〜五泉のトゲソ生息地レポート〜
どばしっ子清水完成式&五泉トゲソ生息調査

 新潟県でイバラトミヨが生息する五泉・中条・新発田の3地域でそれぞれに活動する団体(五泉トゲソを守る会・中条イバラトミヨ・水芭蕉の会・加治川ネット21)が、お互いの情報を交換しながら連携していこう!と、今年、新潟県イバラトミヨ連絡協議会が設立されました。今回は、五泉地域の代表的な湧水地である土堀地区の『どばしっ子清水』に、湧き水小屋が完成したと連絡をいただき、お祝いに行ってきたのでその様子を報告します。また、五泉市の『土堀地区』と『猿和田地区』で行われたトゲソの生息状況調査についても合わせて報告します。

 11月7日(日) 湧き水小屋の完成式
 地域の方以外にも、遠くは千葉・東京からお出での方もいたようで、土堀地区どばしっ子清水の湧き水小屋完成式には、白木造りのとても可愛らしい小さな小屋におよそ50名が集まりました。完成式では、子供達と一緒にビー玉やおはじきを土間に埋め込んだり、みんなが思いを込めて書いた絵馬を小屋の壁に掛けたりしました。除幕式が行われたあとには、公会堂に場所を移してお祝いの餅つきなども行われました。(加治川ネットから心ばかりのお祝い酒を持参しました。)
 みんなで造った湧き水小屋と一緒に、五泉地区の湧き水が、いつまでも大切に守られていくといいですね。『どばしっ子清水』湧き水小屋の完成おめでとうございます。
高橋会長と地域の方々で除幕式 絵馬の奉納 公会堂でお祝いの儀

 11月13日(土) 五泉のトゲソ生息状況調査
 五泉ではイバラトミヨを『トゲソ』と呼んでいます。今回は、五泉地区のトゲソの生息環境や生息状況を確認するため、調査を見学したので、その様子を紹介します。
 今回調査したのは2地区。1つ目の『土堀地区』は比較的湧水の豊富な地区です。小さな水路ですが、イバラトミヨの他にスナヤツメやヤリタナゴ、アブラハヤ、ヤマメなど、とてもたくさんの生き物が捕まりました。
 魚類以外にはコオイムシ、タイコウチ、ミズカマキリなども捕まって、とても水辺環境の豊かなところだなぁと、つくづく感じました。ただ、トゲソを守る会では「このヤマメは夏の大雨の時に用水へ避難してきたのがたまたま取り残されてしまったのかな?」と話していました。
 もう一つの『猿和田地区』は延長50m程度の閉塞的で限られた環境の小さな水路でした。また、水草や岸辺の植物がびっしりと繁茂し、生活排水も流れ込んでいて、20p以上もヘドロがたまった、お世辞にも水環境が良いとは言い難い水路でした。でも、地下水位の高くなる時期には湧水量も増えて、本当は、もう少し良い環境なんだそうです。
 ところが、水草を刈りながらの生息調査で1区間(15m)に100尾以上ものトゲソが生息していたのには驚きました。閉塞的な空間のため、トゲソやスナヤツメ、ホトケドジョウなどがほとんどで、アブラハヤなど大きな魚類がいなかったからでしょうか。
 ただし、生息環境があまりにも限られているため「何かの理由で一度に全滅する可能性も高く心配だ」とも話していました。

 今回、五泉2地区の生息状況調査を見学して、新発田の六日町地区の生息数と比べて、各地区内(水路内)でのイバラトミヨの生息数の多さに感嘆を覚えました。
 新発田の生息地では、五泉地区のような湧水環境は望めませんが、少しでもイバラトミヨにも棲みやすい素敵な水辺環境が増えていくよう活動を続けていきたいと思います。
詳しい調査の結果については、五泉トゲソを守る会のHPをご覧ください。

04/11/15掲載