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がん患者学


 本書は、直接P病に関係する本ではない。が、去年読んだ本のなかでインパクトを受けた一冊だったので紹介したい。

 柳原和子というノンフィクション作家が書いた『がん患者学』がそれだ。
 著者は、1997年に卵巣がんを告知され、末期がんと宣告された。その後10年、20年と生存している患者をインタビューし、その暮らし方の記録、医者との対話、それに自らのがんとの共生の記録を加えてまとめたのが本書だ。

 長期生存患者の多くが、手術や抗がん剤など現代医療のほかに、自然食や健康食品、心理的療法などの代替療法をつづけている。また、ストレスの多い生活を根本から変えている。
 「がんは個別的な病であり、治るために病院で受ける医療は一部分なのだと実感した」と、著者は述べている。

 P病のみならず、すべての病気に同じことがあてはまるようだ。
 偶然とのことだが、著者の母親も同じ年齢に同じ卵巣がんを発病して、亡くなったそうだ。その故か、著者の執念のようなものが伝わる分厚い一冊である。
 幸い著者は経過が順調で、元気に活躍しており、NHK教育TVのETV2001シリーズというドキュメンタリー番組でも、4日連夜で同じ内容の放送があったと聞く。

 「みんながそれぞれの『患者学』を始めてほしい。そうすることで、患者がどんな医療を望んでいるかが伝わり、医療を緩やかに豊かに変えていけるのでは。」そう著者は語っている。

 このサイトは、いわば『P病患者学』の一つの具体化ではないでしょうか?
 ★読んでみたくなった方のために:柳原和子著『がん患者学』(晶文社,2000年発刊,\2,600-)(W)


 まさに難病患者学といった趣ですねえ。
 P病患者学に重ね合わせてみることの出来る部分も多くありそうです。
 > このサイトは、いわば『P病患者学』の一つの具体化ではないか?
 そうでありたいと思います。そのような患者の増えることを期待しています。(?!)
 患者の増えることを期待しているわけではないですよ。(^−^)
 患者となってしまった方々が、それぞれに病と共に「健やかに生きる」生き方を見いだし得たら「最高です」。(s)


 今、英国の幾つかの医科大学で医者を目指す学生に、ガンや様々な病気の患者に直接接し、患者がどういう気持ちで病気と闘っているかを知ってもらうという研修があるそうです。
 それは 患者にいたわりのある言葉をかけると、患者の体調がよくなるとの研究報告を受けて、医者にも病気は肉体だけの治療ではないとという見方が広がってきているためのようです。

 英国イングランドの西部にブリストルという都市があるのですが、そこにブリストル・キャンサー・ホスピタルとかいう病院があって、ガン患者へのホリスティック(心と体をコンプリメンタリーセラピーをまじえて治療する)なアプローチを行なっています。プライベートなので安くはないですが、カウンセリング、瞑想、リラックス法、正しいダイエットなど、患者自身の自己治癒力を高めることを目的としたプログラムを組んでいます。

 ここにはサイトもあります。こころの持ち方とサポートと自己治癒力の強化、これがキーワードでしょうか。さらに自分に合った医療ですね。(t)