緊急シンポ「がんばろう新潟〜いま、私たちにできること」に参加して

パネルディスカッションの模様
 12月12日の夜、新潟ユニゾンプラザで「がんばろう新潟〜いま、私たちにできること」をテーマとしたシンポジウムがありました。これは、新潟県NPOサポートセンターなどが主催したもの。会場となった中研修室には100人以上が集まり、立ち見の人も出るほどでした。
 第一部はパネルディスカッション。長岡市、川口町などの災害ボランティアセンターで活動する5人のパネリストが、活動状況や課題を次々に発表しました。
 長岡の災害ボランティアセンターの笠井さんは、住宅に表示された赤、黄、緑の危険度判定で「黄」となった住宅に入室してよいのか悪いのかの判断が難しかった話や、本部は一箇所に止まり指示してほしいという意見もあったが、近くでないと見えてこないものもある、サテライトとして動くことも大切と、拠点を移しながら活動した話などを紹介しました。
 川口町に入った川瀬さんは、三条の水害時にもボランティア活動の経験があったそうですが、川口町の場合はその経験を生かす前に、スムーズにボランティアを受け入れない地域性の壁にぶつかり、地域の信頼を得るまで活動できなかったこと、道路が寸断され被災地の状況が分からないため、バイクで調べてからでないと救援隊が送れなかったため、時間がかかったことなどを紹介しました。
 他の3人の方の話も、一つ一つが頷けるもので、災害ボランティアの苦労の一端を感じると同時に、「これから私たちにできること」をひとりひとりが考えていかなければと思いました。また「ニーズって何だろう」「何でもやってあげるのがボランティアなのか」という投げかけもあり、手を出さず静かに見守るのも、人によってはニーズを満たすことになる、生きる力を導き出すことにつながるという話には、災害時だけではなく、普段の私たちの活動にも通じることだと考えさせられました。
ボランティアの人たちの活動発表
 第ニ部は11のボランティア活動の紹介。障害者や外国人の安否確認や情報提供、チャリティライブ、シャンプーサービス、絵本の読み聞かせ、カウンセリングなど、本当にいろいろな活動があることを知り、そういった活動を自らの生活よりも優先して考えている皆さんに、頭の下がる思いでした。

 最後にひとこと。12月半ばまでのボランティアの数は、約7万人にもなるそうです。しかし、その中で県内のボランティアの数は2万人しかいません。ほとんどは県外の方なのです。この実態をどう捉えますか。これから雪の季節を迎えます。「除雪のボランティアは雪に慣れている県内の人の手がどうしても必要」と主催者は訴えていました。

04/12/15掲載

sinoda