飯豊連峰前衛 枯松峰(1,184m)

エブリのイリ平尾根予定が頼母木のノーマルルートに変更
更に枯松峰でテント泊、悪天で敗退・・・・悲惨な夜
 4月7日西俣ノ峰末端取付き(hodakaさんNAC) ただでさえ登り難い細根、スキーの背負いは辛い(西口さんNAC)
   
細尾根はズタズタ、上に新雪が積もり歩き難い(akiちゃんNAC)  大曲
   
 西俣ノ峰直下の急登へ向かう(hodakaさん、西口さん=NAC)  林道の核心部・・・通過できる状況ではないだろう
   
 風が造る地形図にない地形  NACのデポ品はギリギリセーフの高さ
   
 悲惨な夜・・・でも酒があれば・・・  あ~眠い!さて、サッサと下山しましょ
   
氷化した斜面の下りは怖いから、アイゼン付けましょ  樹林帯とのコンタクトラインの雪はズタズタ・ヒドンクレバス多数
   
 日帰りのひらっぺ&NACの新入会員さん  さ~かえるぞ~眠いぞ~・十文字池から下る
   


日 時   平成24年4月7日(土)~8日(日)  
参加者  hodakaさん、西口さん、akiちゃん(NAC)・LTQ(KAC)
行き先  飯豊連峰 朳差岳(イリ平尾根)
天 候   4月7日(土)~8日(日)
装 備   春山低山・テント泊
登はん用具:クランポン・アックス
雪山装備:Wストック・ワカン
ナビ用品:GPS、Mポインター、地図、シルバコンパス
防寒具:冬ジャケット・スノーパンツ


コースタイム 事柄 備考
7日(土)
07:50 梅花皮荘発            (295m)
08:24 末端尾根取付           (320m) 取付でワカン装着
10:00 大曲                 (522m)雪の残り方が悪く歩き難い
10:45 十文字池             (710m)
12:40 西俣ノ峰             (1,023.2m) 非常に時間がかかる。
15:07 枯松峰              (1,184m) ど~してこの時期にこんなに時間がかかるかなぁ~
15:17 NACのデポ品残置場所     辛うじて雪面から露出していた。
15:25 テン場決定

8日(日)
08:00 テン場発            
09:20 西俣ノ峰             (1,023.2m)日帰りのヒラッペとスライド、暫し談笑
10:03 十文字池             (710m)
11:08 大曲                 (522m)
12:15 梅花皮荘着            (295m)

各時間は到着時間、その後休憩食事を取っている場合がある。

概略
冬期~残雪期に西俣ノ尾根を登り、西俣ノ峰から先に進むと暫く、朳差岳の東面に大きく「くノ字」を描いている明瞭な尾根がある。
下方のデト平尾根、上流側のイリ平尾根の2本である。とても魅力的な尾根である。
平成19年3月にイリ平尾根を会山行で計画したが、数日前の降雪でルート変更して頼母木山としてことがあり、そのままこのイリ平尾根は引っかかっている尾根の一つとして残っている。
今年3月谷川岳東尾根をakiちゃんと登る事にしていたもののこの冬の天候が安定することなく、また経験豊かなパーティーが東尾根で難渋しただの、側壁から抜けたパーティーも厳しい時間を過ごしたなど、危ない話が多く登山の是非を逡巡しているうちに、群馬県条例の登山禁止措置期間に入った。
それはある程度、想像がついていたため、同時期に入れる代案として検討していた。

丁度、新潟山岳会のhodakaさんが正月合宿のデポ品回収に向かうことをお聞きしたので、イリ平経由で稜線を廻ってデポ品回収では?と提案。

押すに引っ張るで、行きましょうとなった。


記録
4月7日(土)

朝、目覚めると雪が降っている。しかも少し積もっている。行先を考えると嫌な予感がする。
集合場所に向かう道中、国道から離れ暫く進むと除雪車が走っていた・・・なんてこったい。
集合場所は雪が降っていて、積雪もある。この時点で、目的のルートに入ることは厳しいことが予想された。
少し集合が遅れたり何やらカンらで、気分が乗らないので、モタモタしてしまった。
スタート前にこの雪なので、東俣川へ下るのは危ないので、イリ平はナシでノーマルルートでと衆議一致。

