どろんこ池に浮島を

 10月21日(土)、暗雲が立ち込め、冷風が吹きすさぶ中、ネットの精鋭4人が五十公野公園の升潟から中央公園のどろんこ池の浮島への植物移植を行いました。
 まず、どろんこ池の浮島に適していると考えられる植物群を升潟の木道付近から選定する作業に入りましたが、花を咲かせている植物はほとんどなく、葉っぱのみの植物体から適正な植物を識別するのに難航しました。根を傷つけずに植物を採取するのには、細心の注意を必要とし、シャベル、スコップ、素手を駆使して行いました。

 採取できた植物は、コオニユリ、カキツバタ、ミツガシワ、ヒメシロネ、コバギボウシなどの湿生多年草植物約20種で、採取できた植物を素早くどろんこ池に搬送し、浮島への植栽作業に入りました。
 これは余談ですが、どろんこ池では、大きなコイと格闘している少年がいました。長い格闘の末、少年は大きなコイを釣り上げていきました。 
 コイのいなくなったどろんこ池での植栽は、浮島をどろんこ池に浮かばせながら、冷え冷えとした水中での作業のため、非常に難航しましたが、コオニユリ、ヒメシロネといった植物体高が1m50cm程の植物を浮島の中心に植栽し、コバギボウシ、ミツガシワなど植物体高の低い植物を浮島の淵のあたりに植栽しました。その後、浮島をどろんこ池中央へ配置し、重りを使って固定しました。

 浮島の下には、微生物が生息できるロープが設置されていることから微生物によるどろんこ池の水質浄化が期待できるほか、浮島に植栽した植物及び浮島事態の陰により、どろんこ池の水温の安定も期待できます。浮島の上は昆虫の生息域、浮島の下は水生生物の生息域となることも期待できます。
 初めての浮島設置であることから、今後の動態については不確かな要素が多いですが、前述で期待されることも多いので今後その経過を見守りたいと思います。

 尚、この度のバイオロープ付き浮島は、「日本ビオトープ協会」技術部会よりの寄贈によるものです。この場をかりて感謝の意を表します。
06_10_27_掲載_T.U