雪は見るだけに限る
 工藤夕貴が出演しているアメリカ映画『ヒマラヤ杉に降る雪』観ました?すっごく淡々と進みすぎて、もう一つ盛り上がりに欠けるよなー、という感じの映画だったのですが、そのことを関東に住む友人にメールで送ったら、「あの幻想的な綺麗な映像にはやられた」という返事。特にどのシーンがと聞いたら雪のシーンだという答えが返ってきてビックリ。やはりあの映画、雪国・新潟では受け入れられません! 何故なら、あの雪のシーンで新潟県人の私が考えたことは、「消雪パイプ無いし、除雪車もいないみたいだけど、車走らせるの危ないで」とか「あの粉雪だったらかなり気温低いし、朝方凍るで」とか「あの屋根なら雪下ろしせんでも良いのかな」などということばっかりでした。
 私は高校まで新潟にいて、大学から京都へ行ったのですが、高校までの間、雪が降ると「雪合戦ができるな」とか思って喜んだりはしても、「雪がきれい」とか全然思わなかったのです。ところが、京都へ行った1年目の冬の帰省時、親が小千谷市という新潟県の山間の町にいたのですが、小千谷駅から信濃川に架かる橋を夜に渡った時、ふと目をやるとそこには月明かりにぼーっと照らされた雪景色。私は思わず立ちすくみ、呼吸をするのも忘れてその幻想的な風景に見とれてしまいました。あの時思ったのです「雪は見るだけに限る」と。もしもずっとあそこに住んでいて毎日、雪かき・雪下ろしなどの作業に忙殺されていたら、あの景色を「きれい」とは感じられなかったと思います。雪の降らない地方にお住まいの方、ほっとけば雪って解けると思うでしょう、とんでもないですよ。新潟県内ではそんなに雪の積もらないほうのここら辺でも、雪の降った日は一生懸命雪除けとかしないと、消雪パイプが無くて除雪車の来ない道はすぐに通れなくなるし、車が雪道にはまって動けなくなったとか、車の屋根が雪で凹んだという話や、小屋の屋根が落ちて中のトラックがつぶれたという話は、頻繁に聞き ますし、車に乗ってて地吹雪なんかにあったらホント、生きた心地しないですよ。『白い悪魔』と言われてるくらいですからね。新潟の人間にとって雪なんて観賞用じゃないですよ。「雪って、幻想的で素敵だわ」などと思っている人は、冬期間の3ヶ月でも新潟県で生活してみて下さい、人生観変わりまっせ!(2000年5月26日記載)
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