山 行 記 録

下廊下(しものろうか)→阿曽原温泉(あそはらおんせん)→真砂沢小屋(まさごさわこや)
→別山(べっさん)→室堂(むろどう)



コースタイム
2002年9月20日(金)
19:30新発田出発 (新潟西IC〜糸魚川IC、 ルート148、 長野県大町〜大町アルペンライン) 11:45扇沢駐車場着 テント設営 12:40就寝

2002年9月21日(土)
0430起床 テント撤収 0615切符発売開始 0700扇沢駅トロリーバス始発に乗車 0751黒四ダム出発 0917真砂沢登山道に入り間違いに気づく
1050鳴沢小沢 1130別山沢雪渓 1200ー1230昼食 1242白竜峡 1333十字峡吊り橋  1407作郎谷合流点 1417半月峡 1502東谷吊り橋
1528仙人谷ダム 1611仙人谷分岐 1625阿曽原温泉小屋 1800夕食 2000消灯

2002年9月22日(日)
0530起床 0600朝食 0640阿曽原温泉小屋発 0657仙人谷分岐 0931仙人谷下部 0940仙人谷温泉 入浴 1006仙人谷温泉発
1155仙人池小屋 昼食 1300仙人池小屋発 1314仙人岳 1428二股 1546真砂小屋 1700夕食 2010消灯

9月23日(月)
0430起床 0500朝食 0600出発 剣沢雪渓 0747アイゼン取外し 0830剣沢小屋 0845剣沢小屋 1000別山山頂 1020別山出発
1045剱御前小屋 1220室堂ターミナル 1315発トロリーバス乗車 1450扇沢駅着 

同行者:石井 安沢 二瓶 諏訪 渋谷



出発の前日に、阿曽原温泉小屋に電話し、黒部「下の廊下」の状況を聞くと、「別山谷の雪渓が落ちそうでなので、通れるか解らない、
行ってみて危険なようだったら途中で引き返すように」と言われる。行ってみなければ解らない状況だった。

仕事を終えて夜出発。 扇沢の有料駐車場に入ると、すでにたくさんの車が駐車してあった。なるべく一番端に車を停め、その脇
にテントを張り、軽く天気祭りをしてから寝袋に入る。
夜中に車の音が何度か聞こえた。朝起きてみると、すぐ隣にテントが張ってあり又周辺にもテントが張ってある、車もたくさん駐車してあった。
夜行でやって来る登山者が多い。

翌朝扇沢バスターミナル前で朝食、周りは観光客がとても多い。たくさんの人達がバス待ちで並んでいた。そして一番のトロリーバスに乗る。トンネル
内は一車線だが中間地点に交差点があり、上りと下りのバスがすれ違う。このトンネル工事は、映画「黒部の太陽」で、難関工事だった事が
思い出される。 黒四ダム駅に到着。たくさんの観光客や登山者の流れに付いて行くと、「下廊下」の登山道を間違え、ダムを渡って
しまった。再び戻り、駅の関係者に案内して貰う。標識がわかりにくいため、始めて来た者には間違いやすい。
今後は標識をしっかりとさせるとのことでした。時間のロスで、2番のバスと同じ到着時間になる。「下廊下」入り口には立ち入り禁止の看板が
ありました。何故立ち入り禁止にするのか、危険だからなのだろうか。

迫力ある黒四ダムを見ながら、黒部川の橋を渡り左岸に行きヘツリ道を行く。途中で再び道を間違えてしまった。高度がどんどん上がり
気が付いた。内蔵助谷出合だった。そこは、立ち入り禁止の看板が有った所で、左方向に行ったのが間違いだった。 立ち入り禁止
となっていても、「下廊下」方向と書いて有れば間違わなかったのだが、でも立ち入り禁止と書いてある所を行くのは、なんとなく気が引ける。
登山道(元作業道路)は、作った人達の苦労が伺えるヘツリ道の連続でした。 よく、この様な道を造ったものだと、かなりの難工事だったのでは。
心配していた別山谷雪渓もまだ落ちて無く、登山道と雪渓を結ぶ梯子が水平に掛けられており、緊張しながら、なんとか通過する。
この雪渓が落ちるのは時間の問題だった。 白竜峡、十字峡、半月狭と通過し、この絶景もそろそろ飽きてきたと思う頃、仙人谷ダム
に到着。 此処まで来れば一安心。 緊張の連続だったせいか、一同ほっとする。

