「ハンノキ」君伐採してゴメンなさい。

原 作   田 代 和 吉
平成14年5月19日(日)午前9時から11時にかけて、新発田市は升潟湖岸に繁殖している「ハンノキ」君が伐採される事件が起きました。現場レポーターのカニのかずきち君にレポートしてもらいます。
こちら現場です。ではハンノキ君が伐採された事について、新潟県の希少種で升潟に自生している「ムジナスゲ」君にインタビューしてみたいと思います。今回の伐採についてどう思われますか。
ハンノキ君には悪いですが、伐採されて良かった思いますよ。彼は急成長しすぎましたね。急成長しすぎで大きくなり、私の日当たり場所を奪ってしまったんですよ。おかげで私の成長は悪くなった。人間に伐採されて良かった良かった。
では、同じく升潟の湖岸に繁殖する「ヨシ」君にもインタビューしてみます。今回の伐採の事はどう思いますか。
ハンノキ君の伐採のあおりを受け私は新芽を摘まれてしまいました。ハンノキ君が大きくならなければ、新芽を摘まれる事にならなかったのになー。
当事者のハンノキ君の意見を聞いてみましょう。ハンノキ君は何故急成長してしまったのですか。
私も好きで急成長したわけではありません。最近私の生息地に栄養(肥料分)が流れ込んできたので大きくなってしまったんです。栄養(肥料分)が流れ込んで来なければ、伐採されずにすんだのに・・・・。
では栄養(肥料分)はどこから流れてきたのでしょうか。
それは私の升潟のアヤメ園からだとおもいます。人間が私にキレイに咲いてねと思いを込めて栄養(肥料)を与えてくれた物が流れ出たんだと思います。
人間→アヤメ→肥料→ハンノキ→急成長・繁殖→ムジナスゲ→絶滅の恐れ→人間→ハンノキ→伐採となったわけです。以上現場からの報告です。
これで事件の真相が分かりました。
なお、ハンノキ君を全部伐採したのではなく間引き(ハンノキが10本あれば3本残し全部切らないこと)をしたのです。また切った木は、1m位に切りそろえ、キャンプファイヤーの松明の柄として利用した り、升潟の護岸の杭に使われます。人間が行動することで小動物や草木に大きな影響を与えます。今回はアヤメの施肥で、升潟の環境がくずれる事を人間が防いでいると言うことでした。
以上「ハンノキ君伐採してゴメンなさい」と題しハンノキ伐採事件をお送りしました。