新潟県ビオトープ管理士会 新春研修会に参加して

 平成16年2月14日(土)14:00〜17:00まで長岡市民センターにおいて新潟県ビオトープ管理士会主催による新春研修会が開催されました。この研修会を加治川ネットでは技術研修と位置づけ精鋭7名で参加しました。

 研究発表を聞いての感想

@「微生物を利用した生物農薬」斎藤裕貴氏
  農薬を副作用の少ない微生物で行おうと言う取り組み。生物には生物で対応する。人体 に影響が無いことが一番良い。

A「魚野川流域の融雪について」阿部真也氏
 分布モデル(100mメッシュ)をつかって、融雪量を計算で算出しようと言うもの。標高による気温の違いを入力し算出するもの。土地利用(山林なのか田畑、宅地等)の形態や、風データを考慮したものを入れたら、もっと精度が良くなるのでは?水の高度利用を行う ためにも必要ではないか。

 B「雪山に生きる樹木」北村 淳氏
  「根曲がり」については、本等から雪によるものと知っていた。フォークツリーは雪崩によるもの。シラカバ、ダケカンバのどっちかが、雪により45°も傾いても、雪解けには直立と なり、たくましく生き抜いている驚き。圧雪による枝下がりで積雪深を推定できる事が知れて大変参考になった。今度登山をするときには、木々の枝を観察し、雪がどの位積もって いるのかを思って、ゆっくり登って行きたい。

C「最新版、新潟県の温量指数」高橋洋輔氏

D「長岡東山のヒキガエル」中野雅子氏
  趣味で、ここまでの調査を行っているのは大変であったろうと思うし、ご苦労様です。ヒキ ガエルにとっては、谷止め工はあまり影響は無かったと言うことでしたが、もう少し調査の継続が必要ではないかと思いました。積算温度によるヒキガエルの冬眠から目覚める関係も分かりやすくて参考になりました。


E「自然再生の取り組みと課題」和田日朗氏
  国営公園のでの取り組みの説明。今後はどう維持管理に努めていくか。
  ボランティアでは長続きしない。支援する団体を育てる。里山も利益があるから守る。調 理・暖房用の熱源としてしていた。今はガス石油に取って替わられた。里山を守るそれ なりの覚悟いる。やり始めたら途中で止められない。とディスカッションあり。非常に難しくデリケートな問題である。


ビオトープ管理士会・管理士と公共事業との関係について

公共事業(土木工事)については、工事を行う際に、土木施工管理技士とかの資格がいる。環境や自然が大事と言いながら、自然を無視した工事が行われているのが実状である。ここで、ビオトープ管理士がクレームを付けても、蔑ろにされる事がほとんど思われる。ビオトープ管理士の地位向上が望まれる。工事については、ビオトープ管理技士のコメントをもらう、とかの工事の施工方法の改革が必要ではないか。(行政側にもビオトープ管理士の資格を取得してもらう。)

 全体的に若い人の発表で、言いたい事が少し専門的で分かり辛い面があった。仕事の合間をぬって発表準備して大変とは思いますが、この発表の場が将来に大いに役立つし、勉強にもなる。今後とも研修会の継続を望みます。

04/ 2/16掲載