かあった?と思いつつ窓を開けると、「すみません、先程接触していまして、こちらで修理させていただきましょうか?」などと言うのです。修理するほどの接触だったっけ?と不安になった私、彼と一緒にバスの後方を見に行ったのですが、どこを接触したか全くわからないような状態。それで、「こんなん、どうもない、気にせんといて」と言うと、彼は再び深く腰を折ってお詫びをして、去っていきました。私の心の中にはさわやかな一陣の風が吹いていました。 この話、地方にお住まいの方でしたら何のことはない話でしょうが、「タクシーの運転手が、軽い接触で車を止めて自ら謝った!」これがもしも京都で起こったら、夕方のニュースのトップを飾ること必至です!私は京都に20数年おりましたが、バイク乗車中にタクシーに3回も当て逃げをされました(そのうち2回はそのタクシーに追いついて、運転手に謝らせましたが)。また、一時停止無視で私の車の右後輪付近に突っ込んできたタクシーも、完全に向こうが悪く、修理代も全額向こうが出すことになったにも関わらず、最後まで謝罪の言葉はありませんでした。しかしタクシーに限らず、関西というのはホント、交通関係ではお人好しでのんびりなんかしてられない土地柄で、「信号は、青は思い切り進め、黄色は注意して進め、赤は命がけで進め」というのは常識。歩行者用信号も青になった瞬間に競って飛び出す人が多いのですが、まだ突っ込んでくる車も多いので、これも命がけ。バスも、乗り遅れそうな人が手を振りながら走ってきても、決してドアを開けず、即刻発車。どうしても乗りたい人はバスの前に両手を広げて立ちふさがりバスを止め、すました顔して強引に乗る。・・・などという光景が日々繰り広げられる世界ですから、私も最初はビックリしましたが、関西の『根性のある人優先』という考え方に、いつの間にか「これが関西のバイタリティー!」とさえ思えるようになっていました。 そういえば昔、京都の友人が新潟へ旅行した時、バスに乗り遅れそうになって走っていたら、バスがずっと停留所で待っていてくれたり、目的地が終点の先だったのに、「ついでだから」と目的地の前まで行ってくれたり、タクシーがこれも「ついでだから」とバス停まで無料で送ってくれたり、等々の親切な運転手さん達に感動し、「新潟県人は涙が出るほど親切やった、この清い心を汚さんよう、国で保護せなあかん!今からでも遅うない、関西人出入り禁止にせなあかん!」と叫んでいたのを覚えています。もしかして、心はすっかり関西人と思いこんでいる私も、このまま月岡のお湯で毎日心を清めていくと、この天然記念物『新潟県人』に近づいていってしまうのかと思うと、嬉しいような怖いような毎日です。(2003年1月3日記載) |
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