飯豊連峰 門内小屋 小屋番日記(平成25年08月13日〜08月17日)  


盆休の間、門内小屋の管理に入ってきました。

 天狗平を2時半頃スタート 写真は湯沢峰の少し先  滝見場から観た石転ビ沢の土石流跡
   
 マツムシソウが盛り  青い花が目立つとそろそろ夏の終わり・・・かな
   
 ミヤマリンドウ 梶川尾根にはイイデリンドウはない  キンコウカ
   
遅くまで雪の残る場所ではまだ、春の花が咲いている  ヒメサユリもまだ、頑張ってます
   
 地神山の残雪  門内小屋の管理棟
   
 NCC竹内会長  竹爺・・・いや、郁ちゃんの贈り物をデリして頂いたホーリー
   
 トリカブトが咲き始めた  残雪の脇にはまだ、チングルマが咲いている
   

期   間    平成25年08月13日〜同17日
今年はボクの管理期間に入ってようやく青空の望めた7月半ばからずっと同じような気団構造でなかなか場の転換点を迎えられない
感じの強い梅雨後半だった。最低気温は概ね13℃〜16℃。最高気温は概ね22℃〜24℃位だった。

08月13日(火)
コースタイム
00:45 自宅発 コンビニで買い物 予定より少し遅めの出発。
02:15 天狗平着(420M)
02:27 天狗平発
03:09  登山道でヒトが寝ている・・・・同じような事をするヤツが居るもんだと思うが、そうではなかった。(620M)
03:17 楢の木曲がり(720M) 汗はかくものの、樹間から時折ペルテウス座流星軍が望めた。
04:13 湯沢峰着(1,020M) やや荷物の重量があるのでユックリ目。例年、蚊・ブヨに襲われるが今年は大丈夫だった。
05:00 滝見場(1,145M)   石転ビの土石流跡が凄まじい。
05:42 五郎清水(1,370M) 水汲み、食事・・・登山道からの門内の佐久間会長を呼ぶが無線に出ない。
06:22 三本樺(1,540M) 給水。
06:51 梶川峰着(1,700M) 食事・・・登山道脇の笹、不愉快
07:41 扇ノ地紙(1,869M)  
08:04 門内小屋着(1,865M) 管理棟の前で梅皮花の小屋番を終えた小国山岳会の政信くん、環境省の柘植さん、白銀くん、がお茶タイム



08月17日(土)
14:32 門内小屋発(1,865M)  小屋でカレーライスとラーメンの昼食をとってから下山。
14:40  門内清水で給水してから出発
14:55 扇ノ地紙(1,869M)    稜線とオサラバ暑くなりそうだ
15:22  梶川峰着(1,700M)
15:31 三本樺(1,540M)
15:45 五郎清水(1,370M)
16:05 滝見場(1,145M)
16:35 湯沢峰着(1,020M)
17:24 天狗平着(420M)    どこかのおと〜さん車のエンジンかけたままテントの設営、メジロに集られている
18:00  梅皮花荘発        さっと汗を流す
19:25 自宅着          関川村の又作商店で生モツ、白モツを購入。


概要
飯豊・胎内の会で管理を行っている門内、頼母木の避難小屋小屋管理。今年も、お盆休み期間に門内岳避難小屋の管理に入った。



記録

8月13日(火)
0時少し前に起床。暑くて寝苦しく睡眠時間はあまりとれない。
カップ麺を食べて炭水化物と水分・塩分をチャージ。
シャワーを浴びて、車に荷物を積み込み自宅を出る。途中、コンビニで行動食を購入して天狗平を目指す。

2時少し前に梅皮花荘への分岐となる大淵のゲート着。ここで靴以外の身支度を整える。天狗平の駐車場で前泊の方がいらっしゃると
ドアの音がバタバタして煩いだろうから、夜中出発の際にはこうしている。
2時15分天狗平P着、案外駐車車両が少ない。2時27分、ヘッデンを点けて出発。

出だしの急登で息があがるのでユックリ進む。30分程登ると、登山道に人が寝ている。
ボクも寝る事があるので、起こさない様に跨いで通る。

男がムクッと起きて、
♂ 「あの灯りは?」
ワシ「飯豊山荘だけど・・・」
♂ 「下まであと、どれ位時間がかかりますか?」
ワシ「降りだから、20分位だろう」
♂ 「すみません、水を分けて貰えないでしょうか?半日水を飲んでいません」
ワシ「うん、飲みな」と言ってペットボトルの麦茶を渡すとごくごく飲んでいた。
ワシ「ところで、何処へ行くの?」
♂ 「頼母木」
ワシ「いやいや、そりゃ大間違いだ」
♂ 「頼母木に泊まっている仲間に連絡を取りたい」
ワシ「オイラが頼母木に連絡を取れる様になるにはかなり時間がかかる。」
♂ 「仲間が心配していると思うんですよ」
ワシ「だから、明るくなったら下山し天狗平ロッジか飯豊山荘の方に相談した方が良い。5時には下に着けるんじゃないかな?」
こんなやり取りをしながら、様子を観察して、トンチンカンな事を云うのは、ルートの概念を承知していないためのもので
熱中症、脱水による混乱錯乱はなさそうなので、先に進むことにする。

