第14回 水シンポジウム2009inにいがた

 8月11日(火)朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターを会場に開催されました。

 今回のシンポジウムでは、4つある分科会に参加した理事5名がそれぞれの分科会に分かれて参加し、市民団体等による活動発表では若月理事長が発表を行いました。

 午後からはリバーフロント整備センター理事長の竹村公太郎氏より「チーム・水・日本」〜水の安全保障〜というテーマでの特別講演もありました。

 要約すると、水の豊かな日本でさえも40%の水を世界に依存する状況にあり、水問題は日本にとっても直面する深刻な課題である。この地球規模での水問題を解決するため、政治、行政、企業、学術、市民と様々な分野が協力する国民的な運動「チーム・水・日本」を実践していきたい、というもの。「出来る」と信じて実践したい、という強い想いが感じられましたし、とても面白い取り組みだと思います。この取り組みが現実のものとなることを期待し、当会もその一端を担えるよう取り組んでいきたいと思います。

 なお、各分科会の報告は次のとおり。

【第1分科会】身近な川の魅力と恐さを知ろう!
 パネリスト4名は、河川防災スペシャリストの立場での説明がありました。平成21年の九州、山口県、兵庫県での集中豪雨洪水では、避難場所が災害を受けたケースがあり避難箇所の見直しが必要とされるケースがあった。近年の災害では、避難行動や救援2次被害者が75%となっている。また、足腰弱い社会弱者の人たちには、ひざ上の水深では無理して避難するのでは無く二階や屋根などに待機や避難すること考えること。
 河川構造からは、河川を無理に直線化するのではなく遊水池の機能を持たせるべきなどの研究成果が披露された。

【第2分科会】越後平野と治水
 第2分科会では5名のパネリストがそれぞれの立場や分野で越後平野における「水」の歴史をふり返り、人々の治水に対する取り組みを紹介するとともに、これからの我々に何が必要かを考えました。様々な議論を重ねた結果、西澤コーディネーターは、地域の歴史や先人たちの知恵を学び「川とつきあう地域力を復活させ、高めていこう」というキーワードを選択し、全体会で紹介していました。

【第3分科会】水の恵みと健康
 最近、水を持ち歩く人が増え、水への関心が高まってきている。しかし、汗をかいた場合、マグネシウムなども一緒に排泄されるため、水だけを補っても不十分であること、高齢になると薬を常用する人が増えるが、それらの薬の中には利尿作用のある成分が含まれていることが多いため、水分を十分にとることなど、身近な話から、水の味と成分の比較、ノロウイルスの話など専門的な話まで、分かりやすく興味深い話であった。

【第4分科会】住民の協働による水辺のまちづくり
 「住民の協働による水辺の街づくり」として新潟の水辺で活躍する団体のパネリストから活動の紹介や自慢話をしてもらいそれぞれ地域に与える意義や影響を示してもらった。
あわせて、活動をしていく上での問題点や悩みなどについても解決のノウハウや姿勢についても提案があり、息の長い活動にしていくためのヒントがあった。
近年の河川環境の再生には、地域住民、市民団体、行政や企業の連携無しでは成りたたないので、これらの合意形成を諮りつつ進めていくことが重要であり、「とことん忍耐強く、ダメでも何度でも話し合う」それしかないのということを当会も活動の基本として取り組むべきと思います。

プログラムの内容