飯豊連峰 門内小屋 夏期鍛練(平成27年07月11日~07月12日)  

お盆の期間の小屋番、その後の単発の週末管理用の私物を門内小屋まで荷揚げに行ってきました。
今回は、登山中の体温を計測してみた。火照る顔、発汗とは裏腹の結果に驚いた。


 GPSトラック 02:45天狗平 気温14℃ 体温35.9℃ 
   
時節柄03:30過ぎると星は楽しめなくなる  03:55楢ノ木曲 気温14℃ 体温35.8℃ 
   
 なんだ、もう朝か・・・・暑くなるなぁ 05:00湯沢峰 気温20℃ 体温35.8℃
   
 五郎清水の少し下からノウゴイチゴが赤い実を付けていた。 06:55五郎清水 気温21℃ 体温35.8℃ 
   
 五郎清水・・・岩の裂け目から出る本当の岩清水。冷たくて旨い 振り返ると雲海の奥に朝日連峰が薄ら望めた 
   
石転ビ雪渓  梶川峰 少し体温が上がったけれど風がヒンヤリ 
   
梶川尾根最上部を望む・・・ここまでくれば気が楽になる。  雪が溶けて間もない所は春の装い 
   
 遠くにエブリサシ岳を望む北部稜線 扇ノ地紙の標柱が倒れている。 
   
 いったい何輪の花がついているのかな? 門内小屋についてからしばらくミミッピ不調で少し時間が経過している 
   
 夕日が日本海に沈んだ直後。この明るさが好きなんだ  ご来光
   
 飯豊固有種のイイデリンドウ・・・でも少し花弁が長いね イイデリンドウらしい花。副弁が無くてスッキリしている 
   
 丸森尾根の夫婦清水は開いていた フウフウ言いながら下山した。水分摂取が少なく体温高め。反省 
   




07月11日(土)
コースタイム
02:48 天狗平発(420M)    少し予定より遅れてのスタート。気温低めで肌寒いくらい。
03:55 楢の木曲がり(720M)  気温も低めであるものの重荷のせいか、汗ばむが速乾性のシャツのおかげでヒンヤリ気持ち良い
05:00 湯沢峰着(1,020M)   荷物の重量があるのでユックリ目。 食事
06:00 滝見場(1,145M) 
06:55 五郎清水(1,370M)   水汲み、食事・・・手前の偽五郎は枯れていた。奥の本物の五郎清水からは冷たい水がでていた
08:30 梶川峰着(1,700M)   食事・・・予定より1時間以上の遅れ・・・・
09:35 扇ノ地紙(1,869M)    上部ガリー浸食地の観察
09:58 門内小屋着(1,865M)   体温は上がらないで登ったものの久しぶりの重荷で脚の筋疲労を感じる。。


07月12日(日)
12:05 門内小屋発(1,865M)  ノンビリお昼ご飯を食べてから下山。
12:33 扇ノ地紙(1,869M)
13:06 地神山着(1,846.9M)   今日は暑いなぁ。
13:35 地神北峰(1,800M)    イイデリンドウがここ数年では、最も良い感じ。
14:07 丸森峰(1,540M)     いつも、遅くまで雪の残るところは、消えていた。
16:15 天狗平着(420M)    暑かった~


概要
門内小屋での小屋番の私物、それとこの先の必要嗜好品を運ぶために登ってきた。ついでに先般受講してきた
日本登山医学会ファーストエイド講習で39℃以上、意識障害、運動障害のどれかがあれば、があれば熱射病の疑いがあるので
救助要請が必要・・・とは、お聞きしたものの、現実的に自分の登山中の体温は測ったことがないので、今回図ってみることにした。
昨年11月に槍ヶ岳に行ったとき以来の20キロオーバーで今年2月に肩の手術を受けてからは初めての25キロオーバーの重量で
身体が驚いていた・・・・


記録

7月11日(土)
1時過ぎに自宅を出て、コンビニに寄り天狗平を目指す。天狗平で準備してスタート前に体温計測。あれっ?低いなぁ
気温が低いせいか、時間的なモノか不明だけれど・・・・

ヘッデンを付けて歩き出す。
今頃、テントをたてている3人のオトッつあんパーティー。これから寝たら何時に動き出すんだろうか?
暑くて仕方ないだろうに・・・・

被災ぶりの25キロオーバー実に重い・・・・
最初の急登でバランスを崩さないように注意しながら登る。長丁場であることから、ゆっくり、ゆっくり登る。
ジワッと汗をかくけれど、即乾性のTシャツ1枚なので上半身はヒヤヒヤして気持ちがいい。

陽の長い時期なので、40分ほどで東の空が白んできた。何だ、もう夜はオシマイか・・・
案外、暗い山道から見上げる星空が楽しみでもあるのに・・・・・

もう少し早く出ればよかったな~等と思いながら登る。楢木曲りで一休み。
体温を測るけれど、驚いたことに殆ど変化がない。発汗による蒸散で身体が冷やされているということだろう。
若い頃は区間の登行時間を決めて、荷物の重量に係わらず時間優先でガツガツ辛い登り方をしたけれど
さすがに50歳を過ぎてからは、荷物の重さなりの時間で登るようになった。

