諸機関の資料を教育に活用

伊藤 國夫(58) = 新発田市
塩津潟教育研究所(所長)

 

北陸農政局から、小冊子4部が郵送されてきた。

 国土(にほん)を創造(たがや)した人々・のうせい北陸・世界の水需要と食料生産・水と土と農・シリーズその3の4部である。
 これは、「水と土と農シリーズその1”新潟”であるために・十章」の資料を、私が学校教育や生涯学習に使用してみての改善点を、連絡したことに対する返礼である。
 内容を読んでみると、学校教育の教材として十分活用できるものである。
 また、胎内川沿岸土地改良区が、50周年記念として編集した「胎内川の恵み」も、現に小・中学校用の副読本として活用されている。
 さらに、阿賀野川右岸農業水利事業所が発行した「私たちと新井郷川排水機場」の冊子は、排水機場の様子や子供たちの見学の様子などがよく分かり、小学校4・5年生の社会科や総合的な学習に役立っている。
 このように、各市町村の教育委員会が発行した副読本や資料以外でも、各種機関で編集した冊子が、大活躍している。
 しかし、これらの有用な刊行物を、活用している学校は少ない。また、使用しようと素材研究をしている教員も少ない。
 私は、「塩津潟の干拓」を研究し、教材にまで高めて教育現場で実践してきた経験がある。
 私は教材にする時には、次の3点を視点としている。1つ目は、学習するのに必要な価値を有していること。2つ目は、学習しようとする教材が関連性をもっていること。
 3つ目は、その内容を調べている研究者が多いことである。
 前述した3つの機関から発行された冊子は、いずれもこの3点の視点をみごとにクリアしている。
 私は、学校教育にこれらの貴重な資料を積極的に活用してきた。また、生涯学習で社会人に「塩津潟の由来」について講演する時には、積極的に取り入れて利用させてもらってきた。
 その理由は、先人の営みの様子を写真やグラフ等で分かり易く記述してあるからである。その上に、信頼性のある資料が掲載されているからである。
 私は、「タウンミーティング新潟」(H13年11月4日)の時に、遠山文部科学大臣に「総合的な学習を推進するのに、文部科学省はどのような支援を考えていますか。」と質問したことがある。
 遠山文部科学大臣は、「教えられるものが教えるものから決まったことだけでなく、子供たちの自主性を尊重しながら、特色を伸ばしていくことが、まさに総合的な学習だと思います。
 国としては、そういうことについて考え方を広め、あるいはそういうことを助ける体験学習について、地域社会の協力を得るように援助する。
 社会人を学校に導入できる仕組みや、指導的な参考になる資料を作る等に援助してまいりたい。」
と答えられたのである。
 これからの学校教育は、諸機関の関係者や、そこから発行される資料の活用などを重視していくことが重要である。
 地域社会の連携・協力の推進と、郷土や国を愛する心をもった児童生徒を育成していくために。

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伊藤國夫 (58)
塩津潟教育研究所
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