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エジンバラと英国の患者


 エジンバラ支部は会員数300人、私が最年少、私の次に若い人は五十代、昨日のミーティングは老人会の集まり(失礼)のようでした。日本の患者さんはパワーがあるし、コンピュータを使える人が多い。あまりのことに愕然としています。(と)


 若年部会の実態が少しずつわかってくるにつれ、若い患者さんの場合、実際に活動に来られる人が少ないということが理解できるようになりました。

 若年性患者さんがいないように見えるのは、若い患者さんがいないわけではなく、若い患者さんの場合、医師がパーキンソン病であると診断を行う確立が低くなること、エジンバラは小さな町なので患者さんが病気を近所の人に知られたくない思う場合があること、そして自分も病気について知りたくないこと、などではないかということではないかと思いますが、どうでしょうか。

 そうかなあ、エジンバラにはいないのかなあ。
 とおもっていたら、ある記事を思い出しました。

 ロンドンの若年部会LASERの会長クリス・ヒルさんが、2001年10月発行「SPRING21号」に英国内と欧州で行われた若年患者の年齢分布の調査結果について報告しています。

 クリスさんによると、調査結果の正確さを誤差25%以内に収めるためには、40代以上の人が18,000人以上住む地域で調査する必要があるそうです。これは人口4万人ぐらいのコミュニティに匹敵します。1997年に行われた「EUROPARKINSON STUDY」は、フランス、イタリア、スペイン.オランダの総数75,000人(全年齢)を対象に行われました。

 一方、「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」(2000年7月1日号)は、ロンドン地域のパーキンソン病患者の年齢分布について、12万1000人を対象に行った調査の結果を報告しています。この結果の誤差は15%未満です。

 さて、このロンドンでの調査の結果は、Idiopathic PD(すいません英語で)の患者さんは健康な人も含めた全人口10万人につき、168人(約0.17%)。年齢50−59の同109人、70−79の人は961人(0.96%)、80代以上の人は1265人でした。

 この調査の結果は、欧州や英国のほかの地域でも同様の数値となっており、パーキンソン病患者の人数分布で地域差はないとしています。また、人口の10−20%の人が、パーキンソン病でありながら、パーキンソン病の診断を受けるにいたっていないと報告しています。

 そして、ロンドンのパーキンソン病の患者さんは、10万人当たり約200人、つまり、英国の患者さんは12万人ということになります。

 ロンドンの調査では、ロンドンの調査対象地域(居住者4万人をカバーする地域)の中で、パ患者のうち60代以下のパーキンソン病患者は17人でした。そしてその17人のうち、30−39才が2人、40−49が2人、50−59歳が13人でした。

 これを、ロンドン全体の人口680万人(ロンドンの総人口)にあてはめると、30−39才は80人、40−49才は110人、50−59歳は780人となり、ロンドン全体ではパーキンソン病患者さんは970人にいるということになります。
 エジンバラの人口は何人だろう?
 日本の患者さんの年齢別の人数の資料などはあるのでしょうか?(と)


http://www.lilly.co.jp/health/parkinson/tok/t8_1.html
にグラフで紹介されていますが、数値が1996年度すなわち5年以上前のものです。 (S)


 大変参考になりました。ロンドンでは10万人当たり患者さんが200人ぐらいいいるのではないかとのクリスさんの推定がありますが、日本は10万人に付き100人なのですね。これは大きな違いですね。リサーチは十分な調査対象がないと行えないということで、これはかなりの準備と時間が必要なようです。就労年齢の患者さんはグラフを見ると、やはり、患者さん全体の圧倒的少数派になるようですね。
 若年性のデータが少ないことを非常にかんじます。(と)