漢の遠足

飯豊連峰 西俣ノ峰~頼母木山(三匹穴の下で敗退)
平成29年2月18日(土)~19日(日)

ビーコンCKしてから出発・・・湿っぽい雪だなぁ  民宿 奥川入で挨拶して先に進ませて頂く 
   
 ヒト汗絞られて大曲、急登の第一段終了 西俣ノ峰を目指して登行を続ける 
   
 西俣ノ峰についた 案外、良いお天気・・・進行方向を見上げる 
   
 急斜面のラッツセル  もうすぐ枯松峰
   
 テントを設営してまずは一安心  ウタマルマン持参のワラビの漬物
   
これも、ウタマルマン持参のポテトサラダ・・・重いわなぁ   戸貝くん段取りのキムチ鍋、弥輔味噌でガツンと。
   
 夜、予想通りに荒れてきた それで、翌朝はこれだよ・・・テン場一段下げて正解でした 
   
 で、ここが今日の山頂 三匹穴の一段下  下山開始
   
 風は呼吸のように強弱を繰り返す。  テン場から上部はあまり雪が溜まっていなかかったのだが・・・
   
 西俣ノ峰まで降りてきました  下界は案外、穏やかなのね
   
政信隊長、楽しそうに腰ラッセル  GPS LOG 
   


日時      平成2年02月18(土)~19日(日)
参加者    EHJ(CL 山形県 小国山岳会)
        ウタマルマン(SL 山形県 長井山岳会)
        地下足袋あんちゃん(記録 山形県 長井山岳会)

        Mr わっち(記録 山形県 長井山岳会)
        戸貝くん(装備 新潟県 峡彩山岳会)
        LTQ(食料 新潟県 無所属 言い出しっぺ)


行き先    頼母木山 西俣ノ峰ルート 
天 候     18日(土)雪時々曇り、夜は風雪強い
        19日(日)風雪後曇り
       
 気温 テント場で-10度位 さほど寒くない十文字池までは雪で濡れたジャケットも西俣ノ峰からは凍結して乾いた

目 的     冬飯豊の未経験の方への冬の飯豊幕営山行の基本確認、荒天時の行動についての経験値を上げる
装 備     積雪期テント泊装備(冬期飯豊のフル装備)※ 登攀具は不要、引き上げに必要な最低限の細引き20m、カラビナスリングを少々
通信用具  アマ無線、携帯電話
ナビ用品  地図 コンパス GPS

防寒具   薄ダウン
その他   ピッケル・アイゼン


コースタイム 事柄 備考
02月18日
07時30分 梅花皮荘集合時間(ボク、戸貝くん、地下足袋あんちゃんは前泊) 
07時41分 梅花皮荘発(300m)
08時17分 枝尾根取付(315m)  民宿 奥川入で主人に挨拶してここからスノーシュー着用
09時07分 大曲(522m)
10時03分 十文字池
11時40分 西俣ノ峰(1,023.2m)
12時18分 西俣ノ峰発
14時02分 枯松峰(1,184m)
14時23分 幕営地決定(1,150m オオドミの一段下)


20月19日
05時00分 起床30分程寝坊した。寝る前にボクが一度除雪、地下足袋あんちゃんが夜中に一度除雪、起床してテント脱出に一苦労 
08時15分 テント場発 天気も悪いので少しノンビリして、行けるところまでということで出発
09時35分 風も強く、山頂までは時間的にも厳しいのでここを本日の山頂として、敗退(三匹穴のテン場まで10分か15分程度下 1,410m)
10時23分 テン場帰着(1,150m)   テント撤収
11時45分 テン場発

13時50分 西俣ノ峰(1,023.2m)着  テン場の下が雪が多く難渋。登りで設定した標識棒15本ほど大雪原で埋没してルートロス・・・昨晩の風ならこれほど大雪原で積もるとは思わなかった。思い込みは気を付けないと。と自戒
14時30分 十文字池   雪が多く時間がかかる。
15時05分 大曲(522m)  相変わらず雪が深い。15:30分には梅皮花荘で風呂に入れるという、予想でいたけれど、甘かった。
15時36分 尾根の取付き(315m)   後続を待つ
16時23分 梅花皮荘着(300m)    共同装備、借用装備品の返却確認。精算、入浴で解散


概要
昨年2月、長井葉山でウタマルマンにボクが歩けるうちに冬の飯豊のルート概要、幕営生活術を実践知識として置いていくので若い人達で受け取って下さい。と泥酔しながら話した。
んが・・・・昨年は記録的な暖冬少雪で昨年は見送り。寒くなる頃から喉に引っかかったトゲのように気になっていた。

