加治川ネット21の定期総会「記念講演」が開催される

 平成23年2月11日祝日の金曜日の午後4時より、有機農産物認証機関(国指定)NPO法人「赤とんぼ」の判定委員長の伊藤市平氏による定期総会の記念講演を新発田市ボランティアセンターで開催しました。一般の聴講者も来場していただき約40名の参加がありました。

 講演の演題は「自然にやさしい有機農法 〜自然との共生を目指して〜」です。

 伊藤氏は、新発田野鳥の会にも参加しておられますが、以前当会の若月理事長から講演をしてもらったことがあり、そのお返しに今日の講演を引き受けていただきました。

 従来の慣行農法としての労働時間の話から、まず近代までいかに手間隙をかけて稲作をしてきたか、いかにして労働時間の短縮に勤めてきたかということの説明がありました。
耕起や田植えや稲刈りは機械化されてきましたが、除草は機械化が難しく、農薬による除草が主役となっていました。これらはすべて米の生産性を高めるためであり、国是として疑うことなく進められてきたことなのです。実際、昭和20年前後からの飛躍的な生産高の向上はこのような成果によるものです。

 そして、戦後いろいろ現れた農薬に問題があるとわかったのは、それが使用されてからどれも20年以上後のこと、それは今でも変わりなく、環境に及ぼす影響は、必ず時を経ないとどのような事態になるかわからないということです。

 有機農法は手間がかかるし病気に弱いとの指摘については、健全な土作りがなされているかが大事であり、余剰窒素が作物を不健康にし、人体にも影響を及ぼしているとのことです。

 最近出現する耐性病害虫や受粉に必要なミツバチの減少は、農薬の使われ方に原因があるとのことで、危険が判明したときの早期使用中止も重要になってきます。

 家庭で出来る有機農法については、プランターでの試行も手ごろに出来るとのことを紹介していただき、落ち葉や籾殻やこぬか等を適度に混ぜてやると良いとのアドバイスもありました。

 有機農法は健康な土作りが何よりであり、肥料の使い方も十分な管理が必要なようですし、加えて生産者と消費者との相互理解や協力関係の構築が食の安全につながります。有機農法に多くの賛同者や理解者が広がれば環境保全にも大きく貢献できることと思いました。