ここには関西電力黒部専用鉄道のレールがあり、黒部渓谷一帯をトンネルで結んでいるようだ。トロッコ電車が来たら
怖いなー等と考えつつ作業用の通路を通る。 付近には鉄筋コンクリートの立派な宿舎があり、奥深い渓谷には
考えられない様な建物でした。 
やがて阿曽原温泉に到着する。若い御夫婦で管理していました。宇奈月温泉側のトロッコ電車が、崖崩れのため通れない為、宿泊客は少なく
空いていた。1時間置きで、男女が交代で入浴する露天風呂は湯量も多く、とても気持ちが良かった。 又山奥なのに自動販売機がある。
ありがたくビールを購入する。夕食はカレーライス、フライ、サラダと豪華。 そして広い部屋でゆったりと、布団に寝ることが出来ました。
いつも、このように快適な小屋泊まりだと良いのだが。 翌朝は暖かい朝食をいただき、ゆっくりと出発する。

昨日は、ほぼ水平道だったが今日は登りである。 登山道脇に咲いてるピンク色のトラノオが綺麗だった。
仙人岩屋ではヒカリゴケ(宇奈月町指定文化財)があるとの看板。中を覗くと左奥に一部光った物を発見、光を浴びて苔が光るようです。
確か群馬県の鬼押し出しでも見たような? 登山道から温泉の湯煙が見えた、仙人温泉だった。ここは一般の人は簡単に来れない、
秘境の温泉である。小屋前には露天風呂があった。そこから見る雲海上の白馬〜鹿島槍ヶ岳は何とも言えない絶景である。
小屋の中を覗いても誰も居ないので、勝手に露天風呂に入る。女性用は小屋の裏手に有った。露天風呂の開放感が何とも言えず
気持ちが良かった。入浴後、再び小屋の中に入り声を掛けてみると、管理人さんが奥から出てくる、寝ていたようだ。入浴料500円を
支払い出発。
 
やがて仙人池ヒュッテに到着する。
以前にTVで紹介されていた女性の管理人さんが居られた。そして一緒に写真撮影。 ここでビールを購入、池の前で乾杯し昼食を摂る。
ここは剣岳の絶好の撮影ポイントのようで、紅葉と池に移る剱岳はとても良さそうである。残念ながら剣岳は、雲から出たり、隠れたりで
いまいちだった。 ここで初めてたくさんの登山者と出会う。 今度は、仙人池ヒュッテで一泊して、写真撮影をしたい所である。
仙人岳からは仙人新道を下る。途中大きなガマカエルと遭遇、この辺の主のようだった。二股近くで登山道を整備されている方に会う。
そして登山道と雪渓に、水平に掛かっている梯子を渡る。ここが梯子谷乗越分岐なのか? その沢でも工事している方と会う。山奥
での工事はとても大変だと思う。やがて真砂沢ロッジに到着する。

ここは雪崩で建物の半分が使用不可能で、収容人員が約24人位との事。管理人さんが部屋割りする迄、荷物は廊下に置いておく。
小屋の周りは石積みで、中はプレハブの様な作りで暗い雰囲気だ。部屋は我々の他に東京の若い夫婦2人で、畳み6畳で7人のスペース
でした。登山道の工事している人達も、ここに宿泊していました。夕食はカレーライスとみそ汁。二晩続けてのカレーであるがコクがあって美味
しかった。お代わり自由なのが良い。夕食の最中に、管理人さんの無線機の音が響く、前剱で事故があったようだ、生々しい声が聞こ
えてくる。 滑落事故が起きたらしいが、詳細は判らなかった。夕食後は早々に就寝でした。

朝食は思ったよりも豪華で、余ったゆで卵を行動食に全員戴く。
天気は小雨、最初から雨合羽を着用して、小屋前の剱沢雪渓を登る。この時期に未だ雪がたくさん残っている、万年雪である。
途中ルートを間違いながらも前進。だんだん急になりアイゼンを装着して登る。やがて剱沢山荘に到着、立派な山荘でした。
周辺にも色とりどりのテントがたくさん張ってあった。小休止後別山に登る。ガスで周りの風景は何も見えず。山頂には立派な祠が建って
いました。天気が良ければ、雄山に行きたかったのだが断念する。軽く食事を摂り、室堂目指して下山する。途中雷鳥と思った鳥は
ホシガラスだった。
  
室堂付近の紅葉はとても綺麗だった、そして観光客で一杯でした。
待合室には、黒四ダム建設時の写真や石原裕次郎の「黒部の太陽」のシーンが大きく飾られていた。
この映画は、確か学校の授業中に見た様な記憶がある。 是非もう一度見てみたい、けれどもこの作品に関しては石原裕次郎氏
の並々ならぬ想いがある様で、残念ながらビデオ化はされてはいない。どこで見ることが出来るのだろうか。
そしてターミナルで昼食後、観光客に混じり乗り物で一気に扇沢に下る。