正月山行荷下げ
(大日杉〜五段山〜三国小屋〜切合小屋〜本山〜切合〜地蔵岳〜大日杉)

GPS LOG 吊橋に板がない。 イワウチワ イワナシ
地蔵山からの剣ヶ峰 シラネアオイ 五段山コース 夕方の大日岳
朝の雲海 草履塚 イワウメ 姥権現
中央部〜北部主稜線 山頂の不逞な輩 地蔵岳下の残雪 新緑の登山道


3日18:00 天気図 4日06:00 天気図 4日12:00 天気図
3日18:00 衛星写真 4日06:00 衛星写真 4日12:00 衛星写真
どう見ても飯豊山域で強風と雨の心配はなさそう。気圧の傾斜が緩やかだ。


日時       平成1863日〜4
参加者     CLJHφVXT(川崎)さん、SL:坂井さん、JGφOPL(高橋)さん、石井さん、JFφGZF(小川)さん、諏方さん、宮下さん、
                JJ
φLTK(小林)さん、JJφLTQ(笹川)
             6
2日〜3JIφHNC(若月)さん
行き先     三国小屋経由本山
天 候     3日曇り後晴れ  4日晴れ後薄曇り
気 温     6313.4度〜25.7   6414.6度〜23.8度(福島県若松)
ウインドプロファイラ 631800 1km南東1m 2km北東3m 3km 9m
                                   640600 1km北西1m 2km北 3m 3km 5m     (観測地 酒田)

目 的      正月冬山会山行デポ品回収
装 備     春山1泊小屋泊
登はん用具 ピッケル アイゼン 
通信用具  アマチュア無線機
ナビ用品  GPS 地図 コンパス マップポインター
防寒具     フリース・ダウンジャケット(薄手)
その他   通常装備
飲み物   水。1.5L
食料品     3日行動食 握り飯 パン、菓子類 夕食共同
4
日朝共同、行動食 パン菓子類
嗜好品   ビール、ウイスキー・ツマミ類・生野菜類
残 量   残なし(緊急食を除く)

コースタイム              事柄              備考
603
0445              自宅発
0500              五十公野発
0715              大日杉着(610m
0740              大日杉発
0855              885m傾斜緩む
0926              1,121mピーク
1015              五段山(1,312m)
1105              牛ヶ岩山(1,401.8m)
1202              地蔵山(1,485.2m)
1303              三国岳 三国小屋着(1,644m
1335              三国小屋発
1418              1,719mピーク
1500              種蒔山(1,791m)
1515              切合小屋着(1,742m)
1550      乾杯
2015              就寝

604
0420              起床
0532              空身で本山へ向け切合小屋を出発
0555              草履塚(1,908m)
0614              姥権現(1,850m
0650              飯豊山神社(2,102m)
0708分     飯豊山々頂着(2,105.1m
0720              山頂発
0738              一王子(2,070m
0748              御前坂(1,910m)
0827              切合小屋着(1,742m)
0846              切合小屋発
0943              御坪(1,560m)
1106              地蔵岳(1,538.9m)
1200分     御田(1,000m)
1215分     長之助清水使用できた。
1232分     ザンゲ坂の上
1247分     大日杉着(610m

移動データ
標高       スタート場所 大日杉           610
到達地点  飯豊山々頂(2,105.1m
標高差    1,495.1

63
TP距離  総移動距離(GPSデータ)13.4km
時間       移動時間(GPSデータ)       4:38
移動平均速              2.9km/h  

64
TP距離  総移動距離(GPSデータ)11.8km

TOTAL

TP距離  総移動距離(GPSデータ)25.2km
時間       移動時間(GPSデータ)       8:52
移動平均速              2.8km/h  

概要
下越山岳会平成17年度冬山山行(平成1811日〜4日)の為に三国小屋へ荷上し、正月に使用した物資の他の残物資、残置したゴミ類を下げる為に三国小屋へ向かい、回収後、本山小屋で宿泊し地蔵岳経由で戻る予定で計画した。丁度、大日杉より上流部の白川源流を切合で周回してその間、本山をピストンするルートである。

