穂高連峰縦走記

2000/08/05〜07
新穂高温泉〜ロープウエー〜西穂山荘〜西穂高岳〜奥穂高岳〜白出沢〜新穂高温泉


 行動記録
1日目 : 1517新穂高ロープウエィー終点発 登山開始  1608西穂山荘着  一泊
2日目 : 0310西穂山荘出発 0351独標 0456西穂高岳 0735天狗の頭 0747天狗のコル
       1000コブの頭  1120奥穂高岳  1156穂高岳山荘着 一泊
3日目 : 0435穂高岳山荘発  0815白出小屋 休憩  1050新穂高ロープウエィーP着
 山岳会のK氏から、穂高に登らないかとの事で、北アルプスに行った事のない私は、憧れ半分で承諾しました。 行く前に岩登りの練習をするとのことで、内ノ倉ダムの杉滝岩で岩登りと、ザイルワークの練習を実施する。 西穂高岳〜奥穂高岳縦走コースのガイドブック等を見ると、日本で一番厳しい一般コースと記されている。 このコースでは、たくさんの滑落事故が発生している様です。行く前から緊張がみなぎる。

新穂高温泉に着いた頃、猛烈な雷雨で車の外に出ることが出来ない。光ってすぐに雷鳴の状態がしばらく続く。 雨も小降りになり、ロープウエーで一気に2156m地点まで行く。 ここまでは一般観光客がとても多い。 登山道でもやはり観光客が気楽に、西穂高山荘まで行くようだ。 第一日目は1時間くらいで西穂山荘に到着する。 山荘は超満員でした。畳2枚に5人位のスペースで泊まることになる。 部屋は蒸し暑くて寝苦しい。寝返りが打てず、隣の人の体温が暑く感じられる状態でした。 廊下はたくさんのザックで足の踏み場がなく、又部屋から避難してきた人も寝ている。 これでは眠れず明日の山行に差し支えると思い、広場を探す。唯一玄関のホールにスペースがあったので、そこで寝袋を広げて寝ることにする。部屋よりもずっと快適でした。

翌早朝K氏に起こされる。時間は午前2時過ぎ、外に出てみると空には星が出ている。山荘前で出発準備をしていると、我々と同じコースを行くらしい登山者、5〜6人が起きて来て出発準備を始める。 真っ暗闇の中、ヘッドライトを点けて出発。ライトの明かりで足下しか解らないが、岩に付いてある白ペンキを頼りに登って行く。 途中には以前に松本高校のパーティが、雷で遭難した時の慰霊碑がありました。 西穂高岳に着く頃から周りが少しずつ明るくなってくる。 今のところは晴天のようでした。  ここから先は難所ばかりなので、身を引き締める。 浮き石を掴まないように注意し、アップダウンを繰り返えして進む。 崖ばかりの中、雷鳥に遭遇しほっとする。 又遠くには富士山や、周りの山々が綺麗に見える。今来たところを振り返ると、よくあんなに急な所を通過してきたと感心する。見た感じと実際では、かなり違う様だ。 天狗のコルで、奥穂から登ってきたパーティと会う。天狗沢はエスケープルートになっているが、よく見るとガレ場で、よほど注意して下りなければ落石が、すぐにでも起きそうな所でありました。

奥穂に向かって登り始めると、岩が崩れた様な大きな音がした。見てみると天狗沢に人がいる。下山途中に落石を起こしたようだ。大丈夫らしいので先を行く。途中の岩に支点があった。「ザイルをせっかく持ってきたのだから、使おう」とK氏。 わざわざ懸垂下降で降りる。やがてジャンダルムに着くが、山頂迄はすぐに行ける様だが、天気がだんだん怪しくなって来たので、そのまま巻いて行くことにする。 靴の幅しかないところを慎重にトラバース。通過後振り返って見ると奥穂側から見るジャンダルムは、とても険しい魔の山という感じでした。ロバの耳をトラバースし、そして馬の背、両側が深い谷で登山道の幅は狭い。ゆっくりと慎重に登る、途中で両側を覗いてみると、高度感があり足がすくむ。そして、やがて奥穂が目の前に迫る。たくさんの人が見えました。

奥穂高岳に着いたときは、無事に縦走できた満足感で、思わずにっこり。K氏と握手。 ここからは立派な国道だね等と話しながら、最後の梯子場を慎重に降りて穂高山荘に到着。山荘前の広場で昼食を摂っていると、やがて猛烈な雷雨が襲ってくる。高山の雷は中途半端ではない、恐ろしいくらいである。光ってすぐに雷鳴又雨も土砂降り。この状態が途中の岩場で遭遇していたら、かなり危険だったと思う。夏の時期は午前中が勝負のようです。西穂高山荘を早く出発したので、雷雨に逢わずにすみました。夕方には雨も止み、笠ヶ岳が綺麗に見える。 長い間、緊張の連続だったせいか、夕食後はすぐにダウン。

翌日は白出沢を下山しました。 途中には雪渓があり、又沢のトラバース等で緊張する。でも無事に新穂高温泉に到着でした。 

※岩山で、とても心に残る山行でした。
 
 
 

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