飯豊連峰 石転ビ雪渓 梅皮花小屋まで(1,850M) またまた、丸森へは行かずに・・・
石転ビ沢~北股岳~丸森尾根 下山の周回コースの予定が、石転ビのピストンへ。

 登りは雪渓通しで、下山は夏道を使った 8月1日現在の状況・・・一日単位で変化していくので注意
   
 梶川ノ出合を振り返る 梶川ノ出合から少し先の水場 
   
 石転ビノ出合  2週間前はここから真っ直ぐに下の大岩目がけて渡れた
   
 門内沢の雪渓を渡り、石転ビ沢は飛び石伝いに渡渉  食事を摂りながら上部を眺める
   
 温度差で靄が湧く ホン石転ビ沢ノ出合 
   
中ノ島のキンポウゲ   今年は雨が少ないせいか土石流も少なく雪渓がキレイだ
   
やっとこさ、小屋が見えたよ・・・・   2日朝、滝雲が朝を演出
   
北股岳に朝陽が当たる   滝雲と陽の光とシシウド
   
 あ~夏山だなぁ~ 雪渓の末端から見上げる 
   


日 時   平成27年08月01日(土)~02日(日)  
参加者  秋ちゃん、LTQ   

行き先  飯豊連峰 北股岳(石転ビ沢ピストン)
天 候   08月01日 晴れ時々曇り

       08月02日  晴れ
装 備   夏山避難小屋泊り装備
登はん用具:アックス、クランポン
ナビ用品:GPS、Mポインター、地図、シルバコンパス
防寒具:長袖薄手フリース、薄手ダウン
飲み物:水 500ml ポカリスエット500ml
予備食:非常食1,000Kcal分
残 量  非常食


コースタイム 事柄 備考
01日
07:23 天狗平発(420m)
08:08 堰堤
08:56 うまい水(590m)         休憩 食事 既に滝のような汗
09:48 梶川ノ出合(690m)        水量が少なく問題なく、飛び石伝いに渡渉・・・・それにしても暑い。異常なほどの発汗量
11:30 石転ビノ出合右岸着(870m)  門内沢の雪渓を渡り、石転ビ沢は飛び石伝いに渡り右岸へ。涼しい風が吹き生き返る思いだ。LFDに現在位置を知らせる。
12:31 ホン石転ビの出合(1,250m)     対岸で休憩・食事。ホン石転ビ沢は雪渓の中ほどで切れているので上部からの落石はあまり心配がなくなってきた。勿論、出合付近からの落石は警戒
13:40 北股沢ノ出合            小国山岳会AXLと立ち話。御西付近の草刈から下山途中とのこと。
14:00  黒滝の下方笹尾根の陰     ホン石転ビ付近から脚が攣り始めていてダマシダマシ登っているが、一向に回復してこない。
15:25  梅花皮小屋到着(1,850m)   トラバース、草付広場ともに雪を踏むことはなくなっていた。

02日
04:30 目が覚める・・・・
08:20 食事を頂き草刈さんと下山(1,850m)
10:10 石転ビノ出合右岸着(870m)  左岸の草付をへつってみたけれどあまりお勧めではない。
12:19 うまい水(590m)          酷い暑さだ。食事。小まめに休憩して給水
13:40 天狗平着(420m)          まったく、猛暑と呼ぶに相応しい暑さだった。稜線、雪渓上は当に天国だった。


概略
2週間前に行ったけれど、北股沢の出合付近でウロチョロしてししまい、何だか面白くない。
当初、単独予定だったけれど、徳ちゃんと山行予定の秋ちゃんだったけれど、都合で山行が没になり急遽、反省山行に同行してくれることになった。


記録

08月01日(土)今日は、梅皮花小屋まで上がるだけなので、前回同様ユックリ目のスタートでOK。
ところがこれが、最大の問題となる。天狗平を歩きだして順調に進むけれど、堰堤広場に着くころには、酷い汗。
調理パンを齧って水を飲む。

