ウジノ沢遡行 飯豊連峰前衛 焼峰山(1,085.8m)  個人山行

 全体のLOG  苦労したツメ・・・藪尾根を登ったハズなんだけど30m位のズレ?
   
 なんだろう?  どうしてなんだろう?
   
 F1・・・朝一、寒くて濡れたくなーい  さて、どう行きますか?
   
 前半の核心を抜けて陽の光が見えてきた  中盤の核心部の入口のCSを抜けた上の滑るナメ
   
 青空に秋を感じます  藪漕ぎの入り口・・・・になっちゃった
   




日 時  平成24年10月08日(月)
参加者 DAEさん、鍋鉄(渡部)くん、新井田くん、LTQ(ボク)
行き先  飯豊連峰前衛 焼峰山 (1,085.8m)の山頂の肩に抜ける予定
天 候  快晴
装 備  沢登り 低山日帰
登はん用具:ロープ8.0o×40m・ショートバイル、ピトン、スリング類、カラビナ、ヌンチャク、捨て縄:アブミ(DAEさん)
ナビ用品:地図・シルバコンパス・GPS
防寒具:合羽・フリース
飲み物:水0.5L
食料品:握り飯5個 調理パン アンパン 菓子類
残 量:菓子類。
その他 なし

コースタイム 事柄 備考

06:00分 集合場所               新井田車を滝谷集落の下山場所にデポし、渡部車で入渓ポイント近くまで移動
07:02分 入渓場所近くの県道発(210M) 

07:15分 入渓(200M)            水量は少ない
10:20分 鶯平からの枝沢と合流(400M) 
10:55分 CS(中盤の核心部 480M)   
14:10分 10Mのナメを右岸側へ(750M)  一度左岸に廻ったが悪そうなので右岸へ・・・・これが誤り
15:40分 藪尾根を目指す(880M)
16:20分 藪尾根の上に出た(940M)    新井田君はそんなに離れていないが他の二人とは相当に距離が空いている。
17:00分 登山道に出た(1,030M)      ここで待機する。 全員で日没後に藪の中に居るのは避けたかったので、かなり一生懸命藪漕ぎをした。

17:28分 待機場所                上條副会長に下山遅れ見通しのメール発信   ここを待機場所1
17:45分 ヘッデン点灯            コール、笛に時折、返事があるがまだ遠い。
18:00分 渡部君のコール          登山道の位置が判らないので下って欲しい???暫く待つが再コールがないので、やや下る。       
18:15分 登山道965Mの鞍部        ここで待機する。待機場所2とする
18:30分 2人のヘッデン視認        真直ぐこちらに向かおうとしている。位置、地形を誤認していると思われたが、途中で藪尾根に登り返す
19:00分 待機場所1に戻る          二人が登り返し始めたので、新井田君と待機場所1へ登り返す
19:30分 待機場所1で二人と合流     上條副会長に合流のメールを入れ、新井田君とボクは車の回収のために先に降りる。
20:06分 鶯平(595M)
20:40分 駐車場所(260M)          会のメンバー5名が心配して軽食とお茶を用意して待っていてくれた。
21:20分 二人が駐車場所着
21:45分 集合場所で解散

概要
ボクの所属会において、飯豊の主要な沢遡行の実績があるDAEさんが、渡部君、新井田君を焼峰の沢に誘った。
ボクもご相伴にあずかり同行させて頂いた。

焼峰山には、遡行対象となる沢は、南面に「袖ノ沢」・「ウジノ沢」と西面の「伊蔵沢」がある。この3本が一応、焼峰山の主要な3本と言えるようだ。
技術的難易度、厳しさでは「袖ノ沢」だろうが、滝登りの楽しさという側面では、「ウジノ沢」に分がある様に思う。「伊蔵沢」はこの南面の2本の沢よりは
登り易い気がする。ただ、西面で遅い時期は寒いだろうし雪も標高の割には遅くまで残りそうだ。

何かイイことづくめの様な「ウジノ沢」だけど、入渓に難がある・・・・
難とは、「ウジノ沢」と加治川(飯豊川)の出合付近にダムの堰堤があることである・・・どうやって入渓するのか?

