ハリザッコよいつまでも

清水所長さんから概要説明
 7月2日、ほ場整備工事と共存する雄物型イバラトミヨの現状掌握のため加治川ネット技術部主催事業として新発田市農林課、環境推進課の同行で現状掌握を行ってきました。

 説明は、秋田県仙北平野農村整備事務所・清水所長、伊藤副主幹、高橋技師から受け、千畑町役場農林課・鈴木係長、土崎小荒川地区環境保全連絡会議・鈴木会長、秋田県立短期大学・神宮字助教授、そして地元保全協議会会員のみなさんのから現地を案内していただきました。地域の宝物イバラトミヨと共生型農業の大切さを次世代につなぐための活動する姿勢を聞くことが出来、大変有意義でした。

保全池は回廊になって繋がっているんだよ
 千畑町では、H15年度完成したばかりの保全池を見ることが出来ました。同町では、古くから奥羽山脈からの『湧泉』(わき水)が豊富で田んぼの用水の多くは湧泉を利用し稲作が営まれていました。多様な生き物にとっては、基盤整備事業によりコンクリート製品のU字溝による排水路の布設や排水路掘削時に湧泉の地下水脈を分断するといったこと等、工事での障害により、多様な生き物たちが消滅の危機に瀕したとのことです。雄物型イバラトミヨは、生育分布はとても狭く、秋田県の限られた土地にしか生息していない絶滅危惧種AT類だそうです。絶滅の危機に瀕していたときに秋田県立大学の神宮字先生たちが絶滅危惧種がたくさんいることの地元のすばらしさを説き、地元の人たちと一緒にうまいく行く方法を模索中、秋田県の方で保全型農業をした工事費の掛かり増し工事費を負担する制度を 創ったそうです。

参加者全員で記念撮影
 現地を観ていろいろな話を聞いた後、よく冷えた「キュウリ漬け」と「なす漬け」をふるまって頂き、地元で人たちと意見交換をしました。「自分たちの地域でたくさんの生き物がいることで、わざわざいろいろな人たちが訪れてくれる。本当に良い地域だと自負している」と誇らしげに語っていました。また、イバラトミヨを介して良い環境を売り、秋田県と新潟県のネットワークを組むことも呼びかけられました。

 今回、短い時間の研修でしたが、地元耕作者の人たちからいろいろな話や、将来の夢を聞けたことが大きな財産となりました。

 秋田県の関係者の皆さん本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
地下水がとても豊富です 高低差を利用した循環水 田んぼの周りの自然水路

04/ 7/ 6掲載