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幹細胞移植について


 今日、神経内科を受診したので、その時に主治医に幹細胞移植のことについて聞いてきました。あくまでも私の主治医の意見として、参考にして下さい。(主治医は大学病院の講師です)
  • 先日新聞でマウスのES細胞から、ドーパミン分泌細胞を作製することに成功したとの記事がのっていたが、今の時点ではもうすでにサルとまではいかなくてもマウスよりもっと大きい動物での実験がかなり進んでいるはずである。
  • ES細胞に関する研究の進歩は非常に早い速度で進んでおり、数年以内にヒトでの治験も可能になるだろう。
  • 日本での移植がいつ頃できるようになるかは、今のところまだわからないが、数年後には外国へ行って、幹細胞移植を受けるということが可能になるはずである。
  • 細胞移植の際に問題となるのは、倫理上の問題と製薬会社などがパテントを握ってしまった場合の問題である。
  • 倫理上の問題に関しては、アメリカ、ヨーロッパ、日本などではこれをクリアするのに時間がかかるかもしれない。その場合には、メキシコ、南アフリカなど倫理上の問題をあまり厳しく追及しないような国で移植が開始される可能性もある。
  • 幹細胞の移植方法としては、脳実質内への移植よりも脳室内移植のほうが安全と思われる。脳実質内への移植の場合は、脳定位手術と同じような手技が必要となり、リスクも大きくなる。脳室内に幹細胞を入れると幹細胞は脳膜下で増殖することになり、その場合でもドーパミン性神経細胞は十分に機能を発揮することができると思われる。
  • 幹細胞移植の副作用についてははっきりとは言えない。ただ、幹細胞はいろいろな細胞に分化する可能性をもつ細胞であるが、移植された周囲の環境に合った細胞だけがその領域で増殖するので、他の機能をもった細胞がどうなるかということは、それほど気にしなくてもよい。
  • 移植された細胞が生着して何年間機能するかということについては10年くらいの経過観察が必要と思われるが、胎児の副腎移植、神経節移植などの経過から考えると3−5年は大丈夫ではないか。もし3−5年経って移植した幹細胞の機能がなくなったとしても再移植が可能である。この点が脳定位手術と大きく異なるところである。
  • 移植のテクニックについては、脳深部刺激術や脳定位手術を現在おこなっている脳外科医の協力があれば、おおきな問題はないだろう。
 主治医のこのような説明を聞いてうれしくなって帰ってきました。 私たちの生きているうちにというのもまんざら夢でもなさそうです。(よ)


 英国でもどんどん研究が進んでいて、問題は倫理上のことと、パテントのことだそうです。前にも掲示板に書きましたが、カーディフ大学研究グループは会社を作ってパテント取得を目指しているようです。(と)