飯豊連峰 北股岳(2,024.9M) 短縮に次ぐ短縮プランで・・・・
石転ビ沢~北股岳~梶川尾根 下山の周回コース

 梶川は水際を通過、石転ビの出合は下流で右岸に渡った 濃霧で1時間の彷徨いの軌跡 
   
 温見平 堰堤の広場 
   
 下ツブテ付近の崩落地も踏まれて落ち着いてきた。 ここは倒木が縦に動いて通り難くなった。 
   
うまい水・・・そのとおり旨い   梶川ノ出合は巻かずに飛び石伝いに渡った
   
少し上から俯瞰した   赤滝のヘツリを通過して川原に降りた・・・上ガスってる
   
 雪渓が安定した場所から雪渓に乗り出合を俯瞰する  上部のガスが濃さを増している
   
 ホン石転ビ沢の出合。対岸の上部で食事  北股沢の出合下標高差100m位から視界が急速に落ちる
   
 一時間の彷徨いの後、一瞬ガスが薄くなった。中ノ島が見えた  中ノ島の先行者
   
中ノ島の水場付近   梶川尾根を登った竹田夫妻が待っていてくれた。
   
おいしいタラ汁を頂きました   竹田さん持ち上がりで頂いたウシさん。も~最高!!
   
 霧雨とやや強い風の中出発 クルマユリ 
   
今年はニッコウキスゲがアタリ年 アオノツガザクラ 
   
 扇ノ地紙のカエル  保全作業地 ミニダムで水と土砂を受け止める
   
ヤシポットを使った使った法面養生   もうタカネマツムシソウが咲き始めていた
   
 もう直ぐ登山口。最後の急斜面、転ばないように注意して下山 お疲れ様でした。
   


日 時   平成27年07月19日(土)~20日(日)  
参加者  秋ちゃん、LTQ   梅花皮小屋で竹田(竹爺:小国山岳会)夫妻と合流

行き先  飯豊連峰 北股岳(石転ビ沢UP 梶川尾根DOWN)
天 候   07月19日 曇り後時々晴れ、石転ビ沢上部は濃霧、霧雨

       07月20日  曇り時々雨、三本樺から下部は曇り時々晴れ
装 備   夏山避難小屋泊り装備
登はん用具:アックス、クランポン
ナビ用品:GPS、Mポインター、地図、シルバコンパス
防寒具:長袖薄手フリース、薄手ダウン(ダウンは不要だった・・・・前週は寒くて仕方なかったのだが・・・・)
飲み物:水 500ml ポカリスエット500ml
予備食:非常食1,000Kcal分
残 量  非常食


コースタイム 事柄 備考
19日
07:23 天狗平発(420m)
08:00 堰堤
08:42 うまい水(590m)  休憩 食事
09:42 梶川ノ出合(690m) 巻くか考えたけれど、とりあえず水際をへつり、飛び石伝いに渡渉
10:19 石転ビノ出合着(870m)  下の大岩の陰で風を避けてユックリと休憩 食事 OTJと交信、上部視界不良との情報
11:55 ホン石転ビの出合(1,250m)の対岸やや上の休憩ポイントで食事。上部天候良くないなぁ・・・
13:00  北股沢ノ出合 休憩食事OTJと交信、ガスが濃くて方向が取れない旨伝える。この後、概ね1時間の彷徨い
14:14  ようやく、中ノ島に取り付く。竹爺と交信、取り付いた旨報告
14:40 中ノ島最上部でクランポンを着用して、約60mのトラバース
15:06 草付広場下で再び、クランポンを着ける。高低差約35m 距離75m位。ガスで何も見えない。
15:10  竹爺の生声のコール・・・やっと着いたよ。
15:20  梅花皮小屋到着(1,850m)