今は、スピードより疲れない登り方を考えるようになった。
身体の老化なりに併せるようになってきたということ。
でも、ヤマ登りは基本、背負って歩ける体力、筋力が大事と考えていて、ここ一番の時はガツンと軽量化してスピードを上げる。
これが自分なりのスタイルなので、普段の軽量化はまだ、考えていない。


湯沢峰に到着、体温計測するけれど、やはり低く保たれている。少し長めの休憩で食事を採る。
ここから、滝見場までは少しホッとする区間。
滝見場から見る石転ビ雪渓。今年は本当にキレイだ。雨が少なく土石流が出ないので雪面が白く輝いている。
出合から上部は安定しているように見える。中ノ島は露出している。これからは黒滝周辺が警戒区域となる。


ここからの、滝見場~五郎清水が案外辛い区間
五郎清水の少し下からノウゴイチゴが結実していて、赤い実を付けていた。
しゃがんで、初夏の恵みを戴く。甘酸っぱい味と爽やかな野性味のある風味が爽やかだ。

クマもこのノウゴイチゴが好きで生後2年の夏、子熊が夢中でイチゴを食べている間に、そっと母熊は、子熊から離れる。
クマのイチゴ別れ。そんな話を聞いたことがある。毎年、梶川尾根でノウゴイチゴを食べると、このイチゴ別れの話を思い出す。
本当か嘘か判らないけれど、こういう話は嫌いではない。

五郎清水で水を汲んで、食事をしていると若い男性が来た。御西、できれば本山まで行くという。
そうすると、ダイグラ下山か?ザックにはアックス(ピッケル)は付けていない。
御西から本山までは、結構あるからね。というと、稜線に出れば早いですから。という・・・・そうか若いということか
多分、まだ、登山道に雪が絡んでいるだろうから、安全に。と思いつつ観ていた。
三本樺に上がる途中で、荷物の小さな、おとっつあんに抜かれる。オイラの背負子を訝しそうに見ていた。


三本樺で竹爺を呼んでみるが応答なし。
そういえば、登山口聞いてなかった。日暮沢から入れば稜線に出るまで無線は効かないか・・・・
ノロノロ歩いて、梶川峰、まぁここまで来れば、あとは辛い場所はない。ノンビリ楽しもう。
梶川峰で少し体温が上がったけれど、それも平熱以下。
梶川峰にくると、偽高山エリアになり樹木は矮小化して小灌木
と笹、そして雪田草原となる。

扇ノ地紙までのんびりと歩いて以前の保全活動施工場所を観る。この辺りでは、雪が溶けたばかりの場所では、春の花が
沢山咲いていた。扇ノ地紙で一休みして、門内までの主稜線を歩く。

門内小屋では小屋番の水沢さんが交代の五十嵐氏を待っていた。
水沢氏と四方山話をしながらの情報交換。
担ぎ上げたビールを冷やして、プシュッ・・・・あ~人心地がついた・・・・

しばらくして、交代の五十嵐氏が上がってきた。
水沢氏と引継ぎをしてしばらくして、水沢氏はお風呂を楽しみに下山していった。


夕焼けを楽しんだりして、星空を眺めて、管理棟で鱈腹アルコールで脳みそを麻痺させて気絶したように眠った。



7月12日(日曜日)
明け方、寒くて目が覚めて毛布を被りなおす。
ご来光を観に行くとき寒暖計を観ると8℃だった。寒いワケだ。

ノンビリした朝の時間は贅沢だ。
新発田高校山岳部OB会の坂上さんが友人と登ってこられた。

ノンビリとした時間に朝ご飯を食べて、お昼も食べてから下山にかかる。
五十嵐氏に礼を述べてこれからの1週間、下山日の台風を心配していた。

下山は丸森尾根を降ることにした。
扇ノ地紙を過ぎるとランチ中の姐さん二人、失礼のない様に通過すると「あれ?」の声・・・
振り返ると、黒崎山の会の姐さん方。聞けば、日帰りで梶川登りで丸森下山とのこと。
一緒に下山することにして、食事中の姐さん方は後片付けがあるので、とりあえず、ユックリ地神山を目指す。

地神山で座り込んでいると姐さん方が追い付いてきた。
少し下り、地神北峰が近づいてくると・・・・あった。イイデリンドウ。ことしも会えた。イイデリンドウちゃん。
副弁がなく、スッキリした花弁が特徴のイイデリンドウ。ここ数年では最もいい感じだった。

地神北峰から丸森峰まで、残雪がありガスられると、迷いやすい場所があるが、すでにすべて登山道が露出していた。
延々と続く下山路・・・暑いな~

夫婦清水は前週は雪渓に覆われていたらしいけれど、今日は露出していた。
天狗平ロッジの屋根が見えてからも、案外時間がかかる。
最後の最後でコケると、政信隊長に笑われる等と姐さん方と話しながら気をつけて下山した。

偶に下山で丸森尾根を通るけれど、なかなか歩かせる。
時間だけで観れば、ボクは梶川尾根の方が早い気がする・・・・・






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