それは、遡行者において各自考えるべきものと書いておく・・・・

記録
集合時間の5分ほど前に集合場所に行くと、鍋鉄君が一番乗り。次にボクが到着で、DAEさん、新井田君の順に到着。
通常なら、新井田君が一番乗りで、鍋鉄君、ボク、DAEさんの順だろうが、少し今日は違う・・・・
下山口となる滝谷集落に新井田車をデポ、入渓場所まで鍋鉄車としたが、DAEさんが、フェルトを忘れたという。
DAEさんの足元は地下足袋に地下足袋の底と同じ形状のフェルト底を紐で固定するもので、かなり前から使用していた。
鍋鉄君の車で、一度DAEさんの自宅に戻り、滝谷集落の焼峰山登山口にデポする新井田車に新井田君、LTQが乗りデポ地で待つ。
忘れ物なんて、DAEさん、珍しい・・・・

到着順、忘れ物と、どうもいつもと違うことが・・・・

そんなこんなしながら、入渓地点にたどり着く。
天気は快晴で放射冷却・・・・多分、この秋、一番冷えたかもしれない。
南面とはいえ、深く切れ込んだ沢床にはナカナカ陽の光は届かない。寒いんだよねぇ・・・

水量の少ない沢に入りジャブジャブ歩くと、直ぐにF1の釜を持つ5M
簡単そうに見えるけれど、ヌルヌルする岩でどうも油断ならない。水深が1.5M以上あるので落ちてもケガの心配は少ないものの
朝一で、陽の当たらない所で落ちたくないなぁ・・・・「ドッボーン!」・・・全員気前よく沐浴・・・・ひゃっか〜い!
これで、ど〜でもよくなる。

F1から3つほど少し難しい滝が続くが濡れて寒く、シャワー突入は躊躇われ12Mは右岸を巻くことに・・・・少し暖かくなったワイ。
陽が当たる場所で食事を摂る。
その後も小滝が続いて飽きることがない。そしてその多くが水深がソコソコある釜を持ち落下の恐怖を和らげる。
その代償は取り付くまでに微妙なヘツリか中央突破の泳ぎのいずれか・・・・・

11時少し前に中盤のヤマ場のCSだから、まぁまぁのペース14時〜15時位には抜けるかな?
などと、安易に考えていた。
CSは右壁に残置ピトンが2本あり、アブミ2つで立ち上がり少し微妙なバランスでホールドを掴んで、大き目だけどやや外傾したスタンスに立ち上がり
ヤレヤレ・・・・お助けヒモを垂らして後続を迎える。
続く、5M、4MはDAEさんリードで登る。1段目はガバが続きイージー。傾斜が緩んだ2段目がツルツルでホールド、スタンス共に乏しい。おまけに
ヌメるのでなかなか厳しい。DAEさんがピトンを打ち足し突っ込むが滑り落ちた。
鍋鉄君が、ガッチリ確保。それでも、3M位滑り落ちた。
どうするか?と思っていたら、DAEさん、続行・・・・気持強いなぁ〜と感心。

左岸からの枝沢をやり過ごした後の7m前後の2段にDAEさんがリード
この2段、少し悪くDAEさん、右岸側の藪に入った。随分時間が経過したのになかなかロープが降りてこないし・・・
どうしたものか?それに少し水流がラインが屈曲しているのでロープも流れないか?と思いボクがフリーで1段目を登りロープを流すよ〜
と、言って登る。面倒になって2段目も登るが、最後の1mが悪くて逡巡する・・・・エイッ!のリスクは高いなぁ・・・・
丁度DAEさんが藪から降りてきたので、ロープを貰う。

この藪漕ぎでDAEさんは、右腕(場所不明・・・本人パンプという)を痛めた様だ。
右手が利かないので確保してやってくれ、という。

この程度の藪漕ぎで腕がパンプしたりして、どうもオカシイ?
そう思っていたら、地下足袋に紐で縛りつけるフェルト底が不調でずれるらしい。
それで、踏ん張りが効かないため、腕に過負担をかけた様だった。新井田君から細引きを受け取り修理した様だったが、上手くいかなかった様だ。

その後の10M程のナメを巻いた時、随分遅れたのでオカシイと思った。
DAEさんほどの力量の方がそうそう、いつまでもパンプしたままというのもオカシナ話と思っていた。

ボクは乾いたスラブ登りを先行してフリーで行くが、セカンド以降はフリクションノット、アッセンダーで登ってくるが、DAEさんは確保して欲しいという。
この時にこりゃ、腕のダメージは深刻だなと感じた。