63
朝目覚めると、予報とは異なりピーカンとはいかないようだ。前日、買っておいたパンを食べてお茶を飲んでザックに追加の食料品と缶ビール1本追加。荷下げなので荷物を最低限度にしたらザックがカラカラで何だか面白くない。ボッカ訓練も兼ねて少し重量加えちゃえ。と冷蔵庫の中を眺める。丁度いいものがありザックにあまり考えずに詰め込む。コンビニにより行動食を購入して集合場所へ。車2台に分乗してGZFさんとの待ち合わせ場所の関川ドームへ向かう。関川ドームでGZFさんを待ち、大日杉へ向かう。空は曇天。霧雨でも降出しそうな雲行きである。まるで梅雨時のような空だ。皆さんで、朝霧じゃないか?と話す。大日杉に近づくと雲が切れ青空がでてきた。どうやら朝霧だったようだ。

準備をしていると、HNCさんが現れた。HNCさんは昨日、午後、弥平四郎コースから三国小屋に泊まり、我々と五段山コースを登るために地蔵岳を経て大日杉まで降りてきた。いつもの事ながらもの凄いパワーだ。HNCさんによると、案外デポ品が多い。何をどれだけ残置しておいたのか、正月下山の際、正確に記録しておかなかったのが失敗。準備をして五段山コースへ向かう。

SLの電話による事前確認では吊橋の踏み板が外されているが、3日には取り付けられているだろう。との事だったが、吊橋には踏み板は未だ取り付けられておらず、ワイヤーに掴まり通過する。尾根の取り付き近くに水場があり、ここから三国岳まで水場が無い事が書かれていた。大日杉から五段山まで標高差約680m位で急登ながら所々に大きな楢の木が登山道脇にありなかなか静かで雰囲気の良いところだ。もちろん、急登と言っても梶川尾根のような遠慮容赦ない登りではない。イワウチワ・カタクリが花を咲かせている。ただ、時期的な問題だろうが、ブヨの猛攻には困った。このブヨの猛攻は翌日大日杉に降りるまで続く。

五段山に着くと展望が開け、周回する稜線を眺めることができる。五段山〜地蔵山まで約3km。案外小さな登下降があり、地蔵山までなかなか着かない。イワナシが咲いていた。かなり残雪も多く残り、登山道を頻繁に塞ぐ。特に牛ヶ岩山周辺はガスられたら少し厳しいところだ。

地蔵山を下り川入からの登山道と合流し高度を上げていく。剣ヶ峰を通過する。途中、タカツコ沢源頭部側で大きな音がした。見るとブロックが大きな音を伴って、いくつかに割れながら斜面を落ちて行き傾斜の落ちた処で粉々に砕け散った。反対側の斜面を覗いてみると水場は雪で埋まっていて使えないし、滑落の危険があり近づけない。(落ちたら多分サヨウナラだ)

三国小屋に入り、デポ品をザックに納める。HNCさんの言うとおり意外に残置物があった。ザックに何とか詰め込み銀マットはザックの脇に着けた。我々は本山方向へ向かい、鏡山を経て藪を漕いで弥平四郎登山口に下山するHNCさんに見送られ種蒔山に向かった。

七森の少し手前で今日始めて登山者とスライドした。七森周辺は巨大な雪堤が土砂、植物を巻き込み谷にずり落ちている。こうして、風下である東側の傾斜が削られ磨かれていく。七森を通過して種蒔山。皆さん、既に水が切れはじめていて融雪水を摂る。
多少の濁り、浮遊物はご愛嬌。何時もの事だけど、融雪水を飲んでいると時々その上で兎の糞を見つけるが今日までなんという事はない。ただ、こういう経験則は北海道では通用しないようだ。

融雪水を飲みながら、泊まり場の協議を行う。既に15:00である。予想以上にデポ品が残っていて荷が案外効いてきたこと。五段山〜地蔵山まで案外時間がかかってしまったこと。水がこの先なかなか摂れない。本山小屋のWCはまだ使えないだろう。そんな理由から衆議一致、切合小屋で泊まり、4日早朝、空身で本山までピストンする事とした。
夏道を外してしまい少し南により過ぎて笹薮を強引に北側へ降りて夏道にでて切合小屋
に着いた。小屋は無人。