20日
04:30 目が覚める・・・・明るくなるまでゴロゴロ・・・・雨風の音がする。夜中も降っていたみたいだし~
06:38 OTJにお礼、挨拶して梅花皮小屋を風雨の中、発つ(1,850m)
07:03 北股岳山頂(2,024.9m)  オオインの尾根は今年は通れるのかな?
08:00 門内小屋(1,865m)     小屋番の矢沢氏と少し話す。北股岳~門内岳の間のニッコウキスゲの群落は見事だった。
08:25  門内小屋発
08:44  扇ノ地神(1,889m)      
09:17  梶川峰(1,693.2m)     修復作業地の様子を観察しながら下山。
08:43  三本カンバ(1,540)     もう、雨じは気にならないし、下界に陽が当たっているのが見える。
10:03  五郎清水(1,370m)     暑い。カッパを脱ぐ。
11:37   湯沢峰(1,021m)      とにかく暑い。
12:55  梶川尾根登山口(420m) 降りは急ぎがちなので休憩、水分補給を心がける。 おお、平らな道路は有難い。

概略
久しぶりに秋ちゃんと、海の日を含む3連休、初日にダイグラを登り、御西の羽田さんを訪ね、大日岳に登り、2日目は梅花皮の関さんを訪ね、3日は丸森で下山という計画でいたものの
天候が悪く、初日はパス。仕方ないので、石転ビを登って、丸森を降る、短縮コースに切り替えた。梶川尾根を登る竹田夫妻(竹爺・育ちゃん)と梅皮花小屋で落ち合うことにした。そして翌日は
4人で、ギルダ原、地神北峰付近で花を楽しみ下山という計画。



記録
19日(日曜日)今日は、梅皮花小屋まで上がるだけなので、ユックリ目のスタートでOK。尾根のコースでは暑さが辛い時間だけど、雪渓登りなのでそれは大丈夫。
飯豊山荘のある下の駐車場は満杯。これじゃ上は無理だな。ギリギリの所に車を停めて準備していると、記憶のある顔の女性・・・・
さて・・・・どなたでしたか・・・女性は通り過ぎて行った。その後、小国山岳会高貝氏が歩いてきた。そっか~高貝夫妻に下の子どもさんだったか~~
それにしても、久しぶりでした。朝から嬉しいハプニング。

梶川尾根の登山口を右手に送り、温身平に向かう。温身平からは晴天であれば、石転ビを見上げることができるが、今日はガスの中。
天気予報は回復していく予報なのでオイオイとガスもあがるだろう。

堰堤広場で一休みして後続が来た。日帰りで行けるところまでという感じらしい。
彼らに先行して出かける。途中で彼らに道を譲り彼らが先行していく。下ツブテの悪場は以前よりよく踏まれて歩きやすくなっていた。

うまい水で喉をうるおす。今日はブヨもでないで助かる。先行している日帰りパーティーが先に出発。
ババマクレはよく踏まれていて歩きやすい。
大汗をかきながら歩いているけれど、時折吹き抜ける風が心地よい。

細かく上り下りを繰り返す夏道を汗を拭き拭き進む。そして梶川ノ出合。
前日の雨で梶川の水量が減っていないと高巻・・・・減水していれば、飛び石伝いに渡渉。
巻道の分岐で一度ザックをおいて様子を窺う・・・・・
秋ちゃんと急がば回れか?行くだけ行ってダメなら戻ればいいか?いや、巻くか?・・・・・
結局、巻かずに水際を進んで、飛び石伝いに渡渉した。

赤滝ノヘツリを通過して緩やかに高度を下げて、夏道は雪の川原に降りる。
3名のパーティーが休んでいた。

出合の状況を眺めると、出合の雪渓は崩壊している。目の前の出合下流側はまだ、安定していたので、目の前の雪渓を渡り、右岸に渡り
出合の下の大岩の陰で風を避けて休憩することにした。

下の大岩の陰で風を避けて休憩。勢いよく流れる小沢で顔を洗って水を飲んでから、OTJを呼んでみる。
現在位置、上部で先行している人数、出合に居る人数を伝えると、上部はガスで視界不良。竹爺は少し前に門内に着いたらしい旨お聞きした。
食事を食べていると、日帰りの先行していたパーティーが出合に到着。
どうやら、梶川を高巻した様だ。

食後、大岩の脇を通り川原を進み薄い踏み跡を辿ると出合に到着。先行の日帰りパーティーはここで食事をしていた。でも雪渓はまだ不安定なので、もう少し先に進んでからクランポンを付けて
安定した雪渓に上がる。

