糸を知っているでしょう。細くて長いですね。その糸が絡まったらどうなるのかなと考えてみてください。 ほら凧揚げの時糸がぐじゃぐじゃになったり、あやとりの糸が絡まったり・・その糸をほどくのはたいへんだったでしょう。

 百人一首をしていると、「こひ」って言葉がたくさん出てきますね。いったい何のことかなあと思ったことはありませんか?
 じつは「こひ」は「恋」なのです。人を好きになる気持ちのことです。
 実はこの漢字、少し前までは(糸言糸下に心)と書きました。あら、糸が二つも出てきましたよ。
「言」はどんな意味でしょうか?
 好きな人の側に行くと、うれしいような恥ずかしいような、何と「言ったら」いいのか分からない気持ちになるでしょう。「言」は「言葉ではうまく言えない」というような意味です。

 では糸二つ分はいったいどんな意味があるのでしょうか?
ア、好きな人と赤い糸と赤い糸がつながっている。
イ、糸がからまってほどけない、その糸が二つあったら、もっとほどけない。
ウ、好きな気持ちを糸のように長く持っていなくてはうまくいかない。

答えはイです。
 糸がからまってほどけないように、心が落ち着かないことを表しています。
 糸がからまると、ほどくまで時間がかかるでしょう。だからいつまでも好きな気持ちがいっぱいで心がどうしていいかわからないということかな。
皆さんもそうですか?こうしてみると、今の簡単な「恋」の字よりも昔の字のほうが意味がわかりますね。昔は「糸(愛)し、糸しと言う心」と覚えたそうです。

春は「恋」の季節ですよねえ。       (TOSS相模原 岡 惠子)
春は恋の季節
糸(愛)し、糸しと言う心
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