昨年のクリスマス三連休、ボクは西穂岳山荘のテン場で穏やかな登山日和のなかテントを設営していた。
テント設営後、チビチビ一人酒を飲りながら、年明けしたら喉に引っかかったチクチクを何とかしようと思った。


西穂高岳山頂から奥穂、吊尾根と前穂・・・本当は西穂高が出発地点なんだよなぁ


好天に恵まれて、サクッとスノーハイクの西穂から帰宅して、数日後、ウタマルマン、EHJにメールした。
若い、新潟峡彩山岳会の戸貝くんにも声をかけて賛同を得た。
長井山岳会からは、ウタマルマン、地下足袋あんちゃん、わっちの3名
合計6名のメンバーが揃った。
FBメッセンジャー、LINE、メールを使い連絡を取り合いCLをEHJ、SLをウタマルマンとして言い出しっぺのボクは、一兵卒として歩くこととした。
買いだし、共同コッフェル、テント等怠りない様に準備して当日を迎えた。



記録
17日(金)

前日、日中イヤらしい雨が降り続いていたが、戸貝くんが夜事務所に到着した頃は雨も上がっていた。
梅皮花荘Pに到着すると、地下足袋あんちゃんの車があったので隣に駐車して寝酒の段取りをして、戸貝くん、地下足袋あんちゃん、ボクで入山祝い。
地下足袋あんちゃんの行くクライミングジムの方と戸貝くんが知り合いだったり、戸貝くんが八ヶ岳で車をコツンした相手がボクのツイッターなお友達だったりと
ヤマ屋の世間の狭さに驚く。



18日(土)
朝、ボソボソと湿った雪が積もっている。カップ麺で朝ご飯。(昔は朝からドンブリでカレーをワシワシ飲んだものだが、流石に50歳代も半ばになると大人になりそんなに食べられない

とはいえ、まだ同年代のおとっつあんよりは、かなり食べるので減量に苦労している)
そうこうしている、うちにウタマルマン、わっち、EHJが到着して共同装備の振り分けていると、小国山岳会の井上会長が見送りに来て頂いた。ありがとうございます。
その後、丸さん仕込みのEHJによるビーコンチェックを行い歩きだす。

民宿 奥川入で主人に挨拶して進む。奥川入でスノーシューを付けて歩き出す。あまり邪魔になるほどの雪ではないものの、気温が高めで冬ジャケットを濡らす。
もっとチャンと防水スプレーしてくりゃよかったなぁ

さて、取り付きの枝尾根に取り付く。積雪でトレースは判らない。
薄着で登っているのであまり寒くもなく丁度よい雪の付きがよくて、ロープのある岩場もすんなり通過。
交代でラッセルを続ける。

大曲で食事。北側の空は暗いが、東側の空は明るく陽も射すが僅かな小雪が北風に舞う。
大曲で急登りは一段落。次の目標は十文字池。概ねこの状態なら1時間内外か。

概ね時間通りで十文字池に到着。
食事休憩として次は西俣ノ峰が目標となる。
十文字池から西俣ノ峰までは標高差は概ね300m夏道なら40分前後だろうか?
まあ、雪なので1時間内外か

西俣ノ峰の肩まで来ると、1名足の不調を訴え西俣ノ峰で少し長めの休憩をとり、荷物の再分配で負担を軽減する。

ちなみにボクは共同装備抜きで14.9㎏で、そこに行動食、水分、共同装備を加えて概ね20kgを若干オーバーかな?という感じ。
まぁ、まぁの重量。これが3泊でもあまり重量は変わらない。

さて、ここから枯松峰までは大きい雪庇と雪庇に引っ張られて深い亀裂がある、落とし穴エリア。
4月になれば落とし穴も姿を現すが、2月3月では新雪が降ると容易にその姿を隠す。
深いと5m以上落ちることもある。

ボクはあまり落ちていない。
ライン取りが保守的であること、新雪が変な筋状に残っている様に見える様な気がする・・・こんな時はポールで小突く。
まぁ落ちる時は落ちる。

落ちた際に先ずする事は、ザックのショルダーループから腕を抜いてザックから離脱すること。
これが出来ないと何もできない。なので落とし穴の多発地帯では、チェストループの使用の是非はあると思う。
ボクは通年使わないけれど・・・

若干名落とし穴にはまり騒いでいた。
それでも、特にケガなどなく枯松峰に到着。


助けてくれい・・・・

助ける前に先ずは一枚。美味しいところ頂きました・・・・EHJ


この様な落とし穴(あるいはもっと深く完全に埋没する様なケースもある)に嵌り込んだ場合は
先ず、ザックのショルダーループから腕を抜いて、ザックから離脱して腕を自由にできるかがポイント



テント場を決めて整地、耐風壁を積みます。そのスペースで2張張れるかな?