先ず水を探すが、一面雪なので早々に諦め雪を溶かすことにする。酔っ払う前に先ず水作り。乾杯の音頭ももどかしく一気に飲み干す。セロリ・キュウリにマヨネーズをタップリ載せて食べる。
クラゲ酢、昆布、スルメ、サラミ、ベーコン、ウド・・・沢山の持ち寄り品がでてくる。日本酒、ふなぐち、焼酎、ウイスキー、ダメ押しに烏賊徳利。
ワイワイ飲っていると単独者が小屋に着いた。単独者は二階にあがった。二階に行って単独者と話していると、正月に我々の1日前に行動していた福島の方だと判った。少し話して一階に下りた。

夕方、写真を撮りに外に出る。夕日を後ろにした大日岳が美しい。寝る前外に出ると星がとても美しかった。

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2時頃少し寒くてフリースを着る。ダウン150gのペラペラの夏専用シェラフだから仕方ない。暖かくなって直に寝付く。

食事を採りパッキングを済ませて、
0530本山へ向けて出発。暖かいせいか、辛いものを食べたせいか、身体が暖かく半袖のTシャツで出かける。小屋からホンの少し夏道を進んでから雪に乗る。雪は割合に硬いのでもう少し急ならアイゼンというところだが、雪面に凹凸が結構あるので登ることは問題ない。

草履塚に着くと大荒れの13日を思い出した。今日は穏やかで気象の激しさを実感する。草履塚から下りの途中、イワウメが小さな花をつけていた。久しぶりの姥様に手を合わせる。御秘所でピッケルを引きずりながら邪魔だな。草履塚でデポしてくれば良かったかな?等と思いながら、御前坂を登る。ザックがあれば、ハアハアする処だが、空身なので何となくテンテンと登る。晴れている時は良いがガスられると御前坂も感じが悪い。一王子で振り返る。坂井さんと南に見える妙に白い山はどこだろうか?等と話しながら登る。小屋が近づいてきた。水場を見に行くが少し進んだところで一面の雪田。下から見ていた感じでダメだろうと思っていたが、予想通り。

小屋、神社を通過して三角点へ。本山小屋のWCは全て使用できない。昨夜、切合小屋に後で着いた単独者とスライド。三角点手前の岩陰でオコジョが居たと教えてもらったがオコジョは待っていてくれなかった。

皆さんで写真を撮ったり眼下に広がる雲海・青空・残雪を楽しむ。充分に眺望を楽しみ北に目をやると宝珠山が固い表情をしていた。今日は全て優しい景色だけどダイグラだけは、何をはしゃいでいる?という感じがした。

山頂を後にして下る。御前坂をトコトコ下り御秘所を通過して草履塚へ登る。短いけれど急な登りを登ると、VXTさんと切合小屋で一緒だった方が話していた。草履塚を下り軟らかくなった雪面トコトコおりて切合小屋。ザックを回収して下山する。何だか重い。昨夜、今朝とかなり飲んだり食べたりしたのだから相当軽くなっていいはずなのに。

御沢は割れている処があるとの事なので、沢には下りないでトラバースルートを取った。御沢別れ付近もまだまだ雪が多く水は取れない。御坪を過ぎて目洗清水も未だ雪の下。暑い。時折登山道を塞ぐ残雪で水筒になるべく汚れていない雪を詰めて歩く。
なかなか地蔵岳が近づかない。地蔵岳へ登っていると単独の方とスライド。下山最後の登りだのう。と声をかけられる。
地蔵岳手前で融雪水を汲んだ。地蔵岳から下る。御田は未だ雪が残っていた。標高1,000m付近から沢の水音が聞こえる。
長之助清水でやっと旨い水にありついた。ザンゲ坂を下り程なく大日杉に着いた。帰りに白川鉱泉で風呂に入り蕎麦を食べて新発田に向け帰途についた。

使えた水場:五段山の取り付きの清水・長之助清水
使えたWC:三国小屋1穴・切合小屋1穴  本山小屋のWCは全て使用できませんでした。
※注意
1 五段山コースに向かう吊橋の板は取り付けられていませんでした。
2 まだ、登山道を雪が覆っているところが多くあるので、ガスられた時ルートを見失わないように。
3 風の弱い日は特に虫(ブヨ)対策を怠らずに。
4 まだ、アイゼンはともかくピッケルは持つべきと思います。
5 各水場はまだしばらくアテにできないと思います。

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