これが、うまい水に着くころには、滝の汗。
あれだけの発汗量があったのだから、この時点で電解質・糖質にもっと気を遣うべきだったように今は感じている。
梶川の出合は飛び石沿いに渡渉して、少し先の水場でまた、給水。ホント水を飲むと、汗が湧いてくる感じだ。

秋ちゃんからトマトを貰う。今思うと、もう、この辺から握り飯を食べたくなくなってきたように思う。
暑い暑いと言いながら、赤滝の手前で、また座り込む。

秋ちゃんが心配して中止を提案するけれど、まぁ出合まで行けば涼しくなるから進もうと答えて進む。
赤滝のヘツリを過ぎて降ると石転ビの出合。考えられないくらいに涼しい。
ホント生き返ったような感じだ。

2週間前は安定していた、下の大岩付近の雪渓は既に崩壊。
想像通りで、門内沢を数十メートル上流側から雪渓に乗り、厚そうな感じのする場所を渡る。
門内沢を渡ったら、次は石転ビ沢本流を渡る。先行の女性2名パーティーも渡渉場所を探していた。先週下見に来た時は、下の大岩付近を渡ったらしい。

ボクは、頼まれもしないのに、渡渉場所を指示するのも適当だとは思わない。
クライミングでも、教え欲しいと、いう前からスタンス、ホールドを教えたがる人もいるけれど、それは楽しみを奪うようなもので関心しない。
謎解きというか、クライミングのアタマを使う部分を頼まれもしないのに、指示、開陳したら面白味は半減するとボクはそう思っている。
同様に、渡渉場所、方法等は自分で考えるべきだ。勿論、教えて欲しいと言われれば、教えるし手伝いもしますよ。

石転ビ沢右岸に渡り、食事。なんとか握り飯、漬物を食べる。身体が冷えてかなり、状態が改善した。
梅皮花小屋の小屋番をしている、LFDを無線で呼んで、現在位置を伝える。下界はとにかく暑く、バテバテであるち、言うと、上は小屋内は20℃までいかいないという。

女性2名パーティーも渡渉できたようで、食事をしているようだ。
少し進んで、クランポンを着用して安定した雪渓に乗る。
ホン石転ビ沢対岸の休憩ポイントを目指す。

本当に今年は、土石流もなく雪渓がキレイだ。
ユックリと歩く・・・この区間はほぼ予定通りの時間で歩く。

ホン石転ビ沢対岸の休憩ポイントでアンパンを水で流し込む。秋ちゃんからグレープフルーツを貰った。
それにしても、炭水化物、塩分が足りない。

ホン石転ビの出合を過ぎると脚が攣りだした。
珍しいな~
いつもは、夏場脚が攣ることはほとんどない。攣るのは冬、大荷物で腰かけて、ドカ休みした後、動き出すとたまに攣ることがあるものの
いつも、放置プレイ。今回はなかなかしつこい。やはり出合までの異常なほどの発汗量の影響だろうか?

北股沢の出合の下でAXLが降ってきた。御西付近の道刈作業を終えてきたそうだ。上信越国境の山域の事など少々情報交換。
小屋には羽黒の白銀くんが居るとのこと。出合に居た女性2名パーティーはAXLのツアーに参加したことがある方とのこと。
黒滝下の左岸側の笹尾根末端付近で休憩。身体は冷えてきたものの、やはり食欲がでない。それでも、水を飲むので、お腹がタプタプで
握り飯等の固形物を食べる気がおきない。

雪渓を左岸寄りに歩いて中ノ島末端に直接とりついた。このルートどりは今日でオシマイだろう。今後は、黒滝付近から左岸の夏道に入るのが安全と思う。
中ノ島に上がったら、また暑くなってきた。足が止まりがち。上部まで行き、トラバースは既に雪が消えているものの、上部には雪渓が残っているので
トラバース帯は未だに落石の通り道なので注意が必要。トラバースを終えてヒト登りで草付広場になるのだが、そのヒト登りがままならない。暑くて仕方ない。

また、一休み・・・・
あきあれた、秋ちゃんは先に小屋に行き、また戻ってくるという。
少し休んだら、楽になったので、トボトボ歩きだす。草付広場をユックリ登ると、秋ちゃんが降りてきたので、生モノの食材を持ってもらう。
これだけで、かなり楽になる。ホンの5分ほどで、小屋に着く。

