会山行 飯豊連峰 前衛 二王子岳縦走(高知山〜二王子岳〜スキー場北側尾根:エスケープとして二王子岳から下山


LOGの乱れが酷い 高知山を超えて 雪洞新築工事中 楽しい夕食
いい感じです 疲れがでている私 モンスター君はダイエット 二王子神社炊事場

日 時    平成180211日(土)〜12日(日)
参加者    JEφDAEさん、JGφOPLさん、JEφPJYさん、石井さん、JHφVXTさん、JIφHNCさん、坂井さん、JJφLTQ
サポート 11日 清野さん、渡辺(し)さん、諏方さん、宮下さん、JGφNUOさん、椎谷さん
11日 送り、JHφWJUさん
12日 迎え、JHφWJUさん、渡部さん、渡辺(し)さん、諏方さん
行き先    飯豊連峰 前衛 高知山〜二王子岳〜スキー場北側尾根
天 候    11日 雪後吹雪
       12日 吹雪
気 温    11日 現地泊まり場−5
       11日 −0.6度〜5.7度 (気象データは新潟)
       12日 二王子岳付近−12
     12日 −1.8度〜0.8度 (気象データは新潟)
風 速  現地平均的に10M前後 
風 向  西、北西
目 的    雪洞泊、二王子岳縦走
装 備    冬山低山
登はん用具:なし
冬山として、スノーシュー Wストックを使用
ナビ用品:GPS・地図・シルバコンパス・マップポインター
防寒具:カッパで代用・ダウンジャケット・フリース                                                       
飲み物:水1.0L
食料品:いなり寿司3個 ハイカロリーぜリー2個 調理パン1個、ミニアンパン3個 菓子類
残 量:なし
その他 なし

コースタイム              事柄              備考             

11

06:00分 五十公野発
06:40分 南俣集落着(100M
07:05分 南俣集落発
09:07
分 尾根取り付き
10:45分 675mピーク
12:30分 高知山山頂直下着 大休止
13:15分 高知山山頂直下発
13:19分 高知山山頂(1,024m)
14:25分 鳥居峠
15:10分 泊り場決定同到着
15:20分 雪洞作成開始
16:35分 雪洞完成
17:10分 乾杯
21:15分 就寝

12
04:30
分 起床
07:45分 泊り場発
08:30分 バワリ峰(1,217m
10:20分 中尾根合流点(1,179m)
11:25分 三王子
12:09分 二王子岳山頂、山頂小屋着(1,420mここでエスケープルートに変更:通常の二王子ルート下山とする。
13:30
分 二王子岳山頂小屋発
14:15
分 三王子
15:00分 油こぼし
15:35
分 1,202ピーク
17:30分 独標(タイム不正確)
19:10
分 一王子
20:15分 二王子神社
21:20分 南俣集落着
21:50分 五十公野着

解散

GPSデータ

GPSデータであるが、今回、ザックに括り付けたスコップの位置、雨蓋に積もった雪の影響か雨蓋内に入れた、GPSの受信状態非常に悪く、厳しい場所でLOGが混乱している。また、独標下で樹上の積雪多い樹林帯を通過している。そのため、データの数値がメチャクチャで参考になりません。(余りにLOGが混乱して、どの方向から下りてきたのか、本機画面では判然としない。)GPSの取り扱いの今後の課題としては、@取り出しが容易で、A電波受信が良く、B積雪の影響を受けない。Cコースナビの操作技術と適正なウエイポイントの落とし込み。以上4点が自分自身の重要な課題である。

概略

総会後の新年度としては最初の会山行として、雪洞泊として高知山〜二王子岳〜三光山を経て、二王子スキー場(ninox)の北側の尾根を下り、スキー場の駐車場を付近に下山するコースで、二王子岳の南側から登り二王子岳山頂を挟んで北上する計画を二王子岳縦走としており、雪洞宿泊も経験したい私は直ぐ参加をお願いした。11日は暖かい日で雨で濡れる心配をしていたが、12日は低温、強風、ホワイトアウト、深雪のラッセル、日没という非常に厳しい山行となった。

