福島潟交流会2004
福島潟ラムサール条約登録湿地に向けて

宮田春男さんの基調講演
 10月24日、ビュー福島潟を会場に「自然豊かな福島潟を後世に伝えよう〜ラムサール条約登録湿地に向けて〜」が開催されました。
 加治川ネットでは、福島潟の湖畔を共有する地域(新発田市、豊栄市、阿賀野市)として、今後行われる福島潟湖面の拡張工事や自然再生の手法と地域防災に関する事柄とラムサール条約などを学習するために参加しました。前日発生した新潟県中越地震によりパネラーの猿山さんなど多数の欠席者が出たものの、県内外から50名弱が参加しました。
 「国と地元の人々とラムサール条約」と題した宮田春男(新潟大学国際センター)さんの基調講演では、ラムサール条約の登録要件が紹介され、それを踏まえて福島潟が登録湿地になるための方向性『鳥獣保護区に依存しない登録方法の模索』が示されました。
 基調講演を受けて進められたシンポジュームでは、1996年に登録湖沼に指定された佐潟、現在登録に向け活発な活動を展開している中海・宍道湖、現在、活動の展開方針を模索中の福島潟から活動が報告されました。
パネルディスカッション C:福原晴夫さん P:松木保さん P:本田清さん P:神谷要さん P:宮田春夫さん
C:コーディネーター、P:パネラー
 基調講演、シンポジュームをとおして@ラムサール条約は自然保護一辺倒でなく、「経済上、文化上、科学上及びレクリエーション上」という幅広い価値の維持を目的としており、福島潟はこれに合致する。また、福島潟の整備も「賢明な利用」を目的としたものであり、ラムサール条約に抵触しない。Aヒシクイとコハクチョウの2種類において登録の基準となる「水鳥の個体数1%を定期的に支える湿地」に該当している。B福島潟での取り組みは、ラムサール登録湿地の取組事例としても十分に国際的な参考情報の提供に寄与できる。の3点を確認し、『福島潟の「賢明な利用(Wise use)」を目指して、ラムサール条約湿地への登録に向けた活発な活動を進めましょう』とのアピールが承認されました。
04/11/02掲載