北股沢出合付近から上部はガスで見えない。
天気予報は回復傾向なので、徐々にガスも上がって行くだろうと期待。上空の雲の流れも速い。

次の目的はホン石転ビ沢対岸の休憩ポイント。今年は梅雨時の雨が少ないせいか、土石流が少なく雪面がキレイだ。
休憩ポイントで休憩。食事を摂りながら上部を眺めるが、天気の回復が遅れているどころか、ガスが下がってきているような・・・

北股沢の出合を目指して登るけれど、まだ視界がある程度確保されているので、それ程落石は怖くない・・・・ところが、北股沢の出合の下、標高差で100m程下から急速に、視界が悪化してきた。
こりゃ~落石が来ても気づくのが非常に遅くなり危ない。
視界が30m程度の中、登り続ける。右岸側の藪が見えるような、見えない様な付かず離れずの距離感で登り、高度を観れば概ね、よく休憩する位置付近と思われるので、食事を摂り、GPSを観てみる。
概ね位置は想定の範囲。食事を摂りながら進むべき方向が取れない。OTJと無線交信。方向が取れない旨伝える。

食後少し直上すると、雪渓がグッと狭まる。黒滝の下、狭まるいわゆるノドの部分であろうと思いこむ。上から「ラク」の声。眼を凝らしてガスと雪面、耳を澄ませ気配を探る。
判らない。どこから来るんだ?という恐怖感。そうしたら、小さな石ころがコロコロと転がっていった。ナンだいあれかい・・・・右岸側の笹薮に人が3名程居るようで、雪渓を詰めたら崩壊していた。
この尾根は違った。といっている。それはそれとして、目の前の泥つきの岩尾根が草付の中ノ島か?
でも、こんなに悪かったか?まあ登ってみる。末端はシュルンドが開いていて危ないのでこの小さな尾根の左側から取付いた。浮石だらけの泥の詰まったボロ岩。斜度、難易度で云えば2級程度のアイゼンクライミング。
あとで、考えれば草付、アイゼンクライミングありえないし・・・でもこの時は、雪解け時期で状態が悪いのかな?と感じていた。登って進むとこの尾根は高度を下げて、雪の下に消えていく。
完全に誤りと判断。両脇の雪渓は穴が開いていて降りることはできない。
諦めて、クライムダウン。泥の上の岩屑はグズグズで足を動かす度に石を落してしまう有様。どうにかこうにか、降って次は西側の笹尾根を登って調べる。
こんな雰囲気ではないので少しヒドを登り退散。
そうすると、この笹尾根の東側の雪渓を詰めれば、中ノ島に行きあたるハズ。という見立てに自信がでてきた。

再び、雪渓でクランポンを着ける。ガスの中の上部を俯瞰していると、一瞬ガスが薄くなった。
見立ての通り、今立っている雪渓の上部に中ノ島がボンヤリ見えて、先行パーティー2名が居ることが分かった。

そして、最初に取付いたボロい岩尾根は小さな尾根。誰がどう考えても行かない小さな尾根。視界があれば何ともない場所も、視界が遮られると、この有様・・・・
情けない。未熟者ですね。勉強不足、経験不足です。

中ノ島に取り付いた時、振り返ると、一緒に右往左往した人たち、後続Pが見えたので、もう、後続の方も迷うこともないだろう。
心配してくれた竹爺が、無線を出してくれた。中ノ島に取り付いた旨報告すると、順調ならOKとのこと。
やれやれ、1時間彷徨った・・・・疲れたね。クランポンを外して中ノ島のシッカリした踏み跡を辿る。
雪の多い5月下旬から梅雨入り前位であれば、北股沢の出合でGPSで現在位置を確認して、マップポインターで1/25,000地形図で現在位置を確認して
コンパスを合わせ、直線的に小屋を狙う方法はアリだけど、今の時期、黒滝をかわして(今回は凹んでいなかった)、中ノ島を正確にコンパスで狙うのはなかなか難しい。