記録

平成18211日午前430分起床。今週は前半風邪のため体調不良で苦しんだが週の前半〜中盤は摂生したため体調は良い。食事を摂りながら外を見ると雨が降っている。やはり予想の通り濡れ対策が必要だ。グローブの予備、下着の上、ビニール袋類を追加した。パッキングした中型ザックでは共同装備を入れるスペースが厳しい。慌てて大型のザックに詰め替える。コンビニに寄り行動食と嗜好品を購入し、600分集合場所の五十公野へ。雨の中、皆さんが集合している。3台に分乗して南俣集落の除雪終了点まで車を進める。6時40分、共同装備品等を振り分け準備をしていると後ろから車が2台来た。やはり宿泊山行のパーティーの様だ。取り付き地点を目指し歩き始める。高知山へ登る為の林道歩きが約2時間かかる。これが結構気分的に長い。南俣林道(二王子神社)は概ね1時間。この位は楽しいものだが・・新発田市内は雨で、南俣集落付近は湿気タップリの重い雪が積もっている。交代でラッセルしながら進むが雪が重いこれだけの大人数でなければもっと時間がかかる。適当な場所を選んで尾根へ取り付く。いきなりの急登だがそれ程長くはない。高度を順調に上げていくと「中尾根」が良く見える。「中尾根」は、二王子岳登山道の南側にある妹背滝のある姫田川を挟んだ向かい尾根で三王子の南側下につながる長い尾根である。名称については多分、高知山への尾根と二王子岳登山道の間という事で、「中尾根」と呼んでいるのでは?と想像している。今、二王子岳へのルートで一番行きたいコースである。勿論、登山道は無く積雪期のみ登る事ができる。私は、一時的に天気が回復傾向である事を予想はしていた。朝の天気図で、等圧線の弛みがあり弱い擬似好天のような状態の可能性はあると思っていたが、その後、あれ程の寒気の流入は予想していなかった。若干の降雪はあるかな?という程度の予想しかしていなかった。風は「ダシの風」で風向きが西に廻れば風も強くなり荒れるパターンだ。その後も、開けてきた視界に助けられ「中尾根」方向でカモシカが2頭ゆっくり登っていくのを眺めたりして風景を楽しんだ。南側に向いていた進行方向がやがて、東側に向いてくる。しばらく登ると大きな花崗岩のような石がある。ここまでくると高知山まであと少し。この辺から、風が西に廻り風雪共に強まってきた。高知山の山頂直下でツエルトを被り風を避け大休止としてここで日帰り隊は下山した。おかげ様でアプローチ、高知山までのラッセルを大人数でこなしスピードを上げることができました。ありがとうございました。大休止している間に、後発の56人のパーティーが我々にトレースのお礼を述べられて先に進んでいった。高知山山頂を通過する頃には風雪共に強まりホワイトアウト状態となる。先行したパーティーは高知山の少し先で幕営のようである。我々は先に進むが、視界が悪くシュカブラのシマなのか?雪庇なのか?さっぱり判らない?この辺の雪庇は踏み抜いても大丈夫。と聞かされてトップでソロソロと歩いていた1350分頃、足元の右側にサ〜っと亀裂が走る。瞬間に左側に跳んで倒れ込む。下を見るとなるほど割れた雪庇は直ぐ下で止まっていた。でも、かなり驚いた。広く判りにくい地形だ。風雪が強まり時間も相当に経過したので近くで泊まり場を探そうとなり、DAEさん、HNCさんが雪洞適地を探し泊り場決定。雪洞作成にとりかかる。誰ともなく「強度の偽装なき様に」と。声がかかる。1時間と少々で雪洞が完成する。中に荷物を運び込みシート等敷きこみカップを出す手ももどかしく乾杯となる。雪洞内は暖かく快適だ。クライミングリーダーがクッキングリーダーと変じたDAEさんがキムチ風鍋を作る。その間に各人の隠匿物資が大量に出てくる、出てくる。CLから共同物資から片付けよ。と指示がでるが、石井さんのザックから1,000mlのフナグチがドン!と出てきた。その他ジョニ黒の差し入れ品など、たっぷり豊かな食料品だ。とても豊な気持ちになれる。キムチ風鍋はDAEさんが、肉は一枚づつ剥がして入れる事。韮は煮すぎてはいけない。と手抜きをしようとすると、ちゃんと目を光らせる。山の中とは思えない美味しい夕食を食べ過ぎる位に食べて皆さん大満足で時折、臍が捩れる程笑い、明日の天候の心配をしたり楽しい時間を過ごし、2115分就寝。静かである。何の音も聞こえない。ちなみに、外気温−5度位で雪洞内は+4度くらいであった。