樹間から流れ星が見える。ペルテウス座流星群の極大日だったな。
湯沢峰では例年ブヨや蚊に集られて辛い覚えがあるのだが、今年はさっぱりでてこない。
少しづつ空が紫色に変わっていく。湯沢峰で食事を摂る。
湯沢峰からの降りを降りきってからヘッデンを消す。

五郎清水で食事と給水。
ここまで水は1L消費している。でも、下で300cc程飲ませてあげたので実際は700cc位の消費か。
五郎清水を過ぎたところで、ノウゴイチゴが丁度良いので少々摘まんで食べる。

通称『三本樺』で竹爺と無線交信。
今朝の♂の件を話したら、天狗平ロッジの小関さんがブレイク
先ほど、該当者と接触したとのこと。上の方のレポートはないか?と聞かれたが、門内を度々呼ぶものの、どうもメンチャンOPENではない様で
何とも、情報が取れない。

梶川峰で食事。ここでも門内を呼ぶが応答なし。ここまで来れば仕方ない門内まで行き、頼母木の大野さんに聞く以外ない。
門内に着くと、小国山岳会の渡部政信くん、環境省の柘植さん、白銀くんがお茶タイム。
今朝あった出来事を話すと、頼母木で心配した友人が前日夕方、頼母木小屋の管理人の大野さんと動いたようで
梶川へ降った公算が高いので天狗平方面への下山と見当を付けていたようで、今朝から佐久間さんと大野さんで電話のやり取りをしていたようだ。
どうせなら、無線で呼んでくれれば良かったのに・・・・
小屋番中は無線は起きている間は基本的に2M、メンチャンOPENで待機すべきだと思う。
いずれにしても、小関さんが対応にあたってくれたようだ。

いわゆる、『置いてけぼり山行』・『置き去り山行』である。
今回のパーティーの事ではないけれど、テント山行でも、4人でソロテントを4張り張るのだそうだ。それで、メシも各自・・・・
やっぱり、同じ釜のメシを喰う。ボクはそういうのが好きだけれど、どうやら今時は違う様だ。
それでも、寝食を共にしてこそパーティーシップってのが醸成されると思うのだが、どうだろうか?

先に行ってくれ。私はユックリ行くから。
ボクはダメ。同じパーティーであれば、ユックリに合わせてパーティーはバラしてはいけない。
近年、この『置いてきぼり山行』・『置き去り山行』に起因する事故を聞くようになってきた。
是非、そういう行動様式の方は再考頂きたい。

引き継ぎを行い9時15分頃佐久間さんは、新発田の妻の実家へこれから向かうという男性を伴い丸森経由で下山していった。
昼食後、30分程昼寝をしたらサッパリした。

14時20分頃、昨年新井田君と登ってきて、ボクと梶川峰付近でスライドした女性、その他2名、合計3名の方が梅皮花を目指して通過していった。
新井田君、渋谷修一さんに宜しくとのことだった。

新潟県山岳協会副会長の小林重一さん(イレブン)が仕事で17時少し前、満面の笑みで登場。


※ 携帯電話でメールに関しては、飯豊山荘前、滝見場、五郎清水あたりでDocomoは効く様だが他の通信会社は厳しい様だ。
なお、マタギ会館の近くの電波塔のおかげで、梅皮花荘まで来れば、各社携帯電話、メール、LINEとも安定して使える様だ。
その下になると、再び国道まで不通区間があるようだ・・・・参考までに。


8月14日(水)
4時30分寒くて目が覚める。気温は13℃。良く晴れている。
6時過ぎに新井田君、渋谷さんの知人女性3名P、昨日梅皮花に泊まり、門内まで戻って、管理棟前で朝食。
今日は、丸森下山とのこと。青空が気持ちよい。
イレブンは花を観ながら北股岳。梅皮花小屋で昼食を食べて戻って来るとのことでノンビリ出発。
9時過ぎに頼母木小屋から大野さんがバイオWC用のオガクズを運搬のため小屋を出るとのこと。到着は11時前後か?
水場の点検、冷却用の雪塊の運搬、WC清掃、宿泊棟の清掃と一連の朝の作業をこなす。

大野さん到着。オガクズを運び入れ、屋根の北側の板金が少し捲れているのを巻き込んで補修。
でも、冬の強風ではもたないかもしれない。
大野さんが出発するのと入れ替わりにNCC(新潟クライミングクラブ)の竹内さんが遊びに来られた。

