2003年 3月21〜22日
 デトヒラ尾根から杁差岳に行って来ました。(バリェーションルート)

 コースタイム
3/21:
0600五十公野公園出発 0800奥川入莊から登山開始 0958十文字池 1050西俣ノ峰 1150鞍部 1210広河原  1315泊まり場 1420テント設営完了

3/22: 0400起床 0610出発 0930入り平尾根分岐 1007杁差岳山頂 1030下山開始 1036入り平分岐 1226テント撤収  1305テント場出発 1321広河原 1405鞍部 1449西俣ノ峰 1643奥川入り莊
 メンバー:藤井 石井 川崎 坂場 上條 渡辺 二瓶 松尾 坂井 渋谷 若月(日帰り参加)
 下越山岳会の会山行で、飯豊連峰杁差岳に登ってきました。
早朝五十公野公園に集合。空には星が輝いている。山形県の国道から県道に入ると、道路上は昨晩積もった雪で滑りやすい。登り口の奥川入り莊に到着。付近にはまだ雪がたくさん残っている。ここに車を置かせていただき、共同装備を分配。計10人で西俣ノ峰(1023m)を目指して登る、テント持参の冬山装備でありザックは重たい。昨晩新雪が積もったが、他のグループのトレース後が有った為、西俣ノ峰迄は比較的に容易に登ることが出来た。 西俣ノ峰山頂では先行のグループ4人が休憩していた。良く見ると先週粟ヶ岳の登山で会った人達(加茂市)だった。そのグループは日帰りで、枯れ松峰近くまで行って来るとの事でした。ここからは目の前に真っ白な鉾立峰、杁差岳が眼前にそびえ立っていた。これから行くデトヒラ尾根も確認できる。小休止後、ビーコンを装着して尾根の下りに入る。400m程下ると広河原(標高600m位)である。何年か前にここで雪崩に逢って遭難した人が居るとのこと。心でご冥福を祈る。この付近は雪崩の巣のようだ。今は雪がしっかりしているので大丈夫そうであるが、気温が上がると怖いと思った。デブリが東俣沢を被い、沢を難なく渡る。 入り平尾根も確認できる。ここからデト平尾根の登りである。200m程登り標高800m付近の小さな広場に到着。 ここしかテントを張る所がないようである。それでも尾根の両側は切り立っていました。 雪面をスコップで整地して、2張り設営する。 時間がまだ早いので、全員空身で、1000m付近まで偵察に行くことにする。痩せ尾根上をラッセルしながら前進するが雪瓦とクレパスの連続である。明日の山行は厳しいモノとなるのが感じられる。飯豊本山や頼母木山、大境山が綺麗である。 今日途中までのルートを作った事で少しは楽になるだろうと感じながら、ベーステントに戻る。やがて2つのテントでは宴会が始まる、いろいろな歌が飛び出し、2つのテント内を行ったり来たり。外に出ると満天の星で明日は晴れそうである。その内に一つのテントに全員が集まり、狭いながらも大宴会が開かれた。怪しい歌やお経迄飛び出し盛り上がる。夜も更け明日の山行の事もある為、それぞれのテントに戻り就寝する。
翌朝は昨晩のご飯の残りで、雑炊を作り朝食を摂る。杁差岳はサブザックでの登頂である。出発準備をしていると、同じ会の若月氏が我々と合流する。この時間に、ここ迄登ってくるとは凄い体力の持ち主である。かなり早く登ったにしても、私には考えられない出来事と思った。合計11人となり杁差岳に向かって前進する。先頭を行く人は2番手とザイルで結ばれてのラッセルである。深いクレパスの上に一昨日降った雪が被い隠して、落とし穴状態である。一歩一歩ピッケルを突き刺し、クレパスや行く手を阻む痩せ尾根の雪瓦に、注意し緊張しながらの前進であった。天気が悪ければ、間違いなく撤退していただろう。天気が良く周囲は、朝日連峰、蔵王連峰、飯豊本山がとても綺麗だ。途中ワカンからアイゼンに履き替え急斜面を登ると、入り平尾根の合流点上に出る。 目前の真っ白な杁差岳が見える。ここからは比較的傾斜もなだらかで、鉾立峰、杁差岳が目前に見え、緊張が解ける。 やがて杁差岳山頂に到着する。我々の他は誰も居ない。新潟の山々がとても綺麗だ。何とも言えない風景である。ビールで乾杯して記念撮影。しばらく風景を堪能してから下山開始する。下山はクレパスをジャンプして乗り超えたり、ザイルを降ろして下降したりする。途中で数人がクレパスに落ち、緊張するが、無事に救出してベースキャンプに到着。早々にテントを撤収して再び下山開始。広河原で東俣沢の水を補給する。とても美味しい。ここから又400mの登り返しである。小休止後登り返していると、表層の雪がたくさん落ちて来て雪崩かと、緊張するがやがて収まる。ザックが重く肩に食い込む中、やっと西俣ノ峰に到着。ここで大休止。そして無事に奥川入り莊に到着する。天気が悪ければ杁差岳山頂迄は行けなかったと思う。又新雪が積もったお陰で、両側が切り立った痩せ尾根も、なんとか通過することが出来た。 この時期での杁差岳は始めての登頂、真っ白な飯豊連峰を望むことが出来とても心に残る山行でした。 

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