張り綱のスペース、除雪スペースを考えると案外広い面積が要るよね・・・・などと、老婆心ながら心配しつつペグを作るオイラ

で、二張並べたらやはり窮屈、かなり窮屈・・・やむなく出入口を風下側にもっていき何とか押し込むが当然の事が起きた。



で、まずは乾杯ではじまりました。

さて、酒飲みも終えて、寝る頃になると、予想通りに天候が悪化してしてきました。
寝る前に、ボクがテント廻りの除雪を一度していますが、この時、マズイなという感じはしていました。
それは、テントの出入り口を風下に向けていたことです。
通常はそんなことはしないのですが、整地スペースが出来てしまい押し込むには、それしかなくて・・・
それに、それ程雪が吹き溜まることもなかろうという見込みで安易に風下に向けてしまったのですが・・・・
こういうのは、やはり面倒くさがらずに原則通りにしないとダメです。
判っていて、テントを押し込むことを優先した横着にバチがあたる。

夜中、WCに出た地下足袋あんちゃんが、テントから出るのに苦労していたので・・・・
マイッタなぁと思いつつ寝ていた。


19日(日)
朝起きて、まずテントから出なきゃならないのだが、風下の出入り口に雪が吹きだ溜まっていて、脱出に四苦八苦。
ようやく脱出してテント廻りの除雪。到着時より風向きも、西へかなり風向が変わっている。
隣のテントも脱出に難渋している様子。でも、これも経験。彼らはもう、同じ間違いはしないだろう。

朝飯は昨晩のキムチ鍋で雑炊。やはり食べることで身体は暖まる。炭水化物万歳。
必要なモノだけ携行して行けるところまで行くことで出発

一段登ってオオドミなのだが、なかなか積もった様で登行も難儀なワケです。
オオドミからやや左上するのだが、雪原状の所は標識棒を立てていく。
少し登ると、見覚えのあるダケカンバが何本もある。
昔、所属会で行っていた頃にデポ缶を括り付けたダケカンバの樹(懐かしいな)
を過ぎて登っていく。徐々に雪面が硬くなり、スノーシューの機種によっては登行困難となりアイゼンに履き替えるメンバーも。

三匹穴の一段下、時間にしてあと10分から15分前後の場所で敗退を衆議一致で決める。
軽く口に食物を入れて、下山。順調に下山してテント場。

能片付け再パッキングして撤収。悪天時の撤収、再パッキングも経験です。
慣れてくると段取りもよくなることでしょう。

さて、下山していくのだけれど・・・
枯松峰までは、順調に登り返したのだが
枯松峰に来ると・・・・・標識棒が僅かにアタマが出ている程度
マズイな~う埋まっちゃったかなぁ~というか
埋まってました。GPSで現在位置を確認して、コンパス振って角度を決めて進むのが一番確実なんだけれど
出来れば、標識棒を回収したいのでキョロキョロしながら右往左往
結果的にはやはり15本程遺失してしまった。


心理的に下山方向右(東側)の雪庇に近づきたくない心理が見えていて混乱している。


大雪原で膝、腿までのラッセルと視界不良で思わぬ時間がかかる。
それでも何とか大雪原を抜ける。そして再びの落とし穴地帯に入る。

枯松峰で一休みして下降を続ける。だんだん雪が重くなり大腿部への負荷が大きくスピードが上がらない。
十文字池、大曲をを経て降る。途中でスノーシューを外してみたが、穴に嵌り歩いていられないので再び着装。

ようやく取り付きまで降りて後続を待つ。
その間、EHJが大福を出してくれた。冷たい大福って案外イケるね。

あとは、平坦な歩きだが、なかなか疲れた脚には堪える最後の歩き。
行きにはなかったデブリが進路を横断していた。(奥川入の主人は、もう一段下を通るとのこと)
ボクたちは、いつもデブリの上を歩いている。当然、上部への警戒は怠れない。
表層なら逃げられない。全層、ブロック雪崩なら、間に合う感じだろう・・・とここを通る時はそう感じている。

民宿奥川入でスノーシューを外して主に挨拶して下山報告。
国民宿舎 梅皮花荘Pで共同装備の返却、精算、共同購入の残品処分をして、入浴、解散。


丁度いい天候で良かったかな。
冬の飯豊にまた行きましょう。少しづつ経験値を上げながら楽しみたいですね。


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