9月会山行 北ア槍〜穂縦走

17日 新穂高〜槍平小屋
18日 槍平小屋〜槍ヶ岳(3,180m)〜大喰岳(3,101m)〜中岳(3,084m)〜南岳(3,032.7m)〜北穂高岳(3,106m)
19日 北穂高小屋〜涸沢岳(3,103.1m)〜穂高岳山荘〜奥穂高岳(3,190m)〜穂高岳山荘〜白出出合〜新穂高


 一般道だけど・・・まぁ、ぐるっと廻ってきました  白出沢の橋
   
 滝谷出合  今日の宿 槍平小屋
   
 槍ヶ岳山荘と穂先  槍ヶ岳山頂
   
 以前は凄く興味があった北鎌尾根・・今は興味なしデス。何故だろう?  長谷川ピークへの登り
   
 長谷川ピークからの下り 飛騨泣から信州側へ廻りんで振り返る
   
 夕暮れの滝谷  ご来光
   
 朝日の当る奥穂がガスが流れる。  涸沢岳から下るとガス中から穂高岳山荘が現れた
   
 ジャンダルム  前穂
   
 白出沢を振り返る  白出沢の徒渉地点へ下る
   



会山行 
日  時  平成23年09月17日(土)〜19日(月:祝)
参加者   CL金井君、QLO(佐久間会長)、OII(田邊さん)、二瓶さん、名ばかりSLのLTQ(ボク)
       他、個人山行で別ルートのVXT(川崎さん)
行き先   北アルプス 槍ヶ岳〜奥穂
天 候   17日(土)曇り後時々雨 

       18日(日)曇り後晴れ
       19日(月)晴れ後曇り 下山後雨
目 的   岩稜縦走登山 
装 備   小屋泊まり秋山装備
登攀具  ロープ・カラビナ・スリング・安全ベルト
ナビ用品:GPS・地図・シルバコンパス・マップポインター
防寒具: フリース・ダウン(薄手)
宿 泊   営業小屋泊まり(槍平小屋・北穂高小屋)


コースタイム        事 柄

9月17日(土)
新発田発       04:04 
米山SA        05:20         休憩
有磯海SA       07:00         県境から雨 山行の是非を30分ほど協議。取りあえず新穂高へ。
富山IC         07:50         協議時間を除くと、当市から富山ICまで概ね3:30分程。
新穂高着        09:14         曇り空
新穂高発       09:56 (1,100.0m)  
穂高平小屋      10:45 (1,340.0m)  一本
白出沢出合      11:35 (1,540.0m)
チビ谷出合       12:36 (1,665.0m)  雨・合羽着用
滝谷出合       13:36 (1,760.0m)
槍平小屋着      14:10 (2.000.0m)
夕食                      17:30〜
就寝          18:30〜


9月18日(日)
起床          04:00 
槍平小屋発      05:03 (2,000.0m)
千丈分岐       06:55 (2,549.0m) ようやく森林限界。ほぼ低灌木のみ。(飯豊では北部西面では1,400m〜1,500m・南部稜線では1,800m位)
飛騨乗越       08:18 (3,010.0m) いきなり槍ヶ岳が姿を現す。朝食。
槍ヶ岳山荘着     08:35 (3,075.0m) 多くの登山者が行き交う。
槍ヶ岳山頂       09:00 (3,180.0m) 手垢に塗れた感はあるものの、やはり360°の絶景。
槍ヶ岳山荘戻る   09:22 (3,075.0m) 山荘前で朝食。
槍ヶ岳山荘発     09:54 ( 同 上 ) とりあえず、南岳を目指す。
大喰岳         10:20 (3,101.0m) 
中岳           10:53 (3,084.0m)
南岳          12:00 (3,032.7m) 
南岳小屋着      12:13 (2,970.0m) 食事・天気予報入手 明日も半日程度天気は持ちそう。とのこと北穂まで進むことを決定。結局、計画通り。
南岳小屋発      12:35 (  同   上 )
長谷川P        13:53 (2,841.0m) 南岳獅子岩下の梯子で後続から落石。我々パーティーにケガなし。
北穂岳小屋着    15:24 (3,020.0m) 予定より、やや速く到着。交差・渋滞による、時間ロスなし。
夕食          17:30         夕食まで、テラスで一杯飲って疲れを癒す。遠くは富士山も見える。夕食は生姜焼きメインでとても美味しい。
北穂高岳            (3,106.0m)  夕日の滝谷・涸沢圏谷を眺める。
就寝          21:00 (      ) 