とぼとぼ歩きだして、奥川入荘の横山宅に挨拶して先に進む。
取付きからワカンを付けてのラッセル。
西俣ノ尾根の取付きである枝尾根は、末端から取り付くのが良いだろう。と、いうのは途中の斜面は、多雪による自重から滑り割れが顕著である。

枝尾根自体も雪の状態が悪く、スキーを持参の西口さんは修行の様な様相。
大曲から先も、僅かによいものの、大差ない。
十文字池からは、スキーが活躍する・・・ハズが重い雪が膝上まである。スキーでのラッセルも楽ではなかった。

ようやく、西俣ノ峰、スタート時間が予定より約1時間遅れとはいえ、40分以上余計もの。ホント時間がかかった。
西俣ノ峰から
先に進むと、強風に曝される場所は、氷化した斜面となり、風の弱い所は湿雪腰ラッセルと泣きたくなる状況。

時折姿が見えるイリ平、デト平の下部を俯瞰しながら、ゴマメの歯ぎしり。
HZUが(仮称)大雪原としている枯松峰下。無雪期は低木の藪で特段斜面変化の大きい所ではない。
しかし、例年数メートルの風が造る雪堤(巨大風紋)ができる。ところが、この度は10mに及ぶ様な規模。しかも厳しい所は垂壁。
視界のある時は良いけれど、ホワイトアウト時はかなり混乱するハズだ。

我々は毎年の事なのである程度想像できるが、知らない方は地形図にないこの急斜面に混乱するハズで地形図を細かく読む方ほど混乱するはずである。
この激しい斜面変化をかわすのにルート取りを考える。
苦労して雪壁を攀じると今度は急斜面の下り。時間がかかる。
ようやく、枯松峰だ。新潟山岳会の正月のデポ品は辛うじて露出していたので直ぐに回収できた。

余りに風が強いのでテン場を検討する。先に進むとデポ品があるので下がることに。
少し風の弱い斜面に半雪洞を掘ってテントを設営することとしたが、これが裏目。

風向きとの相性が悪くテント廻りに雪が溜まる。

それでも、まあテントに入れば一安心、人心地がつく・・・後々の悲劇にはまだ気がつかない、ボク達。

雪を溶かして水造しながら乾杯。程なく、hodakaさんが雪で押され始め、続いてakiちゃんが押され始める。
ボクの場所は風が当らず快適・・・この頃までは・・・

何時もどおりの酒が進んでくる頃から、何だかマメに除雪が必要なんじゃないの?てな、塩梅。
だんだん、雪の圧力が強くなり、順番に除雪に出る。

結局のところ、30分毎に除雪にでるハメに・・・・一晩中。
akiちゃんは初体験の寝ずの除雪。

0時頃まではチビチビ飲んでトロトロして作業して眼が覚める。そんな状態だったが0時を廻ると、明日は即下山で衆議一致。
酒も進まず、ウトウトしては、除雪に出る・・・エンドレス


8日(日)
もう、早々に降りようと話して。朝食を採って撤収。
テントの前がカリカリに凍っているので、ボクとakiちゃんはアイゼンを着用した。西口さんはスキー、hodakaさんはツボ足。
akiちゃんは登りは上手いが下りでは尻モチをつくことがある。
下りで尻モチをつき易いというのは、氷化斜面、冬期岩稜の下りはまだ、要注意とボクはみている。でも、登りはホント上手くなっている。
所々で、ヒドンクレバスにハマリながら下山を続ける。
しかし、氷化斜面では、クランポンが心強い。

西俣ノ峰が近づくと西俣ノ峰に上る最後の斜面を登る人影がある。日帰りのヒラッペか?口笛を吹く。

暫くすると単独のスキーヤーと知る。BIG PEACH氏ではなかったか・・・
ヒラッペと新潟山岳会の新入会員氏は暫く遅れて到着。暫し談笑。
ヒラッペたちは上へ、ショボクレタボク達は失意の下山。

西俣ノ峰でクランポンからワカンに履きかえる。大曲でツボ足に代えて下山を続ける。
ここは、正直なところロープがあった方が良かった。出発前にイリ平を諦めたのでロープを車に置いてきたのは失敗だった。

下りは途中から斜面の亀裂を避けて斜面を下ったが、あまり良くなかった。
保守的には末端から登った方が楽かもしれない。

奥川入荘に挨拶して数分先の駐車場所に向かった。







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