212日(日)
4
30分起床。雪洞内の気温は0度。外気温は−12度位。外から戻ってくる人が凄い雪だ。とつぶやく。風下だから吹き溜まっているためだろう。と言う人もいる。雪洞の天井部を見ると新築時より約20センチ位は下がっているようだ。ともあれ、朝食をとり天候の様子を観て745分泊まり場を発つ。バワリ峰から中尾根との合流付近までが難しい。深雪のラッセルで難渋する。大きな雪庇が突然でてきたりと地形が複雑なくせに広い場所がある。しかし中尾根合流点付近は若干視界が利いて安心できた。ただ、相変わらず雪は深い。合流点から三王子への登りである。真っ直ぐ登ればいいのだがホワイトアウトしているので登りがどの程度でどこまで続いているのか判らない。三王子に着いたが視界が利かず厳しい。ただしガリガリの吹きさらしなのでラッセルは不要だが雪面が荒れていてスノーシューでは歩き難いが仕方ない。目標ポールをDAEさんHNCさんがGPSポイントで追いながら進む。ようやく山頂に着いたが、どうにも小屋が見当たらない。私のGPSでもこの場所が小屋のはず。OPLさんは埋まったのか?とつぶやく。とにかく、皆で鐘を探す。隣が見える範囲で広がり歩き出すとすぐにHNCさんがあった!と叫ぶ。南西側に目をやると、オレンジ色の小屋の一部が見えた。多分GPSの位置からほんの数メートルの場所なのではないだろうか?時折、モンスター君も小屋から見えなくなったりと視界が悪い。129分、入口を掘り出して小屋に入る。ここで、行動食を摂り時間を勘案し、北上することは風に向かうので厳しい事を考え、予定コースを変更し通常の二王子岳登山コースを下山する事とした。この時点では、まだあれ程の大量の雪が私たちを苦しめるとは思わなかった。「油こぼし」の下まで降れば、まあ、風も収まり良いだろうと下山を開始したが、まともに風に向かうため視界も利かず目も開けにくく、まつ毛が凍ってきた。正月の飯豊と同じような状態だ。ただ今日の方が少し気温が高いか?という程度。左の頬がジンジンしている。やっちゃったなあ。と感じた。雨による濡れ対策に気を使ったが、寒さ対策が疎かになっていたのは事実で、アウタージャケットを持ってこないのであれば、目だし帽は持ってくるべきだった。アウタージャケットとカッパの大きな違いは、フードの囲いのボリュームである。カッパのフードは絞っても頬がどうしても露出する面積が大きくなる。仕方ないのでジンジンした顔を時々叩いたり顔の筋肉を大きく動かしたりとしてみたが状態はそんな悪くなさそうだし大丈夫かな?と思いもした。ともあれ、「油こぼし」を何とか降りると風が収まったが、腰上まで沈む深雪のラッセルが待っていた。HNCさんが、今日は朝から何度も何度もワカン大回しのパワフルなラッセルを見せていた。メンバー皆で交代しながらラッセルを行う。しかし、今日の深雪は厳しい。「油こぼし」の下の登り返しのところを大きく南側に廻り込んで鴨池付近に出た。この下の部分も大きく南側に廻り込んだのではないだろうか?という印象がある。視界の利かない大雪の最中だけに雪庇が尾根に見えたりと何処を進んでいるのか判り難いし、余りに時間がかかり頭の中の、時間と距離のグラフ軸がメチャクチャである。深い雪に難渋してようやく独標に着く。独標の積雪観測柱は、5.5mを指していた。ここまで来ればと思うがどうにも勝手が悪い。この辺から、雨蓋の上に積もった雪とザックに付けたスコップ、樹林帯の中を歩いた等様々な影響と考えているのだが、LOGが大乱れにみだれている。全体的な印象としては、どちらかというと、南側に行きたがる傾向があったと思う。何故だろうか?少し大きな杉の様な影が見えると一王子の杉に見えてしまう。もう時間的に、厳しい時間となりヘッデンを出す。ヘッデンを点けて廻りを見ながら歩くが、印象に無い場所に見える。渡部さんから電話が来た。ブナ平付近に居るので一王子に着いたらもう一度電話入れると話す。こんなに独標と一王子の間が長かったかな?と思い高度を取るとまだそれ程降りていない。とにかく時間がかかる。一王子の杉が見えた頃、正月の二王子合宿の食料残もあるし一王子避難小屋で泊まろうか?と云うことになるが、一王子まできたらトレースがある。トレースがあれば下るべきだ。となり下る。脚も大分疲れてきた。あの本当に深いラッセルが効いてきたのか?バタバタと下る。二王子神社の木立が見えた時ホッとしたと同時に、雪の多さに驚いた。水を飲み残ったパンを食べて、南俣で待つ渡部さんに電話するが、電話に出たのは、WJUさんで、そこまで降りたなら、急がずユックリ降りて来なさい。18時過ぎには各家に電話を入れてあるが出来れば各自家に電話を入れておくように。と指示を頂く。一王子を出る時各自家に電話を入れておいた旨、返答をして電話を切る。暗い参拝道を下る。見たことがない風景だ。疲れと安心感からか神社を下ると後は何となく林道下りとなるため気が緩みボ〜っと歩いていた。しかし、タイコ橋だけは、落ちない様に意識を集中した。疲れた脚をパタパタと機械的に動かす。動いていればそのうち着くだろう。という感じだ。南俣集落が近づくと下からライトが見えた。迎えのメンバーの方だろう。ようやく長い時間が終わる。南俣集落の明かりが見えた時、本当にほっとした。林道入口に着くとWJUさんがライトを持って手を出して「お疲れ。」と出迎えてくれた。サポート、迎えの方々が熱いカップラーメンとお握りを用意して待っていて下さいました。本当に、遅い時間にありがとうございました。疲れましたが得るものがあまりに多い山行でした。パーティーの皆さんありがとうございました。辛くも楽しい山行で今年は始まったばかりですが、この山行が今年の特に印象に残る山行であることは間違いないと思います。

また、サポートの皆様ご協力とお気遣い本当にありがとうございました。

帰宅後鏡を見たら、左頬と僅かに右頬に軽度の凍傷を負っていました。正月合宿より標高が低いので装備が不十分である事。雨で濡れる心配をして低温と強風に関する警戒が足りなかった。これほどの降雪は予想していなかった。こんな理由から軽度ながら凍傷を負ってしまった。装備について判断が悪かった。教訓にしたい。



以前の記録へ戻る

トップページへ戻る