直登が?な感じの所で、一度左岸側に巻きを求めるがイマイチそうなので一度降りて右岸に進む・・・・これで本流から外れてしまった。
岩のヘリを左左へ追いやられる。
岩の端まで来たところで、相談・・・岩のリッジを乗越して沢に戻るか?更に左の急な草付をツメ上がるか?
DAEさんから、右に行くと高低差が大きくなるから、左に進もうと指示。
急な草付を暫く登ると、花崗岩が真砂化したボロボロの壁
小灌木を捜しながら、ジリジリと登りようやく傾斜が緩んだ。傾斜が緩んだ所でキョロキョロすると、帯の様に細い岩のスラブがある。
脇の藪と岩のホールドを頼りにツメ上がる。前方に藪が出てきた。

GPSで現在位置と前方の概念をアタマたたき込む。
とにかく、先ず藪尾根の稜頂まで忍の一字で進むこと。モタモタしていると日没に捕まる。
ヘッデンの藪漕ぎは厳しい。
四名全員が暗闇の藪漕ぎは避けたい。
絶対に日没前に登山道に出る。と強く思い後ろに居るであろう、新井田君に声を掛けながら休まず藪を漕ぎ続ける。
コールすると、新井田君は比較的近くでコールを返してくるが、DAEさん、鍋鉄君のコールは聞こえない。かなり下なのだろう。
目の前のピークの先は登山道のハズ。そう思い飛びつくとただの藪。

何をどう間違ったのか?
視界が樹木で利かない・・・・足元を見ると、コンクリートの標識がある・・・旧登山道の借り受け標識ならと思い
少し東に移動すると僅かな所で登山道が見えた。
17時丁度だった。日没は回避できた。
ヤレヤレ、スパッツを外し、靴を下山用のトレランシューズに履き替え、菓子パン、握り飯、水を口に流し込む。
新井田君をコールすると案外近くに聞こえるのでそのまま待つこと数分で新井田君が登山道に出てきた。

急激に身体が冷えてきたので、合羽を着こみ佐久間会長に電話するが出ないので、上條副会長に下山遅れのメールを送る。
笛を吹いたり、コールしたりして位置を知らせるがなかなかコールが返ってこない。

18時前にヘッデンを着ける・・・藪の中でヘッデン点けないで良かったと思う反面、2人の行動が気になる。
新井田君と代わる代わるコールする。
何だか、登山道の位置が判らないので登山道を下って欲しい。と聞こえる・・・・
修蔵ノ峰の少し上まで下り東を観ると、二人のヘッデンが視認できた。
ここを待機場所2と自分の中で認識した。
ところが、ボク達のいる方向に向かおうとしている様だ。ザッと見て200m以上はあるし、皺の様な尾根がありまた、スラブ帯をトラバースする可能性
もある。

19時頃には、今年一番の星空が望めた。
天空には天の川、流れ星は強く輝いていた。

これは、彼らは現在位置、登山道位置を誤認していると思い。登り返せとコールするが聞こえない様だったがヘッデンが見えなくなったので登り返し
たのだろうと待機場所1に戻る。

待機場所1に戻りコールすると「無事だー」と聞こえる。
上の樹木目がけてヘッデンの点滅モードで樹を照らす。多分みえるんじゃないか?そんな思い。
暫く待つと、鍋鉄くん、DAEさんの順で藪から現れる。

上條副会長に19:30全員登山道に出た旨メールする。
鍋鉄車が入渓地点にあるので回収の為に新井田君とボクは先に下山する。

休憩なしで下山、車道に出たところで新井田君と握手。
20:40に駐車場所まで戻ると、所属会の高橋顧問、藤井顧問、佐久間会長、石井副会長、小野会員の5名が越後三山の縦走、迎えの帰りに
軽食とお茶を持って待っていてくれた・・・・感謝です。

会長の車で鍋鉄車の回収に向かって頂けるとのことで、駐車場でゆっくりと着替える。
21:20にDAE、鍋鉄くん下山。上條副会長に電話し謝意を伝える。

5名の先輩会員に御礼を申し上げ集合場所へ向かい、解散。
帰宅すると22時を廻っていた。

※ 10月10日現在、DAEさんには電話していなないが、ボクは多分、右腕はパンプではなくどこか受傷していると想像している。
   DAEさんの経歴からしてもあの程度の藪でパンプしそれが、5時間も6時間も続くことはないと思う。
   DAEさんにも色々と思うところがあると察するが、足回りが原因でキッカケだったと思う。
   まだまだ、DAEさんには教えを頂くことが多い。早く癒して頂き若くない後輩の指導にあたって戴きたいと思っています。



新井田君から貰った写真

   
   
   


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