イレブンが戻ってきて、竹内さんと3人で夜はかなりシッカリ目の酒飲み。
飲んでいたら、宿泊者から余ってしまった。というカレーを頂いた・・・・ありがとうございました。
夜はイレブンと飲みながら楽しく四方山話。結局、竹内さんが持ち上げたウイスキーは消化された・・・


8月15日(木)
4時30分起床
昨晩は、やや飲み過ぎ。
6時過ぎにイレブンは丸森経由で下山して行った。
8時頃、丸森経由で竹内さんも下山していった。2日続けてワイワイしていたので、急に静かになった感じがする。
天気は良いけれど、風が少し強いかな。
どういうワケだか判らないけれど、今日は小屋の前を通る人も疎らで今晩の宿泊者が少ない事を予感させる。
水場の点検、冷却用の雪塊の運搬、WCの清掃、宿泊棟の清掃を行い終えかけたら、所属会の後輩のSatomiちゃんが
ヒョッコリ現れた。

Satomiは飯豊の雨女。何せ、無雪期初めて晴れた飯豊に登ったというかなりの雨女。
ボクも彼女と一緒で晴れたのは今年の石転ビ〜門内沢のただ1度のみ・・・・

予想通り、今日は宿泊者もビールもロクに売れない。
Satomiが麻婆茄子を御馳走してくれた。
多分、明日は引き継ぎの高桑さんも上がって来るだろう。
それにしても、Satomiちゃんって、こんな酒強かったかねぇ???



8月16日(金)
ウッカリ二度寝して朝寝坊。
VXT、佐久間会長らと8時の交信。何だか下は暑そうだ。
Satomiノンビリ朝飯を食べて、暑いから手っ取り早く梶川下山と言って9時半前に下山していった。

10時24分県警ヘリ、多分、こしかぜ(去年乗せて頂きました・・・・)と思う。
県境沿いを飛んで行く。門内上空から、北股岳上空まで1分もかからない。
やがて、北股岳、梅皮花岳の新潟県側を飛行しガスの中に消えていった。

午後になるとガスが湧いてきた。気温は20℃寒気が入っているのだろう。
毎日、ブンブン羽音の大きいマルハナバチが今日は姿を見せない。雨が来るのかもしれない。

梅皮花小屋に管理入っている、竹爺と無線交信
なんだか、連日のように石転ビを登りきれなくてビバーク騒ぎがあるようで、大変そうである。

16時頃、ボクと引き継ぎの高桑さんが頼母木から来られた。
今日は良くビールが売れる日だ。こういう日にありがちなのが、チェックした本数と売上金が合わないことが
まま、起きる。ほとんどは現金が正解なはずで、そのことがほとんどである。
お客さまが立て続けに来ると、現金と商品の受け渡しはチャンと行うものの、本数のチェック漏れがどうしても起こる。
一番困るのが銭が合わなくて銭合わせしている最中にお客さまが来る時だ。
同じと云えば同じなのだが、一度整理を付けたい気持ちがあるので電卓をタタキ続けるので、客にイラッとさせたかもしれない。
とにかく、この作業は細かく銭を合わせる以外方法がないようだ。
レジ機でもあればいいのに・・・・

高桑さんと飲みながら四方山話。
話題は、置いてきぼり山行、ソロテントの普及に思う事などなど・・・・・

寝る前に、秋ちゃんにくれぐれも事故、ケガの無い様にとメールして就寝。



8月17日(土)
5時半起床。起きてから少しぐだぐだ・・・・
さっさと何時もの作業をこなす。
何だか無線が静かだと思ったら、電池が切れていた。
電池を入れ替え、VXTを呼んだけれどもう出ない・・・・まっいいか

新井田君からメールで五郎清水に10時頃に居る様である。
12時頃かと思うが、これまでのペースでは13時を過ぎると考えた方がよさそうである。
彼は、あまり山慣れしていない友人を誘っての山行の様だ。

13時位だったか?
新井田君到着。
当会分の食料、アルコールの保管場所を引き継いでカレーとラーメンで塩分水分を決めてから下山することに。
下山を明日にしようか?と思ったけれど洗濯物等を片づけてしまいたいので下山することに。

下は暑そうなので、17時から18時に着けばいいな・・・と思い、14時を過ぎてからノソノソと下山準備。
湯沢峰で、道刈り作業の小玉川のおとーさん達と少し立ち話。

暑い中ふうふう言いながらの下山。楢の木曲がりで長袖のシャツを着て、虫除けスプレーを浴びて
駐車場で待っていてくれているハズのメジロアブに備える・・・・
ところが、駐車場に着くとエンジンを掛けっ放しでテント設営のおとーさんがいて。
アブを集めている。おかげさまでアブに集られることもなく梅皮花荘に移動できた。

梅皮花荘で下山のメールを出して風呂に入り汗を流し関川村の又作商店で生モツと白モツを購入して帰宅した。



ボクから引き継いだ高桑さんが半月の管理を終えると、短い常駐管理期間を終えて飯豊の稜線はすぐに草紅葉につつまれ10月には雪を観る。




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