「桜のシンポジウム」レポート

 文責 渡辺利道
冒頭挨拶する 片山新発田市長

「四季が織りなす ふるさとしばたの物語」ふるさとしばた桜の物語と題して、加治川ネット21が主催する「桜のシンポジウム」が、4月13日午後2時より生涯センター講堂で開催されました。
このシンポジウムは新発田市が四季折々の「ふるさとしばた」の魅力を再認識する場を、各種イベントを通して市民及び来訪者に提供することにより、まちの活性化につなげようと企画されたものです。
 今回、加治川ネット21はその先陣を切る形で、市からの要請によりシンポジウムを開催することとなりました。

斉藤潮教授 基調講演

当日は午後2時より、会長の挨拶の後、新発田市長より来賓の挨拶があり、「ふるさとしばた桜の物語」と題したビデオ上映がありました。
 ビデオには水害前の加治川桜の情景や、水害後の桜の伐採の映像が簡潔にまとめてあり、当時を知るものとして見ごたえのあるものでした。特に、桜の伐採シーンでは思わず目頭が厚くなってしましました。
 景観工学の第一人者で東京工業大学教授斎藤潮先生からは、「桜の鑑賞と地域景観」と題して、高松にある栗林公園を例に、景観には背景となるの山や川と言ったものが重要であることや、景観を配慮したまちづくりの事例、桜の鑑賞には桜の下での鑑賞と遠くから見る桜の景観が必要なこと、加治川は新発田市になくてはならない存在であり、二王子、飯豊山を借景にした加治川の桜は、まさにしばたの資産であることなどを熱っぽく講演して頂きました。普段、何気なく見ているものが来訪者にとってすばらしい魅力的なものとして映るということは、まちづくりのヒントになるし、加治川の環境を守るわれわれの活動が重要なのだと感じました。

 左から 小柳繁さん・斉藤潮さん・島貫正彦さん
      戸島幸男さん・中矢澄子さん・横山正栄さん
「なぜ、加治川のさくらか」パネルディスカッション風景

引き続き行われた「なぜ、加治川の桜か」と題したパネルディスカッションでは、参加パネラーより加治川の桜に将来に向けて活発な意見が出され、時間を大きくオーバーしてしまいました。参加者からは一様に加治川の桜は大きく育てれば他に誇れる資産であるとの認識で一致しました。
 今回の企画は、金銭面を除けば加治川ネット21というNPOに市が委託して実現したもので、運用面等に課題も残しましたが、行政とNPOが対等の立場で事業を進める試金石になったと思います。