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FP錠(セレギリン)


 FP(塩酸セレギリン‐Selegiline)は長年にわたって効果を疑問視する声は海外でも日本でも有るようですが、海外ではかなり普通に使われているような印象を受けました。

 英国のPD Societyが出しているDoctors As Patientsという小雑誌(P病を患っているお医者さんの体験談)でも使われている様子が書かれていました。私が読んだ日本のP病の案内書にも、効果が有り、使いやすい薬と出ていました。しっかりした経歴でしっかりした病院に勤務されてる医師の書かれたものだったので、信頼できるかなと思って、主治医にFPの事を相談してみたわけです。

 主治医は勧めませんでした。覚醒作用があること、効果を疑問視する論争は続いているとの理由です。あまり日本で使われていないのかな〜と思いメールを出したらカナダの人から返事が有ったのです。かなり調子が悪くなり医者をかえてFPをやめたと言ってました。ただ、Yさんのような歩行やふるえではなく意識の混乱があったようです。

 いつもお世話になっている薬剤師さんがエフピー錠2.5についてる説明書を取り寄せてくれたのですが 劇薬、覚せい剤原料、指定医薬品、要指示医薬品とのことで彼女も勧めませんでした。疑問視が続く理由は2点有る印象を受けます。
1.単独投与による有効性が確立していない。
2.英国の研究グループが行った報告が影響している。

 本剤にレボドパを追加投与すると、レボドパだけを服用した患者より死亡率が1.6倍と有意に高かった。これは英国のNational Hospital for Neurology and Neurosurgery の顧問神経内科医 Dr.Andrews Leesの行ったもの。(Ray of Hope はRay Kennedy と Dr Lees の共著) その後の追跡調査は1.3倍有為性なし。他の調査も他のヨーロッパ諸国や米国のは1.1 とか1.05とかです。

 説明書には 患者は英国などの報告を承知し、本剤を服用することが症状の改善をもたらすかどうか医師の判断の下に同意の上で服用する。本剤の交付を受けた患者(又はその看護にあたる者)は、第三者に本剤を譲り渡す事を禁じられていると有ります。

 その他、気になる事は「維持量投与後、レボドパと本剤との併用効果と思われる不随意運動が現れた場合には、レボドパの減量を実施する。それでもなお、症状の軽減が認められない場合は本剤の減量・休薬等適切な処置を行う事」とあります。参考になるかどうか分かりませんが以上です。(k)


 劇薬等の表示に関してですが、ペルマックス、カバサールも同様に劇薬、指定医薬品、要指示医薬品と書かれており、要するにパーキンソンの患者にしか使えないクスリ だから医師の指示のもとに使うようにということだと思います。

 覚醒作用に関しては患者の5%くらいに幻覚、妄想などの副作用がみられ、また不眠を生じる可能性があることから、朝1回、または朝と昼の服用にして、夕の服用はし ないようにとされています。FP錠は現在レボドーパ製剤との併用が基本とされていて、単独投与はされていません。以前は神経保護作用があるのではないかといわれたこともありましたが、証明さ れていません。

 レボドーパとの併用による不随意運動に関してですが、FP錠はMAO−B阻害剤であり、ドーパミンの分解の過程を阻害するため、結果的にドーパミンの効果が増強されることになります。そのために over dose dyskinesia が出やすくなるので、レボ ドーパの量を減らす必要があります。 私もFP錠の維持量とメネシットの量を決めるのにかなり時間がかかりました。

 日本でのFP錠の長期投与の経過観察はまだあまりないようですが、レボドーパのように徐々に効果が弱くなっていくのかもしれません。このことはあまり書かれていません。英国においてFPを併用した患者で心、循環器系障害による死亡率が高かったという点はいささか気にかかります。

 日本では、このためFP錠の投与に際して、患者に対して説明と同意が必要とされ、市販後調査が義務づけられているとのことですが、果たしてなされているのでしょうか?(よ)


 セレギリンの悪夢に関しては、詳しい表現は自分のコアがない状態。本を読んでいても集中できず、ただまぶたが重く、やる気がなく、もうどうでもいい状態。まともに 考えられないし、人とも会いたくないし、ほっといてくれという感じにもなり、非常にネガティブ、でももう生きていたくないとかいうような激烈な悲壮感ではなく、的確な表現はできないのですが、自己嫌悪感でもなく、やる気の著しい喪失、引きこも り化というのが正しいでしょうか。(と)


 わたしも1年半くらい前から、メネシットの量を減らし、持続時間をのばす目的でFPを併用しています。たしかにメネシットの量は少し減り、持続時間ものびましたが、メネシットの量のコントロールが余計にむずかしくなったようにかんじています。メネシットがちょっと多いとそのためのすくみ足がでたり、少ないとふるえと突進歩行が出やすくなりました。その差というのがメネシット1/6錠−1/8錠というくらいのごくわずかの差なので苦労しています。

 これを症状の悪化ととらえたらよいのか、またFPによるものなのかP病自体の進行によるものなのかもわかりませんが、なんとかできないものかしら。場合によっては、FPを辞めてみた方がいいのかとも思ったりしています。(よ)