9月19日(月)
起床          04:00
北穂岳小屋発    04:58 (3,020.0m) ヘッデンを付けて小屋を出る。
南稜分岐の先    05:30 (3,100.0m) ご来光 写真を撮る
最低按部       06:17 (2,940.0m) 最低按部
涸沢岳         07:03 (3,110.0m) 
穂高岳山荘      07:19 (2,980.0m) 荷物を置いて、空身で奥穂へ
奥穂高岳山頂着   08:03 (3,190.0m) 奥穂高岳。山頂 西風が寒いものの素晴らしい天候に恵まれた。
奥穂高岳山頂発   08:22 (3,190.0m) いつまでも眺めていたいと思う風景。どこまでも歩いて行けそうだと勘違いしそう。
穂高岳山荘着     08:48 (2,980.0m) 休憩・食事
穂高岳山荘発     09:00 (  同   上 ) 白出沢を下る
荷継沢出合      10:29 (2,200.0m) ようやく、ガレ場の沢から離れ右岸のヘツリ道へ
右俣林道        12:05 (1,530.0m) さて、これからは歩き易い林道歩き
新穂高着       13:14 (1,110.0m) ようやく着きました。空からは小雨が当り出した。入浴・食事をとり、新発田へ向かう
新発田着       19:24         予定より早めの着芝。集合場所で各自荷物を分け解散



概略
例年、秋の頃は会山行で名山探訪的な計画が一本組まれている。
もっとも、ワシは何を以て名山と為すか?は大いに疑問であり、個人的には100名山とは何ぞや?
と思う、へそ曲がりタイプですな。
へそ曲がりのため、あまり名山と云われるヤマには、興味もなく、まして、連休でギュウギュウの山小屋はストレスでしかなく
ヤマのユッタリした時間を楽しめないので、ボクは食指は動かなかった。しかし、今年7月の終わりに北アで山の友人が亡くなった。
今回の行先にも現地が含まれていたので何かの巡り合わせだろう。そんな気がして、参加させて頂いた。

記録

9月17日(土)
17日早朝、VXTに迎えてもらい、集合場所へ。ボク達が最後の到着で、OIIさんの車のお世話になり、登山口となる新穂高を目指す。
天気予報は日に日に悪くなる予報。さて、どんな山行になるのか?

県央地区まで来ると、空が明るくなり曇り空。しかし、進行方向の南には黒い雲。米山SAで休憩。上越を越えると、いよいよ空の様子が
怪しい。糸魚川を通過するあたりから、パラパラと雨が落ち出す。県境を越えるとマトモナ雨。本降りだ。
有磯海SAで朝食&協議。
景色を楽しむ山行・山域なので雨では足元の石か岩しか見えないので進む価値なし。
この雨なら、五箇山あたりに観光か?
いや、お家に帰ろうか?等の意見がでるものの、下見?も兼ねて取りあえず新穂高まで行くことにする。

個人山行で北ヤツ〜赤岳までの縦走に出ている、DAEさんと電話で話すと、諏訪あたりにいるとのこと。
諏訪方面のお天気は、さほど悪くない様子だけど、こっち(会山行P)は中止だけど、とりあえず、新穂高まで行くことにする旨伝えた。
雨の中、富山ICで高速をおりて、新穂高に向かう。雨は徐々に弱まり新穂高に着く頃には雨も上がり道路も乾いている。
さて、どうしたものか?QLOさんから焼岳の代替案も出るものの、VXTの取りあえず槍平小屋で考えよう。という結論先送りの方針に纏まる。

身支度を整え、中崎尾根を挟んだ右俣谷に付けられた右俣林道を進む。
途中、穂高平小屋で一本入れてドンドン進む。
白出沢からの登山道との分岐で、本来ならここに降りてくる予定なのだが・・・・僅かに進むと白出沢の出合に掛けられた橋を渡る。
小一時間進んでチビ谷。雨足がやや強くなり合羽を着る。滝谷の出合で指導標に従いかなり上流側に廻り込んで徒渉。
今日の様に水量が少ない時は、さほど巻かなくても問題はなさそう。もっとも漏斗状の地形から増水すると早いだろうから注意が要るだろう。
この様な地形は増水も早いものの、雨が上がると減水も早いので無茶しないのが一番。

