「五泉トゲソ観察会と坂田家一般公開」
および「トゲソ危機に対する意見交換会」の参加報告

 平成24年4月29日の日曜日に「五泉トゲソの会」の主催する「トゲソの観察会」とトゲソの地域に隣接する「国有登録文化財の坂田家の一般公開」および午後から「トゲソの危機にどう対処するか」の意見交換会に参加してきました。

 今年で第16回になる五泉の土掘地区のトゲソ生息地での観察会では、トゲソの現状として生息水路での外来種のコカナダ藻の繁茂やミクリという水草の減少に伴う環境の変化等でトゲソがかつてないほどの激減の危機に瀕しています。

 当日は、現況を視察してもらいどうしていったらいいかと問題意識の共有をはかることか
ら始じまりました。近隣の水路にはまだ生息がみとめられるもののメイン水路の生息数の激減は、はっきりとした原因がつかめない憂いゆる状況です。こうゆうことは同時的におこるものなのでしょうか、湧水の止まっている新発田の豊浦地区久保の水路と同様に心配されるところであります。

 平成23年1月26日に登録有形文化財に登録された坂田家はトゲソのいる土掘地区にあってここにはかつては湧水の大きな池が近くにあったそうです。坂田家の裏からでる「どばしっこ清水」いまでもその名残をとどめて湧き出る湧水は新潟県の名水にも認定されています。
 庄屋の名残を残した母屋では、お茶をたてて一服いただき、当家につたわる什器等を見学してきました。

 地元のトゲソ米ご飯や葉わさびを使った昼食の後は、再び坂田家でトゲソ保護の取り組みに対する意見交換会を行い、当会からは藤田副理事長が新発田のトゲソの現状と将来への取り組みへの課題などの意見発表を行いました。

 トゲソもイバラトミヨも今後の保護活動のキーワードとしては「正しい現状把握」や「湧水量のデータ化」、「研究者の偏りのならぬ取組」、「一次産業と経済の関係」、「子供への環境教育」、そして「焦らず地道に取り組む」から活動のヒントにつながるのではと意見が交わされました。

 直ぐにどうしたらいいのかの具体策は本当に難しいところではありますが、多くの人々に関心をもってもらい、その地区のファンを増やしていくような情報発信が地区住民と一緒にできたらいいのかなとそのように感じたしだいです。
 文責 相馬広治