中ノ島を登って行き最上部で、クランポンを再び着用。上部から小さな落石が間隔を置いて2個落ちて「きた。小さいとはいえ、当たればケガになる。
石転ビ登る人でも、ヘルメットを着用する人が増えてきた。北アでも増えているし着用を推奨しているエリアもある。フリークライミングでもヘルメットの着用する方が増えてきた。
ヘルメットは着用した方がいいとは思うけれど、ボクの場合、いまの所、沢、アルパイン以外でのヘルメットの着用はしていない。(今年からは北アの着用推奨エリアは仕方ないね。被るよ)
ヤッパリ、アプローチを過ぎて、ハーネス、ガチャ付けてヘルメットを被るとシャキッとするというか、緊張感が身を包むわけで、それは難易度とは別の危険な場所に入ることを意識させる。
ボクの中では、アルパイン、沢登程の危険を感じていないので被っていないのだけど、それは個人の判断でいいと思っています。
でも、多分これからは石転ビでもヘルメットを着用するのが普通になっていくだろうと想像する。

60m程の雪渓のトラバースは対岸の出口がガスで見えないので、レベルに横断して、指導旗が見えてから直上した。
下手に斜上しすぎて降るのが嫌だった。対岸に渡り、クランポンを外す。そのまま夏道をたどる。
最後の最後の草付広場の雪の多さには少し驚いた。

面倒がらずにクランポンを着用する。
ガスがなければ、小屋は見えるはずの場所なのだが、見えない。
高低差で35m、距離75m位なのだが、全く見えない。「竹爺~」と生声でコールするが返事なし。
ガスの中できるだけ真っ直ぐに歩く。小屋は正面の位置だと思うのだが、一向に見えてこない。
また、方向違いしたかと不安になる。そうすると、竹爺の「LTQ~」の生コール
「お~い」と返事をするが、竹爺は見えない。

少し登ると、ボンヤリと黄色いカッパが見えた。心配かけたね~。
小屋の前では、OTJも心配して出ていてくれた。小屋に上がりザックを片付けていると、OTJが来て「後続は、中ノ島を取り付けたか?」と聞かれた。
多分、中ノ島に取り付いた時視界が空いて、下からも見えたハズなので上がってくるハズだ。と答える。

竹爺、育ちゃんが担ぎ上げてくれたご馳走を戴く。
タラ汁にステーキ。
ステーキはボリュームがあり調理は手軽で良いアイディアだ。
他のツマミもあるので、一人半分のステーキ肉で十分量だ。

仕事が一段落したOTJも酒飲みに加わってくれた。
階下の人たちは早めの就寝なので、早めの店じまい。で就寝。だけど獣の雄叫びのような、妖怪の嗚咽のような・・・・
生命活動の音がして、結構、寝不足・・・・



20日(日曜日)
4時30分に起きてWC。雨音が聞こえる。丸森下山を梶川下山に変更。ノンビリ食事を戴いて、6時30分過ぎにOTJにお礼を述べて、梅皮花小屋を出発。
北股岳~門内岳は花がキレイで、特に今年は、ニッコウキスゲが当たり年のようで素晴らしい群落を形成していたけれど残念ながら、ガスと風で写真がうまく撮れなかった。

門内小屋で一休み、小屋番の矢沢氏と少し情報交換。
門内から扇ノ地紙を経て梶川峰へ。扇ノ地紙ではカエルが大威張りで鎮座していた。
夏季は昆虫類等食物があるだろうけれど、繁殖、幼生期をどこで過ごすのか?
越冬場所はどこで、どのように確保するのか?等興味は尽きない。

梶川峰で給水タイム。梶川峰まで降ると、風はあまり感じない。三本樺を通り過ぎる頃から、暑さを感じるとともに、視界が遠くまで効くようになってきた。
五郎清水で給水。カッパを脱ぐ。ここから下はひたすら、暑さとのこ戦い。
湯沢峰、ナラノキ曲りで給水して登山道入り口に降り立つ。イヤイヤお疲れさまでした。
竹爺、育ちゃんは飯豊山荘で入浴し、弥輔親分に挨拶して帰宅するとのこと。
我々は、梅皮花荘でお風呂に入るつもりで、車で降ると、弥輔親分の車とスライド。車を停めてご挨拶して梅皮花荘へ
お風呂に入ってから、坂町の「あしら」でラーメンを食べて帰途についた。



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