「春の小川とイシャジャ」に出会って

 4月25日に新発田市六日町地区で行われた水生生物調査に参加し、昨年の夏以来久しぶりに新発田市のイバラトミヨに会うことが出来ました。
のどかに流れる川は、生き物の宝庫です。 (H16年から圃場整備が開始されこの川も無くなります)
産卵前のイバラトミヨ♀
 六日町の生息地では、成熟した個体も採集され、今年も繁殖が順調に行われる可能性が確認されたことは良い結果だったと思います。その一方、六日町で採集された成熟個体の体サイズは、他の生息地と比べて小さい感じがしました。これは、水深が浅いなど、イバラトミヨの生息に適した生息域が狭いことが影響しているのでしょう。昨年の8月の調査では、六日町の稚魚の平均全長は、五泉市のそれと大きな差は認められませんでした。このことから、六日町は稚魚が生息できる環境であるが、大きく成長するには十分な環境ではないと思われます。

いたるところにバイカモ群落がある
 また、六日町の調査の後、大斎地区のほ場整備事業の工事箇所に隣接した小川の調査を行いましたが、小川の岸辺にたたずんだ時には、こんなところにも「春の小川」が残っているのかと感動しました。小川の土手には、ムラサキケマンやネコノメソウなど可憐な花々が咲き、河畔には新緑に彩られた木々、水中にはバイカモがゆらゆらと揺れていました。川では、フクドジョウやヤリタナゴ、フナやタモロコなど多くの魚が採集され、驚きは、イバラトミヨもこの小川にも生息していたことです。六日町の生息地だけは、新発田のイバラトミヨも絶滅の危機が大きいと思っていたのですが、六日町の周辺にもイバラトミヨの生息地が残されている可能性が今回の調査で確かめられたことは、大きな収穫だと思います。
 六日町の下流域での調査は、今回が初めてだったと聞きましたが、加治川ネット21においては、これからも調査を継続され、地域の自然あふれる「春の小川」がいつまでも見られる新発田地域となることを期待しています。
五泉トゲソを守る会 樋口正仁

04/ 5/ 3掲載