やっと着いた。こんなに辛い石転ビも初めてだと思う。なんでこんなにキツかったのか?キツくなってしまったのか?ヨクヨク考える必要がある。
それはそれとして、先ずは水をのんでから、冷たいビールを戴く。あ~人心地がついた・・・・

夕方近くになり、宿泊のお客様への対応、物販業務、更に食事の提供等に忙しいLFD。無線でAXLが出合付近で年配の単独者とすれ違い声をかけたところ
梅皮花小屋泊りの予定らしい。とのことで、LFDが北股岳方向に登り確認に行くと、北股沢の出合付近。到着は17時30分過ぎるか?などと話す。

風景談義から、LFDの写真教室。
どうしても、ボク達素人は花だけを撮る。LFDは背景、前景を大事にする様だ。そうかと思えば、いっそ大胆に青空とか雲を大胆に入れるなど
思いもしない事を学んだ・・・・ところで秋ちゃんモデルの秀逸な作品は、モデルの希望でLFDのスマホ電子媒体から蒸散した。
さて、普段見向きもされない、シシウド・・・

LFDは陽の光を巧みに使い、誰も見向きもしないシシウドをキレイに写す。当然、みんなでマネをする。
FBにUPしたら、目ざといカネヤンがLFDのパクリだと大喜び。
パクリではなく、舎弟故、踏襲と云って欲しい。(笑



水場で缶モノ、豆腐を冷やしたりして、夕食の段取りをしながら薄い水割りをチビチビ飲むけれど、実に旨い。
1時間ほど前の弱った自分はどこにいったのやら????

概ね、一段落したので、LFD、白銀くん、秋ちゃん、、AXLのお客さんの、福島からの2人組のクララちゃん、ペータちゃんと6人で酒飲み。
楽しいひと時を過ごしました。竹爺が居ないのが残念な福島からのお二人でした。
後刻、竹爺は、(ノД`)・゜・。泣いていたとか、育ちゃんに笑われていたとか・・・・・



08月02日(日)
4時半に起きだす。LFDは、団体さん向けの食事(パックライス+レトルト食材)の加温にかかる。
基本的には飯豊の小屋は避難小屋(営業小屋ではない)なので食事の提供はない。
しかし、切合小屋、御西、梅皮花の小屋では食事の提供をしている。が、残量に限りがあり、予約など都合で、梅皮花小屋は既にα米しか販売用は無い様だ。
α米にしても事前に確認してほしい。

ご来光前の時間帯は撮影タイム。みなさん外に出て写真撮影。
ここでまた、LFDから撮影の指導を戴く。

ちなみに、ボクが12日から入るお隣の門内小屋、北隣の頼母木小屋では、食材の提供、販売一切行っておりません。
昨晩の無線でダイグラの道刈を終えた、小国山岳会の草刈氏が明日は、一緒に石転ビを降りましょうという。
4時頃に御西を出るので・・・とうのでこの人の足なら、6時30分頃か思う。
LFDもご飯を炊いて待つが来る気配なし・・・・
先に食うべ・・・とLFDの味噌汁、絶品ご飯を戴く・・・・旨いねぇ~

食事を終え、本棟の掃除を2F秋ちゃん、1Fをボクがして草刈さんを待つ。
ようやく到着・・・・考えてみれば、さっさと歩くLFDとは異なり、昆虫先生の草刈さん、何かいれば、スルーできない。。
LFDの炊いたご飯とみそ汁、昆布巻き、漬物で草刈さん、朝ご飯を食べて、最後にみんなで、白銀くんが担ぎ上げたメロンをデザートで頂き
下山開始。白銀くんは、梶川尾根の保全作業地を観たいので、梶川尾根下山。草刈さん、秋ちゃん、ボクは石転ビからの下山。

