梅         

 寒い寒い冬。でも、どこかで春の声が聞こえてきました。

「梅の花が咲きました。」とニュースで言っていました。

 黒板に「梅」と書いて、「なんと読みますか。」
 なかなか読めませんでしたが、ある子が、「梅干しの梅だ。」「その通り、うめです。」
 ところで、「梅」の花は、男の人と仲がいいでしょうか。女の人と仲がいいでしょうか。

ア、男の人と仲がいい。
イ、女の人と仲がいい。
ウ、どちらとも仲がいい。

 漢字の部分に目がいくようになってきた子どもたち、すかさず言いました。「女の人だ。」
「どうして。」
「だって、梅は、母がついてる。」
「正解。でも、どうして、母がついているのかな。」
「梅の花はピンクできれいだから。」
「なるほど。ちょっと違うんだよ。」
「梅はすっぱいから。」と、やんちゃさんが、言いました。

「そうそう、それそれ。」
「え?なんで?」
「梅の実は、生で食べると毒があるんだけど、梅干しにすると、とても薬になるの。お腹に赤ちゃんのいるお母さんが気持ちの悪いとき食べると、いいんだって。」
「あ、お母さん、弟が生まれたとき、きもちわるいっていってたよ。」
「そういうときいいんだって。それにね、梅の木は、実がいっぱいなるの。だから、お母さんに、たくさんの丈夫な子供を産んで欲しいと思っていた昔の人は、梅の木に「母」をつけて、祈ったんだよ。
丈夫な赤ちゃんを、梅の実のようにたくさん産んでねって。」

   (サークル夢さゆり 石山 弘子)
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