2007年9月22日〜24日


  門内岳〜北股岳〜大日岳〜飯豊本山 へ行ってきました。


  メンバー : 一泊二日組  上條 田辺 渡辺し 諏方 
         二泊三日組   佐久間 高橋 石井 渡部 渋谷



  コースタイム: 
     9月22日
       0600五十公野公園発 0730飯豊山荘P 0750登山開始 0923湯沢峰 1057五郎清水 1210梶川峰
       1330扇の地紙 1350門内小屋  1517北股岳 1600梅花皮小屋 泊
     9月23日
       0400起床 0626梅花皮岳 0650烏帽子岳 0755御手洗の池 0815-1045天狗の庭 1134-1233御西小屋
       1334-1436大日岳  1535御西小屋 泊
     9月24日
       0430起床 0608御西小屋発 0645玄山道分岐 0726駒形山 0745-0752飯豊本山 0923宝珠山
       1142休場の峰  1415桧山沢吊り橋 1437温身平 1458飯豊山荘



 飯豊の稜線上にある、天狗の庭の植生復原作業(飯豊実証試験)に行ってきました。
 下越山岳会では一泊組(梅花皮小屋)4人、2泊組(梅花皮小屋、御西小屋)5人の計9人での参加である。
 梶川尾根から登山開始、今日の泊まり場、梅花皮小屋目指して登る。9月の後半なのに気温は高くて辛かった。
 登山道脇のブナには美味しそうなツキヨタケがびっしり生えていた。キノコを割ってみると判るのであるがツキヨタケとヒラタケは
 間違いやすい。 何年か前、オンベ松尾根で大量に採取したヒラタケを思い出す。とても美味しかったのである。
 五郎清水に着くとたくさんの人達が休憩していた。 顔見知りの人達が居た。本間一人さん、小国山岳会の井上さん
 新潟のいっちゃん。 天狗の庭の植生復原作業に行かれる人達だった。 先に登って行かれたが、梶川峰で再び
 合流する。皆さんここから、植物の種を採取して行くとの事で我々も採取しながら登る。ヌマガヤ、ヒロハノコメススキ
 という名前で稲科の植物だそうです。 

 石井さんが管理人された門内小屋に着いて、みんなでトイレ掃除を実施した。石井さんは門内清水の状況を、確認しに
 行く。良い水が出ていたとのことでした。 北股岳山頂に到着して、新発田方向のオウインノ尾根の登山道を見に行く。
 登山道は綺麗に刈払いされていた。 早く掛留沢の駐車場迄の林道を開通させてくれないかと願うばかりである。

 梅花皮小屋は、ほとんどの人が植生復原作業に集まった人達ばかりで大盛況だった。
 そして夜は大宴会が催された。 環境省から飯豊実証試験を委托された(株)ニュージックの川端さんが明日の作業
 の説明をする。

 翌朝、梅花皮小屋前で胎内市の亀山さんと会う。門内小屋に泊まったとのこと。同じく天狗の庭の整備に参加
 されたのでした。昨日天狗平ロッジに、我々の為にお酒の差し入れを、していてくれたのである。
 天気は小雨でカッパを着用して、梅花皮小屋から、土のう袋やネットを天狗の庭まで各自運ぶ。
 参加人員は約50名くらいだろうか。 みんな飯豊の山を愛する人達が集合したようです。

 以前は、天狗の庭の中に登山道があり、そして周辺は草原であった。又昔ここでテントを張って宿営をもしたそうです。 
 しかし現在はガレ場がどんどん広がりつつあり、昔の面影はないそうです。 
 植物の種を集めたりネットを張ったりする人達と、土留め作業をするグループに分かれる。 
 我々は川端さんの指導の下で、土のう袋に土を詰め、土石の流出防止の作業を実施した。 約50袋の土のう袋
 を造り設置する。又大きな石を集めて、小さな堤防を何カ所か築いた。 標高が高いせいか、結構きつい作業で
 あった。 ほとんど休憩もせずに頑張り、土のう袋を使い果たす。 とりあえず我々は任務を終えたので、
 みんなと別れ御西小屋を目指す。 御西小屋手前で、前回の作業で張ったネットを点検して、剥がれた部分を
 修復しながら行く。 何年かしてここに草原やお花畑が出来ればと願いつつ作業を終える。

 御西小屋で昼食後、大日岳を目指す。午前中の作業の疲れか、空身なのに登るのが辛かった。
 視界は一時的にガスが晴れる程度でいまいち。 そして久しぶりの大日岳山頂、静かで気持ちが良かった。
 みんなでしばし昼寝をする。小屋に戻る途中で、新潟の小林重一さんに会う。新潟日報社の登山ガイドをされてい
 ました。夜は同じ小屋泊まり、小林さん差し入れの鳥肉をいただきながら、ヒマラヤやK2の山のお話を聞く。 日が沈む頃、
 雲海上の北股岳や烏帽子岳がとても綺麗だった。空気が澄んでいるせいか、夜は日本海に浮かぶ漁り火の明かりや、
 新潟市、喜多方市などの夜景がとても綺麗だった。空を見上げると、なにも遮る物がなく、人工衛星が見えるほど
 満点の星空だった。

 翌朝は晴天。日本海側は大佐渡山脈がくっきり見えるほど空気が澄んでいた。
 福島県方面は雲海上に浮かぶ磐梯山。山形県側は雲海上に浮かぶ朝日連峰が見えた。 御西小屋を、気持ち良く
 出発して玄山道分岐で休憩。ここで弘法清水の場所を教えて貰う。 清水は地面から湧き出ていて、冷たくてとても
 美味しい水でした。大ー尾根を下るために水をたくさん補給した。

 やがて飯豊本山に到着する。山頂の標識杭は新しい物に取り替えられてあった。ここからも遠くの山々が雲海上に
 浮かびとても雄大だった。 青空の下、十分に風景を堪能して大ー尾根を下る。 やがて山頂部分はガスに覆われて
 見えなくなった。 

 尾根の途中に、足が吊って自分の荷物を担げない、60才くらいの単独登山者が居て、他の3人グループが支援をして
 いた。水がないとのことで、その方に水や薬を与え、我々も荷物を全部持ってやる。
 その登山者は我々が22日に梶川尾根を登るときに、具合悪そうに登山道脇に座っていた人だった。その時には我々
 が塩胡椒を与え、その後元気になったようで、本山まで来て大ー尾根を下ったようだ。 薬が効いたのか元気になるが、
 疲労のせいか足がもつれて危なっかしい。 支援をしながら下山、そして予定よりも大幅に遅れて、何とか
 飯豊山荘駐車場にたどり着いた。
 残念なことに、その方は我々に対してお礼も言わず、又我々が車で去ろうとするときに、背中を向けていたのである。
 我々は、別になにも求めてはいないが、最後はむなしい気分で家路に帰りました。
 天狗の庭の復元作業を手伝い、そして天気も良くなり、飯豊の雄大な風景を見れて気分が良かったのに、
 最後に考えさせられた山行でした。  



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植物の種集め

あと少しで梅花皮小屋

天狗の庭

天狗の庭にて

御西小屋から

御西小屋から磐梯山

御西小屋から

御西小屋より大日岳

御西岳付近より大日岳

飯豊本山

飯豊本山


本山より大日岳

飯豊本山

本山より大ー尾根

大ー尾根より烏帽子岳