LFDにお礼を述べて、下山開始。
朝は気持ち良い。ゴロゴロした石で歩き難い中ノ島を降り、途中から左岸側の夏道に移る。
まだ、夏道は雪から出たばかりで、ザレていて歩き難いので注意して欲しい。
黒滝付近はまだ、凹んでいないけれど、かなり薄いはずなので近づかない方がいい。
雪渓が薄くなると、自重で落ち込み凹むことが多いのだが、黒滝周辺は凹まないで薄くなり穴が開く。

一番厄介なのが、凹まないので通過できそうに見えることだ。夏道から見た感じでは、雪渓通しで中ノ島に直接上がれるのは
今日、明日が限度?とおいう感じでだ。

草刈さんも、すれ違う登山者に、夏道に上がるように指示していた。黒滝に穴に落ちてしまうと、救出云々より、雪が溶ける秋遅い時期まで、厚い雪渓の下に潜り込んで
オロクを探すことが困難な場所で絶対に落ちてはいけないポイントの一つ。

夏道から外れてから少し下ってからクランポンを着用。安定した雪渓をサクサク降る。
昨日、今日と落石の音も聞かずに通過。珍しいことだ。
雪渓下部でウサギの脚が雪から露出していた。猛禽に襲われ腹でも食われたのかな?と思っていたら
草刈さんが引きずりだしたが、腹も食われていなかった。雪崩にでも巻き込まれて下敷きになったのだろうか?真っ白な冬毛の大きなウサギだった。

出合に近づくと。左岸側から登って来る人がいた。聞くと本流を渡渉しないで門内沢の雪渓を渡れるようだ。
行ってみたけれど、イタドリで足元が見えない状態で、登りはいいけれど、降りは悪くないけれど、一般的ではない。
やはり保守的に右岸側から渡渉するべきだろう。

出合から下は、昨日同様の灼熱地獄で忍の一字。
刈り払い機を背負っている草刈さんは日陰になる樹林下になると大変だ。

水場、日陰で休み休みの各駅停車。
堰堤を過ぎてやっと平坦な道となる。堰堤から天狗平まで、こんなに長いのか?と思うくらい疲れた。

草刈さんが途中で、スズメバチにソックリな蛾を見つけた。どうみてもスズメバチなのだが、触角が棍棒状で確かにそこだけ
観れば、蛾の様相・・・少し珍しい種らしいので、写真を撮ってから採取した。

やっとこさ、天狗平。
飯豊山荘のお風呂は熱いので、いつもの通りに梅皮花荘で入る。(源泉は同じらしいのだが、源泉に近い飯豊山荘の風呂は、熱い)
何せ、カラスが驚くほど速い風呂。熱いお湯も苦手で熱い時期はぬるめのお湯でさっと済ませたい。

お風呂の後、越後屋さんで冷たいお蕎麦を戴いて帰途についた。



※ 今回は登りの前半、石転ビノ出合前に異常なほどの発汗量でそれに見合うだけの水分摂取に努めた結果
   食欲を失い、後半相当なバテを生じてしまい、薬を貰わないと我慢できない程の脚の攣りが生じてしまい、秋ちゃんに心配かけた。

異常な大量発汗→大量の水分摂取→食欲の喪失→糖質、塩分の摂取不足→熱疲労+シャリバテ+電解質のアウトバランス
こんな構図が浮かびあがる。
では、どうすべきだったのか?

① 出発時間をもう1時間~2時間早める
② 高温下で荷物が重いのであれば、歩行スピードを抑えるべきだった。荷物の重量・気温からするとオーバーペースだったのだろう。
③ 通常自分の場合であれば、荷物の重い時、登行スピードが速い時は、1時間ごとに握り飯1個程度の補給が目安。ところが、今回は3個食べることができなかった。
     口にした固形物の多くが秋ちゃんから貰った、トマト、果物、漬物。どれも喉通りのよい水分の多いものだけど、カロリー、塩分の補給が追い付かない。自分で握り飯を持っているのだが

  食欲を失ってしまい食べることができなかった。こういう、状態に陥らないのが最も重要。こうなってしまうと簡単に回復できないことを、今回学んだ。

そうすると、早く出る、ユックリ歩く。小まめな休憩と少量の給水を数多くし、登行スピードを落とす・・・そうなると思う




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