滝谷の出合から小一時間で槍平小屋着。60歳以上の方は宿泊代500円引きの受付を済ませる。(免許証等の証明が必要で今回6名中4名該当)
受付前のテーブルで先ずは乾杯。夕食は17:30なので飲みながらユックリと過ごす。

夕食はご飯党のボクには嬉しいお代わり自由。おかずも満足でお茶碗で4杯食べる賤しさまるだし。
満腹で早々に休む。夜中に暑くて何度となく目覚めるが我慢して寝ているがそれにしても暑い。



9月18日(日)
ウトウトしながら4時起床で動き出す。
ボクはパンで簡単に朝食を摂って準備する。お弁当は今日の行動食の一部にする。
まだ、暗い5時3分にヘッデンを点けて歩きだす。雲間から月も見えて好天への期待が高まる。暫くは飛騨沢に沿って樹林帯を進む。
直ぐにヘッデンは要らなくなる。沢沿いなので、高度はあまり上がらない。

2,549mで千丈乗越。ここで個人山行のVXTは別行動で帰りの車まで、暫しのお別れ。VXTは西鎌尾根から双六方面に向かう。
振り返れば笠ヶ岳方面に陽が当っている。北向きの沢沿いのこの場所はまだまだ日陰のまま。
我々は飛騨乗越へ。飛騨乗越に上がると、陽の光とシンボリックな槍の穂先が眼に飛び込んでくる。

槍ヶ岳山荘に荷物をデポして穂先に上がる。
穂先に向かう途中下山路から下を眺め、OBAKE隊長の滑落場所と思われる場所を観る。何で?
そんな疑問を持ちながら、山頂へ。

山頂で東西南北眺める。上天気に感謝。後続の方にシャッターを押してもらい下山。
下山でもOBAKE隊長の滑落場所で考える。どうして?こんな所で・・・?
そっと、手を併せてみるが、やはり、どうして?という気持ちが湧き出て、安らかに・・・・そう云う気持ちが素直にでてこない。
複雑な気持ちのまま、穂先から下りもう一度見上げた。

槍ヶ岳山荘前で食事を摂って南岳を目指す。一応、今日の午前中の好天は間違いない様だが今日の午後、明日の天気は判らない。
計画通りに行くか、南岳で下るかは、南岳小屋で天気情報を入手して検討して結論を出したいと考えていた。

槍ヶ岳から僅かで大喰岳、中岳。中岳で新穂高〜槍ヶ岳〜南岳新道〜新穂高の日帰り周回の若い男性がパスしていった。
南岳から僅かに下り南岳小屋。天候の情報を入手。今日の午後、明日も晴れ〜雨という予報なので、このまま予定通りキレット越えで北穂に向かう。

南岳獅子岩の下り。梯子場で後続から落石。ボクの足元に落ちてから転がって梯子を下っている、二瓶さんのザックにHit
幸い怪我もなくホッとしたが、一般登山とはいえ、梯子・鎖のあるところでは人為的な落石は人が多ければ可能性も高くなるので
ヘルメットの着用も検討に値するのかもしれない。
ヘルメットは着用した方が落石に対して有用であることは間違いないだろう。着用した方が、しないより安全であろう。
・・・・・・・鬱陶しさと、もしもの安全・・・・考えどころです。

キレットの底から登りだすと間もなく長谷川ピーク下って程なく飛騨泣きと核心部が続くが、特に問題になるところはない。
特に岩登り、沢登りの経験者では浮石の確認などはお手のモノだろうし、ホールドはガバ。
それらの経験のない方でも鎖やら、鉄製のステップ等が設置してあり、やはり一般登山道という感じなので、好天時であれば問題となるところは
特にないと感じる。

飛騨泣きから信州側へ廻り込むと一息。ここから200mとペイント。200mって距離?高低差?等言いながら頭上に見える北穂小屋に向かい急登を登る。
全員到着したら、二瓶さんが代表して受付をしてBEERで乾杯。
今日も、夕食までテラスで一杯やる。富士山も見える。南ア、中央ア?あれがヤツで、左は?浅間の方かなぁ。。。等とハナシながら疲れを癒す。
あれ?中岳で我々をパスした若い男性がビールを飲んでいる。どうしたの?と聞くとお天気があまりに良いので家に連絡して先に進むことにした。とのこと。
この条件だ。さもありなん。

