コーディネーターだより  bU

 ひと月に1回、コーディネーターだより「スマイルスマイル」を発行してきました。第6号は音読について、TOSS SANJYO主催「たくみ講座」での大森修先生のお話を元にして、書きました。

音読に困難をかかえている子とは?
 29日、特別支援の話を聞く機会がありました。(9月29日 三条たくみ講座にて新潟市教育委員会特別支援サポートセンター指導主事 大森修先生)その中で、音読についての話もありましたので、その時のメモをもとに、音読に困難をかかえているお子さんについて書いてみたいと思います。
 
 人間は、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚)を通して、情報を出し入れしています。言語に関するのは、視覚と聴覚です。
 情報の入出力について考えると、情報の入力 ー 情報の統合(理解)ー 情報の出力から考えることができます。
 音読は、次のモデルとなります。音読というのは、字を見て、頭の中で理解し、言葉を、音に換えることです。

音読に困難をかかえている子というのは、どんな状態にあるのでしょうか。
  @漢字が読めない。  A発音が不明瞭である。  Bどもる。
  C正確に読めない。正確に読めないとは、次のような状態のことです。
  1)読んでいる箇所がわからない。   2)とばし読みをしている。
    3)意味の区切りでないところで区切って読む。
    4)違う言葉に置き換えてしまう。   5)文章の内容が読めない。など

 このような読めない子に何とかして手伝ってあげないといけないわけですが、どうやったら助けてあげられるのでしょうか。他の経路を使うしかありません。つまり、聴覚情報を補ってあげるということです。

音読で特に有効なのは、追い読みです。
 追い読みとは、教師が教科書を読み、それを子どもたちが真似して読む読み方です。最初は、短く切って読みます。次には、文節間を長くして読んでいきます。(この追い読みが読めているかどうか、確かめる必要があります。追い読みが出来れば、理解につながります。追い読みも出来なかったら、これは、専門家に見てもらう必要があります。)

 音読が、ままならないお子さんが各学級何人かいるかと思います。
 家庭での音読も大切でしょうが、家庭で音読させるのであれば、まず、学校で、教室で読めるようにしてからでなくては、音読に困難をかかえているお子さんは、難しいのではないでしょうか。

(参考文献)『医療と教育との連携でここまでできる』 横山浩之・高橋佳子著
『学習障害(LD)及びその周辺の子どもたち』 尾崎洋一郎他 同成社