加治川ネット21総会
「江戸時代はエコ時代」記念講演会

 平成22年2月7日の日曜日の午後4時より、敬和大学の趙 (ジョウ)準教授による当会定期総会の後の「記念講演」として新発田市ボランティアセンターで開催され、一般の聴講者も来場していただき全部で40名以上の参加がありました。

 講演の演題は「江戸時代はエコ時代、〜江戸時代に循環システムに学ぶ〜」でした。

 趙準教授は日本にきて19年になり、日本語も流暢で大変親しみやすくお話をしていただきました。
 先生は、社会福祉を専攻しておられていまして、社会福祉と共生にポイントをおくと日本の江戸時代の暮らし方に通じるものがあるとしてその思想や哲学に興味をもったとのことです。

 江戸時代には、当時のどの世界の都市よりもリサイクルシステムが進んでいて、物を大事に使い自然から得られる恵みを巧みに利用して循環社会を築き上げていたといいます。
 当時の日本は、海と山、自然と人間や世代間の共生哲学が伝統的にあって天地万物が一体であるという思想、すなわち自然に身を委ね、敬意を持って自然に接する東洋思想があったのだと。
 一方の西洋思想には、「自然は人間の為にあると」言う考え方が現代の物質文明の発達の素になっているとし、個人主義や能力主義として東洋思想の相違として集約しているとのことです。

 現代いろいろ行われている環境保護も突き詰めれば人間のための環境保護の点から脱却し切れていない。自然利用であり、自然そのものが大事と言う視点が欠けていないかという指摘は当会の活動においても考えていくべきことかと思います

 私達日本人が特に意識していない行為には東洋思想として、その原点が儒教の教えにから来ているとの説明もなされ、江戸の循環型社会の思想が共生の哲学として、儒教の思想が江戸社会を内面的に形成しそれが今に受け継がれているのです。儒教はなにも古臭い考えでもなく、人が生きていく思想哲学として、考え突き詰めていけばおのずつと自然環境保護に通ずるものになるなど、今回の講演を大変興味深く聞くことが出来ました。今回聴講された各聴衆もそれぞれエコについての原点について感じいったように思います。