食事も美味しく生姜焼きがメインでご飯も美味しかった。
食後、夕暮れが迫る北穂山頂で写真をとる。
小屋に戻り、ドイツ人の方と四方山話。佐久間会長は英語が利くのでこういう時、心強い。鏡平で泊まっているVXTと交信。
こちらの明かりが良く見えるとのこと。
外に出ると各小屋の明かりが点々と見えるし、空には満天の星。天の川も見える。そして驚くほどの数の飛行機が飛んでいる。

明朝直ぐに出られる様に準備しておいて就寝


9月19日(月)
今日も4時起床。
今日のお天気も問題ナシ。塩尻・諏訪のあかりもよく見えるし空にはまだ、沢山の星が見える。
暑かった。準備をしてテラスでパンを口にネジ込みコーヒーで流し込む。朝食のお弁当は後で頂くことにしてスタート
暗い中、北穂山頂に上がり直ぐに下りだす。北穂南稜の分岐を送り先に進むと滝谷側に出る。西風が冷たい。
薄暗い滝谷は反対側の開けたカール状の地形とは異なり、陰惨な雰囲気がある。
谷川の一ノ倉は全体が陰惨な感じがするけれど、ここは明るい涸沢カールとの対比でその雰囲気の違いが強調されるのだろう。

涸沢側に出たところで日の出を迎えたので写真を撮る。
陽が当ると、パッと身体が暖まる。最低按部手前で休憩し涸沢岳へ向かう。登りに入ったら昨日中岳で我々をパスした彼が再びパスしていく。
おはよう、いい日ですね。と声を掛け合い、奥穂まで行くでしょ。下りも同ルートだね。等と話す。
南西側からガスが湧いては消える。奥穂に纏わりつくガスがキレイだった。

涸沢岳から僅かに下るとガスが薄くなり穂高岳山荘の赤い屋根、奥穂〜ジャンダルムが見えるようになった。
穂高岳山荘に荷物をデポして奥穂高岳へ登る。西風が寒いので合羽を着る。山頂からの眺めは素晴らしい。富士山、南ア、中央ア、御岳、乗鞍岳
北には槍ヶ岳が見えるが槍以北はガスの中。遠くは妙高・浅間か?
ずっと眺めていたい風景だが、腹がすいてきたので降りよう。

穂高岳山荘前で、朝食を食べ下山にかかる。
白出沢のガレた石の上をテンテンと下るが、浮いた大石もあり注意が必要。また、ペンキでルートは示してあるものの、所々上から押し出されてきたであろう
岩で隠されたり、動いたりして時折ルートを外すが、とにかく下るのみ。傾斜がやや緩んでくると、右岸側の壁際によく踏まれた跡があるが、上部からの落石は
一応、用心した方がよさそうだ。
QLOがVXTを呼ぶと微かだが波が取れる。もう直ぐ、新穂高の様だ。先に下って、温泉に入り食事にする由。

荷継沢の出合。
下る場合は右岸のヘツリ道に入るが、登りの場合、特に視界のない時は白出沢のつもりが荷継沢へ入り込む可能性は充分にあるだろうから用心したい。
細い悪い場所に岩切道が切ってあるが、これも苦労して伐開、維持管理しているのだろう。苦労を感じる。
途中、2人のパーティーをパス。一人の方はケツを着きながらズリズリ下っている。多分、白出の下りで膝が笑ったか、傷めたかだろう。
相当な時間をかかることを覚悟しなければならないだろう。
途中、1か所徒渉個所があるが、木の橋が架けてあるが、増水時は厳しいだろう。岩山ので、出水も早いが減水もはやいだろうから無理せず待てば案外
早く徒渉は可能になると思われる。

徒渉後は樹林帯の滑り易い石の道を下る。いいかげんうんざりした頃、南俣林道に合流。
あろは、林道をトコトコ惰性に任せ下る。
時折、奥の工事現場でコンクリート打設なのだろう、ミキサー車が行き来する。

あ〜嫌になるって頃、新穂高に到着。
鏡平から先に下って、入浴、食事を済ませたVXTが首を長くして待っていた。

我々も入浴し帰途に着く頃には本降りの雨になっていた。
本当に、天候に恵まれ無事下山した良い山行だった。



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